こんばんは
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。
ポジティブ・タイプとネガティブ・タイプというと、ポジティブがよくて、ネガティブは悪いようなイメージをもたれることが多いようです。
じつは双方にメリットもあればデメリットもあります。
ポジティブ・タイプの人には、明るく、大らかなイメージがありますね。
しかし、その一方で、きめ細やかな計画性をもってものごとに取り組んだり、最悪の局面まで想定して準備したりといったことを苦手にしている人もなかなか多いのです。
ネガティブ・タイプには、暗くて、心が狭いようなイメージがあるものです。
しかし、すべてのものごとには最良のシナリオもあれば最悪のシナリオもあることを理解していて、企業であれば、その最悪のシナリオになったとしても、なんとか存続していけるようなプランを考えることができる人なのです。
同じような場面で、ポジティブ・タイプの人は最悪のシナリオを見ることもいやで、「いいじゃないか、そんな細かいことを言わなくても‥‥」と逃避しようとする場合も少なくありません。
よく言われるのが、企業で営業に向いているのはポジティブ・タイプ、経理に向いているのはネガティブ・タイプという話です。
かつて、私の知り合いに2つの土木工事会社があり、ともにバブル経済の時期にはものすごく儲かっていました。
片方の会社はポジティブな社長とポジティブな奥さまが経営しておられ、バブル期は一流の温泉旅館を借り切って社員旅行に出かけたり、幹部はファーストクラス、一般の従業員はビジネスクラスの航空券を取ってハワイに行ったりと、それはそれは豪勢でした。
もう一方の会社は、社長はポジティブですが、経理を担当する奥さまがネガティブ・タイプで、「こんな好景気、いつまでもつづくわけがない」と、内部留保、つまり貯金に精を出すとともに、賃貸アパートなどをたくさん保有し、経済環境の変化に備えました。
その結果、ポジティブ夫婦が経営していた土木工事会社はいまや影も形もありませんが、ネガティブ奥さまが経理を仕切っている会社は、バブル崩壊後、多くの建設土木関係の会社が倒産していった中でもしぶとく踏みとどまり、現在は不動産賃貸業者として生き延びています。
また、ポジティブ・タイプのご主人とネガティブ・タイプの奥さまという夫婦の間では、しばしばこんな会話が展開されます。
夫「今度の土曜日、会社の若いもんが遊びにくるのでよろしくね」
ポジティブ・タイプのご主人は、これだけのことを大雑把に伝えます。
妻「何時ごろ来られるのかしら? 昼食も用意します? それとも、夕食だけでいいの?」
準備する身としては、当然の質問です。
夫「えーっと、お昼ごろって言ってたよな。うーん、とりあえず、昼食も用意してもらえるかな」
妻「わかりました。で、何人分、用意すればいいでしょう?」
夫「えーっと、3〜4人‥‥、いや、あいつらもくるから7人かな。うん、じゃあ、3人分から7人分ってことで」
妻「倍ほど違うけど、何人分か決めてもらえる?」
夫「よくわからないから、多めにつくっておいてくれ」
大らかなポジティブ・タイプのご主人は、会社でも「おう、よかったら、おまえも、おまえも、おまえも、今度の週末にうちに遊びにこいよ」などと気さくに後輩たちを誘ったりしています。
そのご主人のお客様をもてなす役割の奥さまは、きめ細かなプランが必要なネガティブ・タイプです。
この2つのタイプがうまく噛み合えば、最高に素晴らしいチームができるはずなのです。
ところで、ポジティブとネガティブは一人の人の中にも存在していて、ジャンルによってポジティブになったり、ネガティブになったりということはよくあります。
たとえば、私は通常のときはポジティブなタイプだと思いますが、登山をするときは非常にネガティブになります。
そもそも遭難のしようもないような安全なルートでしか登山はしないのですが、万一の遭難に備え、さまざまなアイテムを準備をしていくのです。
持参するのは、アルミホイル製の体を保温するアイテムや、大袋入りのピーナツ、マヨネーズ。マヨネーズはカロリーが高く、1本持っていれば1週間を生き延びられるからであります。
当然といえば当然なのですが、そうした荷物がリュックの3分の2ほどの容積を締め、遭難することはまったくないので、ちょっと減らしたほうがいいかなと思ったぐらいなのであります。
さらに、「平さん、マヨネーズ持ってたよね。サラダに使いたいから、ちょうだい」などと同行者に言われ、取られてしまうのです。
こんなふうに、みなさんの中にも、ポジティブな分野とネガティブな分野がきっとあることでしょう。
どちらかがよくて、どちらかが悪いというものではなく、バランスの問題であるということだけは覚えておいてくださいね。

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