毎週月曜日の「恋愛テクニック」は、「カップル・カウンセリング」と題しまして、パートナーとの関係をより良いものにするため、「男性心理」「女性心理」を紐解きながら、さまざまなご提案をさせていただいています。
恋愛・夫婦問題で悩んでいらっしゃる方、パートナーをみつけようと思っている方、現在の、また将来の結婚生活に、役立つご提案を発信してまいります。
担当は、池尾昌紀・池尾千里の夫婦カウンセラー。毎週交代で発信していきます。
今週は、池尾昌紀が担当です。どうぞよろしくお願いします。
***
【池尾家・オンライン心理学セミナーのご案内】
『長所<短所』と感じているあなたへ
~私を受け入れる、人生がまた動き出す~
◎2022年7月24日(日)10:00~18:00
◎講師:池尾昌紀・池尾千里
◎詳細・お申し込みはこちらへ!>>>「池尾家心理学セミナー」
***
<YouTube:池尾家ちゃんねる・動画講座のご案内>
『池尾家ちゃんねる』もどうぞご覧くださいね。
なかなか手強い「バツイチさんとの恋」について、お話ししています。
◆◇◆◇ブログ・好評連載中!◆◇◆◇
「池尾昌紀の『シリーズ・自立三点セット(我慢強い・弱音が吐けない・一人でやってしまう)の心理学』」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
お待たせしました。
本日の記事をお届けします。
夫とケンカをしてしまうというご相談があった時。
その原因は単純なものではなく、さまざまな気持ちや状況等が重なり合っているものなのですが、自分でも思っても見なかったことが大きな理由になっている場合もあります。
自覚できていなかったがんばりが自分を追い込み余裕をなくしていることがケンカの原因になっていることもある、今回はそんなお話です。
◇余裕がないとケンカになりやすい
夫とのケンカが多いというご相談の時には、今思い当たるケンカの原因から話が始まることもしばしば。
例えば、夫がケチでお金の使い方のことでケンカになるとか、夫があることないこと義父母に話しすぎて腹が立つとか、仕事が忙しいのはわかるけど帰宅が遅すぎるとか、休日に寝てばかりで手伝ってくれないとか。
こんな風にケンカになりやすい原因がいろいろあったとしても、それは表面的なもので、自分では気がついていない何かが隠れている場合があります。
もしかすると、こうしたことはきっかけになっているだけで、そもそも夫だったり妻だったり、時にはお互いが心に余裕がないことがケンカを起こしやすくしていることもあるのです。
激しくプレッシャーを感じている仕事をしている、赤ちゃんが生まれたばかりで育児が大変、家族の誰かが大きな病気をしている等、こうした状況では心に余裕がなくなってしまいます。
だから怒りっぽくなったり、ケンカになりやすいのも無理はない、なんてことも多くあるのです。
具体的に腹が立つ原因があったとしても、それだけを見るのではなく、心に余裕がない状況を見てあげられるだけで、気持ちが楽になることもあります。
誰もがケンカしたいわけではないし、それを喜びと感じることはないものです。
こんな場合は、ケンカしてしまうほど心に余裕がないことを認めてあげて、少しでも余裕を持たせる工夫(休む、気分転換する、リラックスする等)をしていくことが、ケンカを減らす方法になったりします。
◇あなたはどんなに疲れていても家事に手が抜けないがんばり屋さんかもしれない
もし、こんな風に、ケンカの原因がお互いの心に余裕がないことだったとします。
その時、あなたの心の余裕のなさはどこからくるのでしょう。
もしかするとあなたは
「どんなに疲れていても家事に手が抜けないがんばり屋さん」
なのかもしれません。
もちろん、違う理由で余裕がない場合だって沢山あるのですが、こうしたがんばり屋さんの話、私はカウンセリングで伺うことが多いのです。
例えば、共働きでお互いとても忙しく責任のある仕事をしていて、それでも夫の方が帰宅時間が遅いので、しぶしぶ家事を自分がやっていて大変、と女性の方から相談を伺うような場合。
夫が全く家事に協力的でない場合も多くあるので、それは夫ががんばらないといけないわけですが、時に、妻が家事に手を抜けないがんばり屋であるというお話になることがあります。
こうした場合、ご相談者の女性が自覚なくやっていることも多いので、最初は話しに上がってくることもなかったりします。
しかし、ケンカの時に夫から「そんなに家事をちゃんとやらなくていい」みたいなことを言われた(←ここ、激怒ポイントですが)なんて話が出てきたりすると、私の方から「どうして夫はそんなこと言うんでしょう?」と質問していく中でわかることがあるのですね。
詳しく聞いてみると、例えば、この女性がどんなに遅く仕事から帰宅しても、どんなに疲れていても、
「掃除機を毎日かけている」
「隙間時間を使っておかずを作り置きしている」
「夫のYシャツは私がアイロンする」
という話が出てきたりするのです。
これが、夫が家事に口うるさくて毎日やれと言われて嫌々やっているなら、夫が正座級に反省すべきところなのですけれど、時に、妻が自分に課してやっている場合があるのです。
こうしたことがダメなわけでは決してなくて、やりたくてやっていたり楽しみ喜びとしてやっているならいいのです。
例えば「食事は美味しいものを手作りで夫婦で食べたい」と思って食事を作ることが楽しみであればそれはむしろ毎日を充実させてくれます。
しかし、こうしたがんばり屋さんというのは「夫のためにきちんとしてあげたい」という愛情が強くて、自分のことは後回しにしても、家事に手を抜きたくないと思っていることがあるのですね。
場合によっては
「家事をきちんとやる自分だから夫は私のことが好きでいてくれるんだ」
と言われる方もいます。
これは逆に言えば、家事をきちんとやらないと夫に嫌われることになります。
でも、本当にそうなのかは夫に確認してみないとわからないんですね。
それを言えずにがんばっていることも多いのです。
こうしたケースでは、私はご相談者さんに
「あなたがどれほど愛情が大きい人なのか」
ということを具体的に伝えながら
「夫が本当にそう思っているのか聞いてみてはどうでしょうか」
と提案することが多いです。
実際に夫に話をしてみたら、
「気持ちはすごく嬉しいけど、君が倒れることが辛い」
「忙しい時、疲れている時は無理して欲しくない。そうでなくても無理して欲しくない」
「時間がない時は、スーパーのおかずで十分」
こんなことを言われることもあります。
そもそも、率先して夫も家事をやればいいのに!という話が出てくることもしばしばですが、まずは「もしかして私はがんばってきたのかな。」と思ってあげてください。
負担なくやってあげたい時はやって、時間がない時、疲れている時はちょっと家事の手を抜くことが段々とできるようになると、自分にも余裕が生まれ、そんな妻の様子に夫も楽そうになってきて、ケンカが減るなんてこともあるのですね。
がんばり屋さんにとって手を抜くことはとても大きなチャレンジなのですが、月に一回はスーパーのおかずにする、みたいな小さな一歩から始めてみてください。
場合によっては、明らかに夫が不機嫌でやってられない!と思っていたのに、自分の余裕ができただけで、夫の機嫌が治った、というようなことも本当にあります。
冒頭に書きましたように、実際に夫婦でケンカが多い時の原因は単純ではなく、様々な要素が重なっているものですが、この自分のがんばりと価値に気づくことが、二人の関係性を見直すヒントになることもあります。
自分のことをきちんと評価できていないと、相手に自分の気持ちを素直に話すことも、相手の気持ちを聞くことも怖くなります。
自分のがんばりを当たり前と思わずに、ちゃんと認めてほめてあげて、こんな価値ある自分自身に、お休みやリラックスの時間やご褒美をあげてもいい、と思ってあげましょう。
あなたが自分の価値に気づいていくと、コミュニケーションがうまくいくという視点について、一度お試しいただけたらと思います。
今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。