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唯一無二の「私」を選ぶ

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こんにちは。カウンセリングサービスみずがきひろみです。秋葉秀海カウンセラーと隔週で、金曜日の「大人の恋愛術」を担当しています。

この数カ月、「人が羨ましくてしかたがないのです」というご相談をよくいただいています。それは、多分、私自身がずっと自分の嫉妬心に手を焼いてきたからで、特にこの2年間は、自己分析をするときのテーマの一つとして「羨ましい」気持ちとどう折り合うか探ってきました。

嫉妬は、人生のいろんな場面で感じる、一番感じたくない感情の一つです。同性に対しても、異性に対しても感じますし、仕事でも、友人関係でもありますが、恋愛に絡むときは本当に辛くて痛い感情です。私は、いつも「羨ましい」気持ちを素直に言葉にできる人、嫉妬心を超えて人と近づける人を、「真に心の大きい人」として密に尊敬の念を抱いてきました。自分もいつかそんな人になりたいと願いながら。今日は、そんな私が「羨ましい」気持ちについて、今、考えていることを皆さんと分かち合いたいと思います。

「嫉妬」は「無い=愛されない」という誤解が生み出す怖れ

嫉妬がツライのは、「欲しい」のに自分には「無い」ということを強く意識させられるからです。この「無い」という感覚が絶望的に感じられるから、何がなんでも手に入れなくては、という焦燥感や飢餓感に襲われて、いたたまれない気持ちになります。でも、もう一歩踏み込んで、なぜ「無い」という感覚がそれほどイヤなのか自分に問いかけてみると、その下には、

「無い=愛されない」

という堅い思い込みがあるのです。誤解なのですが。でも、この深い無価値感にはまると絶望しかないように感じるので、その手前の「無い」を感じなくてもいいように、といろんなものが欲しくなります。

これがあれば私は「愛される」に違いない!

こうして「愛される」ためのアイテム獲得の旅に出るわけですが、どれだけアイテムを増やしたところで、もともとの「無い=愛されない」という間違った思い込みがなくなるわけではないので、安心できるのはほんのひとときで、また次のアイテムを獲得しないといけないように感じます。

これを繰り返していると、必ず自分より上手がいることに気づきます。自分より気が利く人、自分より美しい人、自分よりかっこいい人、自分より楽しい人、自分より頭のいい人、、、。「無い」を「ある」に変えることで「愛される」ようになろうと思って頑張ってみたのに、頑張れば頑張るほど、「無い」を感じてしまう。「羨ましい」気持ちはつのるばかりです。

「愛されない」という「怖れ」に突き動かされて、「無い」ものを「欲しい」と追いかけても、「羨ましい」がなくなるわけではないみたいです。だって、そもそも「無い=愛されない」という思い込み自体が、誤解なのですから。「(私には)無い」も誤解ならば、「(だから)愛されない」も誤解。

「羨ましい」と思うものは自分の中にもある?

自分の中の嫉妬心を癒すにはどうしたらいい?と尋ねると、たいがい、「羨ましい」は「欲しい」で、それは自分の中にあるけれど自分が使えていない才能です、とカウンセラーは言います。私もそう言います。でも、正直なところ、私は、なかなかこの考え方だけでは自分を癒せませんでした。

それは、多分、私の無価値感がとても強かったために、違う自分になりたい気持ちが強すぎたせいではなかったかと思います。

似合う色に例えていえば、きれいなパステルカラーが似合うような人が羨ましいとします。でも、私はどちらかというとビビッドな色が似合うタイプだとすると、どんなにパステルカラーを上品に着て柔らかいエネルギーを醸し出したいと思って挑戦しても、本当にパステルカラーの似合う人にはかなわないのです。そのたびに、ダメだ、とうなだれて自分の無価値感を一層強化していたように思います。「無い=愛されない」の思い込みの罠にしっかりとはまっていましたね。

もし、ビビッドな色がきれいに映ることに価値をおけたなら、そこに柔らかいパステルのスカーフをたすことで、強さの中の繊細さを表現できるのに、不得手な色を無理にとりこもうとするから、自分の魅力まで隠してしまう。

男性でよくあるのは、人気者になれるような楽しい話のできる人になりたいけれど、自分はつまらない人間ではないか、という気持ちかもしれません。楽しい話のできる人になりたいと思うばかりに、かっこよく人前で話そうとしては、噛んでしまう。ますます自分はつまらないと思い込んでしまうという悪循環です。

そこで私に必要だったのは、自分はパステルカラーが似合うタイプではない、という一種の「諦め」だったのです。とっても、とっても残念なのですが。でも、この「諦め」ができると、ビビッドな色で自分を引き立たせた上で、アクセントにパステルカラーを使う、というテクニックが身につきます。パステルカラーのエネルギーも確かに私の中にある、わけです。

同じように、快活に楽しい話術でひきつける人になることを、それはとても残念なことだけれど、諦めることができると、その人の人柄が醸し出すユーモアがそこここの言葉や仕草に現れて、ついその人をいじりたくなるので人が周りに集まる、なんてことがあります。

「羨ましい」と思うものを本当に「自分のもの」として使うためには、私の場合は、いったんそれを「諦める」というちょっと悲しいプロセスが必要だったようです。

唯一無二の「私」を選ぶ

「諦める」という言葉には悲しい響きがありますが、それは「明らかに見る」という意味なのだ、と言ってくれた人がいました。

嫉妬心に振り回されていた私は、他の人になれないことを嘆いている私でした。でも、私が他の人になれないということは、私しか私になれない、ということでもあります。自分以外のすべての人になりたがっていたときの私は、私にしかなれない私を見捨てている私だったのだと思います。嫉妬心と折り合うということは、そんな唯一無二の「私」を生きることを選ぶことだったように思います。

私にしかなれない私、唯一無二の自分を抱きしめたとき、その唯一無二のものの中に全てがあるとやっと思えるようです。

私が私しかいないように、あなたはあなたしかいません。
あなたの大切な人も、唯一無二の存在です。
あなたがあなたの中に全てがあると信頼できますように。
そして、大切な人の中に全てを見てあげることができますように。



みずがきひろみが仕事やパートナーシップについて日頃思うことを書いています。

みずがきひろみの毎日、好きなものについてつぶやいています。




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