毎週月曜日の「恋愛テクニック」は、「カップル・カウンセリング」と題しまして、パートナーとの関係をより良いものにするため、「男性心理」「女性心理」を紐解きながら、さまざまなご提案をさせていただいています。
恋愛・夫婦問題で悩んでいらっしゃる方、パートナーをみつけようと思っている方、現在の、また将来の結婚生活に、役立つご提案を発信してまいります。
担当は、池尾昌紀・池尾千里の夫婦カウンセラー。毎週交代で発信していきます。
今週は、池尾昌紀が担当です。どうぞよろしくお願いします。
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お待たせしました。
本日の記事をお届けします。
先週の月曜・カップルカウンセリングでは、妻の池尾千里が担当で以下の記事を書いていました。
>>>『羊羹をめぐるパートナーシップの対等さ』
この記事は千里の両親の逸話ですが、他人事ではありませんでした。なぜなら、これを読んで、私は、
「結婚した頃の我々にも同じことがあった!」
と当時のことを思い出したからです。
私と妻が結婚して間がない頃、冷蔵庫を開けた妻が急に怒り出したのです。
「一個しか買ってきてない!ひどい!」
私は最初、妻が何の話をしていて、何に怒っているのかさっぱりわかりませんでした。
それは、私がアイスクリームだったか、スイーツだったかを買ってきて冷蔵庫にしまっておいたものを、妻が見つけて叫んだセリフだったんですね。
そう、私は「自分一人の分」しか買ってきていなかったのです。
私は一人暮らしがとても長かったのですが、その時の感覚が結婚しても変わってなかったんですね。
妻があんまり怒るのを見て、私は今後は必ず二人分買ってこようと心に誓ったのですが、当時の認識では「そんなに怒らせて申し訳ない」と思ったからでした。
しかし、今回の千里の記事を読んで、あの時に私が感じたのは、もう少しいろんな思いを感じていたんだな、と思い直すことになりました。
当時は心理学を学んでいませんでしたので気がついていなかったのですが、私はあの時、結婚とは価値観が違う者同士が結婚するということなのだと実感したのだと思います。
さらに、自分が結婚して二人で暮らすことを自覚していなかったことと、この感覚のズレの怖さを感じていたのだと思います。
自分では全く悪気がなかったわけですが、それが悪気ないだけに、見落としやすくなると思ったんですね。
実は私のこの怖れは別の理由からとても大きく感じてしまっていたのですが、それはまたの機会に書かせていただくとして、夫婦が違う価値観と文化を持っているもの同士が一緒に暮らすことを自覚することが大切さである、という話につながることだと思って今回の記事を書かせていただいています。
◇育った家庭で料理の味が違うことをわかりあえるなら
カウンセリングで婚活や夫婦問題のご相談を伺う時。
結婚とは日本人同士でもある意味、国際結婚をするようなもの、と私は例え話をさせていただくことがあります。
実際の国際結婚はとても大変だと思うのですが、この例えを使っている理由は、価値観や文化が違うもの同士が一緒に暮らすことになる、という意味なんですね。
例えば、お雑煮の味。
京都のお雑煮は白味噌で甘く、東京は醤油ベース、みたいに地域によって味も具も違いがあります。
すると、毎日の食卓に出てくる食事の味も変わってきますから、結婚すると味付けについての文化の違いが出てくる可能性があるわけです。
私の住んでいる名古屋周辺は、八丁味噌の文化がありますが、それを苦手と思う地域の人だっているわけで、もしそんな二人が結婚したら、味噌をどうするかという問題も出るかもしれません。
そうなると、これはどちらかが譲る、交互に変える、みたいに二人でコミュニケーションを取って妥協点を探す、ということも出てきます。
そして、全く新しい味を作り出す、なんていう選択肢も生まれます。
実際には料理の味付けが問題になることは少ないかもしれませんが、この話は、どのジャンルであっても、二人の価値観や文化の違いを解決していくための方法として使うことができます。
◇思いやりの持ち方が違うとしたら
結婚は異文化同士が一緒に暮らすこと、というこの話。
実際の結婚生活では、料理の味のようには意識せずに暮らしていることのほうが多いのです。
例えば、あなたが仕事で嫌なことがあってとても疲れて帰ってきたとします。
そんなあなたに夫(妻)は何も言わない。放ったらかしにされた!と腹が立ったとします。
こんな時の怒りは「私のことを夫(妻)は関心がないんだ、愛してないんだ」と感じていることが多いです。
こうしたことが積み重なって、大げんかになる、不仲になる、問題が起こる、なんてことに発展していったりします。
そんな夫婦問題を解決したくて、妻が夫を説得して来られるかたが多いのですが、ご夫婦そろって私たち池尾家の夫婦カウンセリングを受けてくださることがあります。
そこで「夫は私を放ったらかし!」という話が妻から出たとき、私たちが夫に質問をすることで話が一転することが結構あるのです。
私たちが、夫に「辛そうな妻を放ったらかしにしたのは愛情がないからなのですか?」と聞くと、
「辛そうだから一人にさせてあげたほうがいいかと思った」
という答えが返ってきたりするのですね。
妻からしたら驚愕の事実です。
しかし、ここに問題解決のヒントがあるのです。
◇自分がして欲しいことを相手にしてあげるという視点
辛い時にどうして欲しいか、というのは個人差があります。
「どうしたの?と聞いて欲しい、関わって欲しい」と思う人もいれば、
「話しかけずにそっとしておいて欲しい」と思う人もいます。
それ以外のことを望む人もいるでしょう。
しかしながら、私たちは
「自分がして欲しいことを相手にしてあげる」
ことをします。
それは、愛情の表現なんですね。
ですから、してもらえないと愛情がない、と感じやすくなってしまうのです。
しかし、相手の態度が悪い(と感じている)といって、本当に愛情がないとは限りません。
辛いときの扱い方一つとっても、価値観と文化の違う者同士が暮らしているのだから、違って当たり前なのかもしれない、そんな風にとらえてみましょう。
そして、お互いの「して欲しいこと、して欲しくないこと」を確かめ合うことをしてみてください。
夫婦関係の問題はコミュニケーションの問題、と言ってもいいようなところがあるのですが、これは言ってみれば「相手の気持ちを確かめていないのに思い込んでしまう」ということ。
逆に言えば、確かめたら解決することはたくさんある、ということになります。
愛情がないではなく、違って当たり前。
この視点で見て、コミュニケーションしていけば、違いがあってもうまくやっていけるやり方を見つけていくことができます。