毎週月曜日の「恋愛テクニック」は、「カップル・カウンセリング」と題しまして、パートナーとの関係をより良いものにするため、「男性心理」「女性心理」を紐解きながら、さまざまなご提案をさせていただいています。
恋愛・夫婦問題で悩んでいらっしゃる方、パートナーをみつけようと思っている方、現在の、また将来の結婚生活に、役立つご提案を発信してまいります。
担当は、池尾昌紀・池尾千里の夫婦カウンセラー。毎週交代で発信していきます。
今週は、池尾昌紀が担当です。どうぞよろしくお願いします。
***
<YouTube:池尾家ちゃんねる・動画講座のご案内>
『池尾家ちゃんねる』もどうぞご覧くださいね。
なかなか手強い「バツイチさんとの恋」について、お話ししています。
◆◇◆◇ブログ・好評連載中!◆◇◆◇
「池尾昌紀の『シリーズ・自立三点セット(我慢強い・弱音が吐けない・一人でやってしまう)の心理学』」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
お待たせしました。
本日の記事をお届けします。
夫婦問題で悩んでいる時、カウンセリングを使って自分自身の整理が進み、問題解決の糸口が見つかり始めた時。
ご相談者さんが本来の自分の価値を取り戻して再び輝き始めるようになっていくのですが、関係がよくなり始めたパートナーが、あなたのことを見てくれなくなる、なんてことが起こったりもします。
今回はそんなお話です。
例えばこんなご相談
***
夫に無視されるようになり、家庭内別居のような状況の中で、カウンセリングを使うようになって、夫とも段々会話ができるようになり、夫婦関係は随分よくなってきました。
無視なんて悪い態度を取っていた夫にも理由があったこと。
私が家事と仕事が手一杯で、夫を放っておいてしまったこと。
そう理解して申し訳ない気持ちを感じながらも、きちんと夫を思いを持って見るようにしたら、夫も私を見てくれるようになり、会話も段々とできるようになってきました。
どれほど私が夫を見てなかったのか、今ならよくわかります。
ところが、せっかく良くなってきたのに、最近、夫が不機嫌です。
無視はなく、会話もあるのに、私の顔を見ないようにしている感じ。
また私が何かしてしまったのかな、と心配になるのですが、夫に何が起こっているのでしょうか。
***
夫がある日突然、無視するようになった。
意味がわからないし、その態度に腹が立つ。
いつまでたっても夫は変わろうとしないことに苦しみ、カウンセリングを使ってくださるようになった。
こうした場合は、夫の心理をご相談者さんと一緒に探っていきます。
悪い態度は問題ですが、夫がこんな風になるのには必ず理由があります。
例えば、今回の例のように
「わたしが夫を放っておいてしまった」
ために、夫が寂しさを積み重ね、その結果「俺はいてもいなくてもいい、どうでもいい存在なんだ」と自分の存在価値を感じられなくなってしまった結果、その思いの通り、自分の存在を消してしまう行動にでる、なんてことをやってしまうこともあります。
夫の態度は誰が見ても悪いので、怒りも悲しみもたくさん感じますし、周りの人もあなたの味方になってくれます。
でも夫が悪いだけでは納得できないので、カウンセリングを使ってくださるのですね。
そこには「もしかして私のせいではないか」という自分を責める気持ちが隠れています。
カウンセリングではここに注目して、私から
「もし、夫の態度の悪さの原因があなたにあるとしたら、どんな理由があると思いますか?」
と質問させていただきます。
そこで出てくるのが「夫を放っておいてしまった」なのですが、ただ夫のことを邪険に扱ったわけではないことがとても大切なポイントになります。
夫だけでなく、妻にもきちんとした理由があります。
夫はハードワークで帰宅時間が遅く、休日は疲れて寝てしまっている。
妻は仕事をしながら家事もこなさなければならない。
そしたら余裕がなくなるのは当然で、更に、新しいプロジェクトチームのリーダーに任命されたりして、ますます仕事が忙しくプレッシャーの中で余裕がなくなった。
これでは夫に目が向かないのはやむ得ないわけです。
夫にも、わたしにも、お互いに理由があって相手を思いやれなくなったのだとしたら、お互い悪い態度はしたくてしているわけではありません。
「もしお互いに止むに止まれぬ理由があってのことだとしたら」
この視点を持つことができると、
「もしかしたら、どちらも悪くないのかもしれない」
というところにも進んでいけます。
すると、夫への怒りではなく、やむ得ない事情を抱えたもの同士と感じられるようになって、優しい目で見られるようになっていきます。
このあなたの優しい目は、夫に届きます。
こんな目で見続けてくれているあなたに、夫は、今更なんだよ!と怒りが出てくる場合もありますが、段々と、その優しさに応えたくなっていきます。
こうして夫婦の関係性が変わっていきます。
◇夫が見てくれないのは妻が再び輝き始めて「まぶしい」からだとしたら
夫が無視を止めて、妻を見て、会話を始める理由は、優しい気持ちで見てもらえるから。
元々、これを求めていたわけですから、最初は疑っていても(ほとんど最初は信じてくれません)ずっとその目で見て、接してくれたら、夫も本当に妻は優しい気持ちで自分のことを思ってくれているのだと、悪い態度をする理由をなくしていきます。
もし、あなたがそんな風に夫に接することができるようになったとしたら。
それは、あなたが自分の価値に気づき、自分らしさを取り戻してきていることを表しています。
余裕がない時、自分らしくはいられません。
また、夫に悪い態度を取られたら、こんなことをされるのは自分に価値がないからだ、と心の底では、夫に対する怒りの大きさより、自己攻撃のほうが大きくなってしまっています。
しかし、お互いに理由があっただけ、どちらも悪くないと感じられるようになると、夫の良さもわかるようになり、同じく、自分も悪いわけではないなら良いところもあるかも、と心は感じるようになっていきます。
これが自分の価値を段々感じられるようになっていくということなんですね。
すると、自分らしさを隠す必要がなくなるので、自然と才能、魅力、長所等のいいところが表にで始めるのです。
こんな風にあなたが再び輝きを取り戻し始めると、その姿を見て、夫は嬉しく思うのですが、こんな時に素直に喜べるタイプの人ばかりではありません。
恥ずかしいのです。
また、今まで悪い態度を取っておきながら、今更、素敵だねなんてバツが悪くて素直に言えないと感じたりします。
女性からしたら、今更何をかっこつけてるんだ!と思われるかもしれませんが、輝いている姿がまぶしくて真っ直ぐ見られないのかもな、と思ってみてください。
そう思えば、バカじゃないの?!と思う反面、可愛いところがある、とも言えます。
怒りより、可愛いところがあるのかもな、と思って接してあげると、いつまでもカッコつけていられなくなるので、コミュニケーションは段々と取れるようになっていきます。
ここまで進んでくることができると、夫婦関係は再びロマンスに向かっていきます。