みなさん、こんにちは。カウンセリングサービスの大野愛子です。
木曜日は「うまくいかない恋の処方箋」をテーマに、大門昌代・大塚統子と共にお送りしております。今週は、大野が担当させて頂きます。
【恋愛Q&A】恋愛ができないことに悩んでいます
今まで男性とお付き合いしたことがありません。もうすぐアラフォーになるので、このままではいけないと思い結婚相談所で婚活を始めました。でも、男性は見た目で女性を判断するような気がして、若い子のほうがいいんだろうと引け目を感じてしまいます。
じつは中学の頃、同じクラスの男の子に容姿のことでいじめられたことがあります。それ以来、男子が苦手になり避けるようになってしまいました。
いつかは男性と話せるようになりたいし、恋愛も結婚もしたいと思います。でも、そういう自分がイメージできないし、自分とは関係ない世界の話のようにも思えてきます。
私は性格がいいわけでも容姿がかわいいわけでもなく、地味で大人しく目立たないタイプの人間です。男性を惹きつけるような魅力は何もないので、恋愛対象にならないだろうと思うのです。
ブログの記事などを読むと「自分を好きになることが大切だ」とよく書いてあります。もちろん自分を好きになれたらいいと思いますが、好きになるようなところが見つからなくて、逆に悲しくなってしまいます。
両親の仲がよくないので、そういうことも関係しているのかもしれません。こんな私はどうしたらいいでしょうか?
●人を好きになることや自分を好きになることを阻むものとは
カウンセリングではこのようなご相談をとてもよくいただきます。私には何の魅力もないからそもそも恋愛対象にならないだろうというお声も伺います。
このようなときクライアントさんが、人を好きになることや自分を好きになること阻んでいるのは「過去の傷ついた経験(いじめ・失恋など)」であることが多いようです。
これは「片思いばかりしている」「異性とうまく話せない」「いつも短い付き合いで終わる」「いつのまにか音信普通になる」などのパターンとして出ることもあります。
傷ついた経験があると、パーソナルスペースを広く保ちたくなります。心が傷つかないような安全を感じられる距離感のことをパーソナルスペースといいます。
スペースの広さは人それぞれですが、心の痛みがあるほど広くなる傾向があります。誰かが入ってこようとすると心の安全が脅かされそうで、居心地の悪さを感じてしまうからそうなるのです。
●距離が近づく時に感じるもの
「また傷つくかもしれない」というリスクがあるので、自分のパーソナルスペースのなかに誰かが入ってくることがこわくなります。誰も入ってこなければ、心は傷つかずに安全に過ごすことができるからです。
でも、私だって恋をしてみたい。そう思って男性に近づこうとすると、まるで過去の古傷に近づくような感じがするので、どうしても心がザワザワと痛み出してしまうのです。
相手から近づいてくるときには、疑いが出やすくなります。「あなたも私を傷つける人なのでは?」と思うから緊張をしてしまい、自分らしくいることができなくなってしまいます。
このような状態でいるとき、魅力的でいることはとても難しいことになるとは思いませんか?だって、こわくて怯えているときに満面の笑みで笑うことなどできないだろうと思うからです。
このような場合、カウンセリングで取り組んでいただきたいことは、いじめられて傷ついた自分を癒すことになります。心には時間軸がないので、過去に感じた感情であっても今癒していくこともできるのです。
いじめなどの経験をすると、一瞬で世界が変わってしまうことがあります。きっとこの彼女もとても女の子らしい中学生だったのでしょう。
それがある日を境にして、女の子らしく生きることを諦めてきたのですから、どれほどの悲しみだったのだろうかと想像するのです。
●自分の良さ、魅力がわからないのにも理由がある
過去にいじめや失恋などを経験し、その傷が深く残っていると、誰かを好きになることがこわくなってしまいます。そのため、自分からは好きにならず、できることなら相手から好きになってもらいたいと考えることもあります。
でも、好きになってもらうのもこわいのです。だって、それは自分のパーソナルスペースに誰かが入ってくることだから。いじめはたとえるのならば、パーソナルスペースを踏み荒らされたような経験です。だから、心のドアを閉めて鍵をかけておきたくなるのです。
この彼女が、自分の良さがわからないのにもちゃんと理由があります。もし自分が魅力的になってしまうと、誰か(男性)が近づいてきそうでこわいのです。自分の良さを見なければ、自分の魅力を引き出さないようにすることができるからです。
そして、魅力のない自分を恋愛から遠いところに置きます。すると、ちょっとホッとするのです。「大丈夫。これで誰も近づいてこないだろう」と。もちろん、これは無意識的なことですし、傷ついた心を守るための防衛規制なのです。
ただ、カウンセラーとしてはちょっと思うのです。中学生の頃の彼女は、きっと花が咲く前のつぼみのようなかわいらしさをもっていたのだろうなと。そんな時期にいじめにあったのだとしたら、自分のことを「咲かない花」だと思い込んでここまでを過ごしてきたのだろうなと。
●傷ついた女性性を癒すために
では、これから彼女はどうしていったらいいのでしょうか?ご自身で取り組めるものを2つほどご提案させていただきます。
【自己開示をしてみる】
私たちは人から受け入れられないと感じる分だけ、自分のことを隠そうとします。隠さなければいけないものって良いものでしょうか?当然のことながらそれは良いものではないに決まっています。
隠さなければいけないと思っていた過去の経験、嫌いな自分を誰かに受け入れてもらえたとしたら、どんな気分がするでしょうか?受け入れてもらえた分だけ、自分を隠す必要がなくなり、自分のまわりのスペースが安心感で満たされていきます。
日常生活のなかでチャレンジすることにリスクがあるのであれば、私たちカウンセラーという安全な関係性のなかで取り組まれると良いでしょう。
【人の良いところや魅力を見つける】
人の良いところや魅力を見つけてみましょう。私たちは人の良いところを見ているときには気分がよくて、自己嫌悪モードに入りにくくなるのです。
また、人の良いところや魅力を見つけていくと、そのマインドが投影されて、自分の良いところや魅力を見てくれる人もいるはずだと感じやすくなっていきます。
それを伝えることによって、良いところや魅力を見てもらった人が攻撃的になることはありませんから、安心できるスペースを自分から広げていくことができるのです。
心の奥底にある「誰も好きにならない私が、誰かに好きになってもらえるわけがない」というマインドが投影されると、みんなが私のことを嫌っているように感じてしまいます。その投影を取り戻すためには、人のなかに良いところや魅力を探してみることです。
投影の法則は、自分のなかにないものを人のなかに見ることはできませんから、人に見た魅力は自分ももっているということを自覚されると良いでしょう。
安心できる心地よい場所が作れますように。
30代からのうまくいかない恋愛と40代からのこじれた男女関係に。
婚活・失恋・復縁・不倫など、恋愛についていろいろ書いています。
■ 会場案内
お問い合わせ・ご予約は、
カウンセリング予約センター:06-6190-5131 まで
センターの営業時間:12:00~20:30(月曜日定休日)