みなさん、こんにちは。カウンセリングサービスの大野愛子です。
木曜日は「うまくいかない恋の処方箋」をテーマに、大門昌代・大塚統子と共にお送りしております。今週は、大野が担当させて頂きます。
カウンセリングで恋愛の相談をいただいたときに、ご両親のお話をお伺いすることがあります。それは両親との関係性が恋愛に大きく影響するからに他ならないのですが。
そこで今日はカウンセリングの実録からお話したいと思います。(※ご了承を得たうえでの掲載となります)
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お付き合いしている彼に嫉妬をしてしまうという女性がいました。とくに、彼の職場の女性社員に嫉妬をしてしまう。結婚話まで出ている彼にも関わらず、「職場の女の子に彼を取られたらどうしよう!」と心配になってしまうと言うんです。
歓送迎会の時などは朝からいてもたってもいられなくなります。彼の帰りがちょっとでも遅いなと思うと「今どこ?何しているの?何時ごろ帰るの?」と鬼のようにラインを送りつけてしまうのです。
職場の女の子に嫉妬するだけではなく、彼の仕事に嫉妬をすることもありました。「ごめん、今度のデートなんだけれどさ、急ぎの仕事が入ったので、ちょっとだけ伸ばしてくれるかな?」なんて言われると、「仕事なんて言って、本当は誰かと会うんじゃないの?」と疑いの感情が出てきてしまう。
あまりに彼女が嫉妬深いので、せっかく結婚話まで出ていたのに、彼から「ちょっと距離をおこう」と言われちゃったんです。それで彼女は焦ってカウンセリングに駆け込んで来たのです。
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そんな彼女をカウンセリングしていくと、こんなことがわかってきました。彼女は長女で、5つ下に妹がいました。妹は自分から見てもとても愛らしくてまるで天使のようにかわいい子で、自分とはまったく違う生き物だなと感じていた。
お母さんからは、「お姉ちゃんなんだから面倒みなさい」と厳しくされ「妹は小さいんだからかわいがってあげなさい。譲ってあげなさい」といつも言われてきたそう。
お父さんがお休みの日、お父さんの膝の上にいるのはいつも妹で、自分はその光景を少し離れて見ていた記憶がある。私もお父さんの膝の上にいてみたいなと思ったけれども、いつもお母さんのお手伝いや学校の宿題なんかをしなければいけなかった。
私はお父さんにあんなふうに愛してもらったことがない。お父さんは私よりも妹のことが好きで、妹のほうにやさしくて、私のことが好きじゃないんだ、と思っていたんです。
そして、せつないことに、彼女が中学生になった頃、お父さんは病気で突然に亡くなってしまったのです。彼女の記憶のなかには、お父さんは私を愛してくれなかった人として残っていました。
私たちにとってお父さんというのは、自分のことを一番に愛してほしい人。そのお父さんが自分よりほかの人を選んでいるのが、すごくつらいんですね。彼女の場合は、妹ですね。
すると、無意識的に彼にお父さんを投影しやすくなるのですね。すると、お父さんが妹を好きだったように、彼も女子社員のほうが好きなんだろうと感じやすくなるんです。
すると、彼は女子社員のほうがが大事なんだと感じてしまって、「ねぇ、私の方を見てよ!私に気が付いてよ!」とお父さんに求めていたものを、彼に求めたくなるんです。
しかも、昔あれだけ我慢したものですから、彼に過剰に求めがちになるんです。「私だけを見て!私のことをちゃんと見て!」。
パートナーに満たされない思いを抱えてしまうことは、大なり小なりあります。そして、それがあるからこそ、人を好きになるようなところもあります。でも、それを過剰に求めすぎてしまったときに、彼との関係性が悪くなってしまうのです。
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深層心理的には、彼にお父さんの仮面をかぶせて見ているような状態なので、つねに誰かに奪われるという不安に怯えています。それが、女子社員であったり、付き合いのゴルフであったり、男同士の飲み会であったりします。いちいち嫉妬してしまうわけです。
私は彼女にこんな提案をしたことがあります。今度実家に帰ったときに、小さい頃のアルバムとか、見てみるといいですよ。なにかわかるかもしれないから。」
それからほどなくして、彼女は実家に帰ったときに、小さい頃のアルバムを久しぶりに見てみたのです。するとなんと!お父さんの膝の上にのっている赤ちゃんの写真があるじゃないですか。
お母さんに「これ、妹?」と聞くと「何言ってんのよ、あなたよ!」と。「あなた、お父さん子だったからね」と。他の写真を見てみると、お父さんの足にまとわりついたり、お父さんと手を繋いだり、お父さんと一緒の写真がたくさんあったのです。
あの時に嫉妬していた、お父さんの膝の上に乗っていた妹は、じつは昔の自分だったのです。彼女は妹に対する嫉妬の感情が強くて、すっかりその記憶をしまい込んでいたのです。
そしてお母さんはこんなことも教えてくれました。「お父さんは、あなたが生まれた時にとても喜んで、あなたの名前を付けたのはお父さんなのよ」。
それを聞いたときに、彼女の誤解がすべて溶け始めたのです。私はもしかして、お父さんに愛されていたのかもしれない。もしかしたら、ずっと昔から。
その報告を聞いて、私は彼女にこう伝えました。「なんか、お父さんのことが、今までよりも近くに感じることができるようになったでしょう?」
「それにね、あなたのお父さんは早くに亡くなってしまったかもしれないけれども、あなたにその名前を付けることで、ずっとあなたの人生を見守っているんですよ。あなたのお名前に、どれだけお父さんが気持ちを込めたのか、わかるような気がしませんか?」
一度は彼との婚約解消まで追い込まれた彼女でしたが、そこから自分を癒して、自分への誤解を解いて、今では彼の奥さんになっています。
私たちは、けっこう自分に都合のいいように、ネガティブに記憶を塗り替えているようなところもじつはあるのです。それを誤解といいますが。
お父さんお母さんとの関係性で完了できていないわだかまりあると、それをパートナーに投影してしまうので、パートナーとの関係性でのわだかまりになりやすいのです。
お父さん、お母さんに対して満たされない思いがあると、それがケンカの種になりやすくなるので、これは解決をしておいたほうがいいのです。
それには子供目線ではなく、もう一度対等な大人として、両親のことを理解しようとする成熟さが求められます。そのあたりはカウンセリングで取り組まれると良いでしょう。
ご参考になさってくださいね。
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30代からのうまくいかない恋愛と40代からのこじれた男女関係に。
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