こんばんは
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。
私たちカウンセラーがよく使う手法の一つが、「ものごとの見方をまったく違うものに変えることで問題解決のお手伝いをする」というものです。
だれもが個人個人の主観のもとに、自分なりにものごとを解釈しています。その解釈の仕方によって、怒ったり、笑ったり、落ち込んだりと、感じる感情も決まってきます。
そして、男女関係はもちろん、あらゆる人間関係も、そこにあるものごとをどのように認知するかによって、相手との関係が良好になったり、疎遠になったり、険悪になったりということがよく起こるわけです。
たとえば、ご主人のおかあさんの誕生日をうっかり忘れ、遅ればせながらのおめでとうメールを送ったものの、返信がなかったとしましょう。
あなたは「おかあさん、だいぶ怒ってるかな。だから、返信もないのかなぁ」と解釈しました。
すると、落ち込んだり、自分を責めたり、「器の小さい義母だわ」とおかさんを責めたりしますよね。
さらにご主人の実家に行きづらくなるとか、おかあさんとのコミュニケーションを避けてしまったりとか、それはその後のあなたの行動にも表れます。
しかし、実際はといえば、おかあさんはまったく気にしていないことが多いものです。
そもそも、おかあさんはあまりメールを見ないかもしれませんし、逆に遅まきながらガラケーをスマホに替えて、お友だちとのLINEに忙しいだけなのかもしれません。
これは実際にあった話なのですが、あるおかあさんは自分の誕生日の1週間後に息子の嫁からのメールを発見し、すぐに返信しなかったことにものすごくバツの悪い思いをしたのだそうです。
で、「いまさら返事するのもねー」と返信を躊躇したことが、問題をより複雑にしてしまったそうなのですが‥‥。
専門的な言葉で“認知行動療法”という心理療法があります。これは、「まったく違うものごとの見方をしましょう」という考え方に基づく問題解決の手法です。
たとえば、楽しみにしていたデートが彼の仕事の都合でドタキャンになったとしましょう。
ワクワクして待っていたあなたは、「なんでなのよ!」と彼に噛みつきたくもなりますよね。
そのとき、あなたは心のどこかで「彼は私より仕事が大事なんだ」、「私は彼に軽んじられている。彼にとってはデートなんかちっぽけでどうでもいいことなんだ」という解釈をしなかったでしょうか?
「だから、平気な顔して、明日のデートができないってLINEを前日になってよこしてくるんだわ!」、とは思わなかったでしょうか?
でも、それはあなたの解釈です。
実際のところ、彼はあなたが明日のデートをすごく楽しみにしていたことを知っていましたし、それは彼も同じだったかもしれません。
デートができなくなったことをあなたに伝えるのには、相当な罪悪感を感じたし、なんて言って伝えようかと頭を抱えて悩んだかもしれないのです。彼にとって、あなたはとても大事で傷つけたくない人だから、ですね。
しかし、取引先の事情でどうしても明日でないと処理できない仕事が発生し、彼は断腸の思いであなたに連絡したかもしれないのです。
こんなとき、私たちカウンセラーはよく「彼とこんなふうにコミュニケーションしてみて」と提案します。
「明日のデートができなくなって、すごく寂しいし、つらい。あなたもそう?」
「楽しみにしていただけに、ほんとうにがっかり。でも‥‥、あなたは自分を責めたりしていない?」
こんなふうに聞いて、彼の感情を引き出してあげてほしいのです。
このようなとき、私たちは自分だけがネガティブな感情を感じていると思いがちですが、じつはほとんどの場合、パートナーも同じだけネガティブな感情を感じていることが多いのです。
自分だけの解釈で決めつけずに、パートナーがどんな気分や感情なのかを聞いてみることで、「そうだったのね。仕方ないわね」とあなたの爆発しかかっていた感情が鎮まることもよくあります。
「まったく違う見方をしてみよう」
日常の中で感情がネガティブに大きく揺さぶられることがあったなら、まずはこう考えてみてください。
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