こんばんは
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。
ちょっと想像してみてくださいね。
みなさんが街を歩いていて、急にトイレに行きたくなったとします。
切羽詰まった状況ですが、信号を渡ったところにデパートがあり、「助かったー。急いで駆け込んで、トイレを使おう」と思っているとしますね。
そして、ようやく青信号に変わったとき、だれかがあなたの手をつかんできたのです。
見れば、「駅はどちらのほうですか?」とおばあさんが困った顔であなたを見上げています。
こんなとき、ふだんのあなたなら、やさしく道案内してあげることができるでしょう。しかし、もう、半分、チビリそうになっているこのときばかりは、「どけ! ババア!」というかんじではないでしょうか?
つまり、ゆとりがないと、なかなか人にはやさしくできません、というお話です。
たとえば、ラブラブの新婚時代を過ごしてきた夫婦に待望の赤ちゃんが生まれたとします。
生まれた瞬間から、母親にとっては年間365日休日なしの生活がはじまります。
「やらねばならないことばかり。頼りになるのは私だけ‥‥」、まるでわが家が戦場になったかのよう感じられ、どんどんどんどんゆとりもなくなっていきます。
もちろん、ご主人が協力してくれないわけではありません。しかし、こんなときは自分ばかりが一生懸命にやっているように感じ、口に出るのは文句ばかり‥‥。
“ガミガミと怒ってばかりの私”が出現すると、自分がどんどんいやな人間になっていくような気がするものです。
これ以外の状況でも、こんなことを思っているみなさんはいませんか。
「最近、人にやさしくできない。キビしい言葉ばかり使っているかも‥‥」
「なんか最近の私、いやな人間になってきたな‥‥」
それは、あなたが悪いのではなく、心にゆとりがなくなっていることのあらわれかもしれませんよ。
なぜなら、人間はだれかにやさしくしたり、だれかに愛を贈ったりしたいと思っている生き物だからです。
それができなくなったとき、とてもいやな気分になるのです。
そして、そのいやな気分にならないための防衛として、「私がこんなキビしい言動をしなくてはならないのも、あいつらがやるべきことをやっていないからだ!」とまわりの人たちを悪者にしようとすることがよくあります。
また、余裕がなくなればなくなるほど、ただ人に頼めばいいようなことを、怒鳴る、怒る、命令するなどの方法でないと頼めなくなってしまいがちです。
こんなときに必要なのが、心を整え、ひと息つくということです。
やるべきことが多すぎるときはかえってテンパッてしまい、忙しいわりになにもできていない‥‥などというときもあるのではないでしょうか。
そんなとき、海外には「ティーブレイクしましょう」という文化があります。
これはいわば、「お茶を飲んで、ひと息ついてから片付けましょうよ」という文化です。心を落ち着けるための大切な時間というわけですね。
私の場合はどれだけ忙しい毎日でも、近所の温泉や健康ランドに一日一回は必ず行くようにしています。そして、ボーッとする時間をとることで、イライラとした心を整える作用を得ているのです。
人によっては、軽いジョギングや瞑想がその役割を果たしていることもあるようです。また、タバコを吸うことがそれにあたる人もいますね。
私も昔はヘビースモーカーでした。が、自分をより深く心理分析してみたところ、タバコが吸いたいというよりも、「深呼吸でもして心を落ち着けたいときに、タバコを吸っているようだな」ということに気づいたのです。
以来、タバコはやめ、ゆっくりと深呼吸をして心を落ち着けるという方向に自分のパターンを変えることができました。
ほかにも、甘いものをとるとか、ちょっとだけ昼寝をするとか、いろいろな方法があると思います。
みなさんも「自分にとって、どんなことが心をリセットするのに役立つのだろう」と、ぜひ、一度、考えてみてくださいね。

