こんばんは
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。
「私はけっして嘘はつきません」と、政治家のみなさんは胸を張って嘘をつかれますが、人間、大なり小なり、生きている間は嘘をつくものです。
では、嘘をつく必要があるのはどのようなときでしょうか?
よくあるのは、心理的に「怒られるのではないか」という怖れがあるときです。それで、「怒られないように」と嘘をつくわけですね。
たとえば、子どものころ、おかあさんから「宿題したの?」と聞かれ、「した」と嘘をついたことがある人は多いのではないでしょうか。これは怒られないようにするための自己防衛であるわけですね。
一方、思春期以降はだれもがさまざまな隠しごとをもつようになっていきます。
たとえば、好きな人ができた、おつきあいがはじまった‥‥。
こうしたことは親の前では隠しておきたいので、「べつに、好きな人なんかいないもん」なんて言ったりしますよね。
そして、あんなこともこんなことも、ぜんぶすませていたとしても、「べつに、なんにもしてないもん」と嘘をついちゃったりしますよね。
つまり、思春期以降につく嘘の多くは、自分が大人になっていく部分を隠したいという思いからつく場合が少なくありません。
「親はいつまでも子どものままでいてほしいと思っているはず。にもかかわらず、私はいろいろなことを知っている大人になってしまった‥‥。それは隠しておかなければ‥‥」というところでしょうか。
嘘をつくシーン、ほかにも挙げれば、「怒らないから、正直に言って」というのがあります。
はみなさんにも経験があるかもしれませんね。これは、親が子どもの悪さに気づいたときや、奥さまがご主人の浮気を問いつめるときなどによく使われるセリフです。
親子関係の場合、「怒らないから言いなさい」というおかあさんの口調がもう怒っているわけですが‥‥。
一方、男女関係では、パートナーを傷つけたくないがゆえに嘘をつく場合は少なくないようです。
声には出しませんが「正直に言うと、きみを傷つけてしまうだろ‥‥」というわけです。
よくあるのは別れの理由でしょうか。
「なぜ、私と別れたいの?」と聞かれ、「きみには飽きたんだ。一緒にいても、ぜんぜん楽しくない。そもそも、口が臭いし、おなかは三段だし‥‥」とはなかなか言えないのであります。
そのため、「きみのような素晴らしい人は、ぼくにはもったいない」などと嘘をついたりするのですね。
ちなみに、このような嘘をつく裏側には、「自分にゲンメツしてもらいたくない」とか「自分のよきイメージを守りたい」という思いも隠れています。
心理的に見て見ると、嘘のルーツは大きくは2つあるようです。
一つは、「お父さん、お母さんの期待どおりのよい自分を演じたい」という思い、もう一つは、「ほんとうは自分はあまりよい子ではない。その部分を隠したい」という思いです。
そして、私たちが対人関係において、“よい自分”の仮面を守るために、嘘が存在するといわれているのです。
ところで、多くの場合、嘘は作り話になるわけですが、口から出まかせで言った嘘は記憶にはほとんど残りません。
あるご夫婦のこんなエピソードがあります。
ある日、ご主人はゴルフに行くと偽って、浮気相手の彼女と会っていました。
それ以前からご主人のことを怪しいと思っていた奥さまは、後日、こんなカマをかけてみたのです。
「この前のゴルフのときは、雨が降ってたいへんだったわね」
実際は、その日はとてもよいお天気でした。が、ご主人は彼女とホテルでしっぽりと過ごしていたので、お天気のことは憶えていません。
帰宅して、「雨が降ってたいへんだった」などということも言っていないのですが、まんまと奥さまの作戦に引っかかり、「そうそう、あの日はほんと、雨でたいへんだったよ」と言って、嘘がバレてしまったのです。
真実の体験は記憶として残ります。一方、つくった嘘は記憶からどんどん消されていくのですね。

TikTokもやってますフォロー宜しくお願い致します
\ 水曜21時はニコニコ生放送!/
ニコニコチャンネル【恋愛心理学アカデミー】 では、
毎週水曜21時から70分間の生放送を実施中!
次回の放送は、 大野愛子×大塚統子「知っておきたい男のホンネ」
..:。:.*.:*゜..:。:.*.:*゜..:。:.*.:*゜..:。:.*.:*