みなさん、こんにちは!カウンセリングサービス の大野愛子 です。
木曜日は「不倫と浮気」をテーマに、大門昌代・大塚統子と共にお送りしております。今週は、大野が担当させて頂きます。
先日、女友達3人で話をしていて、こんな話題になりました。
「別れた元彼と、その後も友人として付き合うか否か?」
これは、意見が分かれました。
「元彼と会うなんて、絶対ありえない!アドレスも電話番号も消去だもん。貰ったものだって処分するよ!」
「え?そうなの?わたしはたまにご飯を食べに行ったりするよ。だって、それだけのことだもん。」
これ、どちらが良いとか悪いとかのお話ではありません。
ただこの3人に共通していたのは、「別れた彼のことは、すでに過去のことになっている」というところです。
何かの偶然で再会をしたとしても、やり直すことはない。
ご飯を食べに行ったところで、やり直すことはない。
そこだけが、共通していました。
※ ※ ※
そして、ここからが本題のお話です。
いわゆる「腐れ縁」というものが、ありますよね?
・別れたいのに別れられない。
・別れたはずなのに、なんらかの理由を作って会ってしまう。
・もう恋愛感情はないのだけれども、なんとなく一緒にいる。
浮気や不倫という関係性でも、こういうことは起こりやすいのかもしれません。
そういう関係性でないにしても、「もういい加減、結婚もしたいし。今の彼じゃダメなんですけど、なんか別れられないんです。」というご相談を頂くことも多いのです。
どうして、そういう気持ちになってしまうのでしょうか?
◆やめたくても、やめられない。
やめたくても、やめられない。
これは、恋愛だけに限ったお話ではないと思うんです。
ある人には禁煙、ある人には飲み過ぎてしまうお酒、ある人にはいつかやろうと思っているのになかなか始められないことであったりします。
「もう、あの彼とは別れようと思うのよね。」
そう誰かに相談をすれば、「そうね。あなたにはもっといい人がいるはずよ!」と励ましてもらえることも多いでしょう。
本人もそうした方が良いことを、頭では分かっているんです。
心でもそう思っている。でも、行動に移せない。
そんな感じではないでしょうか?
◆ふたりの自分がいるような、そんな感じ。
わたしはそんな時、自分の中にふたりの自分がいるように感じることがあります。
ひとりの自分は「もう止めた方がいいってば!」と説得にかかるのですが、もうひとりの自分は「でも・・・」と言う。この二人の話し合いは永遠に平行線のままです。
そして次に出てくるのは、「わたしは、時間を無駄にしているんじゃないか?」という焦り。自分の年齢のことを考えてしまったり、友人達と自分の人生を比較してしまったり。
頭で考えている自分はとても理性的に状況判断をしようとしています。でも、もうひとりの自分は理屈ではないところの「何か」を怖がっています。
でも、怖い。でも、出来ない。
何かを訴えかけている自分がいることは、間違いないようなのです。
◆満たされていた何か。
別れたいけれど、出来ない。
わたし自身にもそういう経験はありましたが、その時に思っていたのは、こんな感覚です。
ふたりでいるのに、ひとりでいるよりもさみしいなんて、なんかおかしい。
だったら、ひとりでもいいんじゃない?
でも、ひとりでいることと、ふたりでいることはちがう。
ひとりでいるよりは、ましかもしれない。
そして、考えました。
「新しい誰かとめぐり逢えたら、その時こそ離れられるんじゃないか?」
断ち切ろうとする時には、次なる何かを求めたくなるのは、ごく自然なことだと思います。それでも、行動に移せたとしたなら、その時に「何か」が変わって行くのかもしれません。
「あったもの」が「なかったもの」になることが、怖いのです。その人との関係性で、満たされていたものがあるからこそ、それを失うことが恐いのです。
◆わたし達は、変化を恐れる。
その人から離れた世界というものを、わたし達は恐れるのです。
「この怖い気持ちさえ無くなれば、進めるはずだ。」
「怖くなくなったら、進もう。」
怖いという気持ちは誰でも感じるものなのですが、わたし達は怖さにのみ込まれてしまうことも多いのです。
以前、わたしは転職をするかしないかで、3年ほど悩み続けたことがあります。メリットデメリット、やりたいかやりたくないか、安定か冒険か、いろいろ考えて結論が出ませんでした。
そんな時に、とある方に相談をしてみると、こんなことを言われました。
「仕事を辞める恐れは、その仕事を辞めてみるまでは消えないよ。今のその恐れが消えるのは、仕事を辞めた後だから。」
わたしは、恐れを先に消したいばかりに、3年も悩み続けていたのです。あの「わたしの中のふたりの話し合い」を、3年も続けていたのです。
知っている世界は、わたしにキャリアと安心感と安定を保障してくれていました。その職場から離れた新しい世界というものを、わたしは恐れていました。異業種への転職でしたから。
ですが言われたように、その職場を辞める恐れは、退職をしたらあっさり消えてしまったのです。
目の前に差し出されたのは、新しい仕事。そうなると、どうやって取り組んでいくか、それを考えだしたのです。
◆怖いまま、進む。
かといって、「何の準備をしないまま、とにかく動いてしまえばいい!」というお話でもありません。転職などは、その後の生活もあるのですから、それなりに準備のいるものだと思います。心の準備だってそれは同じです。
怖い気持ちは、完全に消し去ることは出来ないのです。それでも進んで行ける人というのは、怖いまま、それでも進んで行くのだろうと思います。
怖いモノというと、わたしはお化け屋敷や苦手なジェットコースターを思い浮かべてしまうのですが、怖い怖いと言いながらも、入ってしまえば、乗ってしまえば、あとは必死で進んでいくしかないのです。
そのうちに恐れが消えることもあるかもしれないし、消えないままかもしれませんが、必死で進んでいる時は無我夢中で、恐れの入りこむ余地が少なくなるように思うのです。
今回は少々抽象的な書き方をしておりますので、掴みにくい部分があるかもしれません。ですが、「恐れ」というのも、「これが恐い!」とハッキリしていない場合も多いのです。
腐れ縁で悩む人の多くは、その相手を失うことを、実はどこかで恐れています。その相手がもたらしてくれていたものを失うことを、どこかで恐れているのです。
それでも、「わたしは一体何を怖がっているのだろう?」という恐れの正体に向き合った時に、心の霧が晴れることも多いようです。
「進むしかないんだな」と思えるのは、そんな時かもしれません。
自分自身で向き合うのが難しい時には、カウンセリングもご利用頂ければと思います。参考になれば幸いです。お読み頂きありがとうございました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆大野愛子のプロフィール
←Twitter ときどきつぶやきなう
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━