こんばんは
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。
カウンセリングの仕事を30年もしておりますが、昔も今も“愛”と“犠牲”を混同しておられるクライアントの多いこと、多いこと‥‥。
どうも、私たち日本人は、大事な人のために犠牲をしたり、がまんしたりすることが愛だと誤解しているようなのです。
たとえば、結婚10年目ぐらい、パートナーとのロマンスはすっかり冷めてしまい、子育てに忙しくしているという主婦のみなさんから、よくこんなことを聞きます。
「家事や子育てに協力してもらいたいのに、ダンナときたら、平日は飲みにいくのに忙しく、週末はゴルフで忙しく、うちはほとんど母子家庭(怒)」
なんで、あんなに非協力的なやつのために、ごはんを作ったり、洗濯したり、アイロンをかけたりしなきゃいけないの、というわけですね。
で、「もう、犠牲はいやっ。なんにもしたくない!」とみなさん、おっしゃいます。
もはや、食事の支度も洗濯も、ご主人のためにしてあげることはすべて犠牲に感じられてしまうのです。
こんなご相談を受けると、私たちカウンセラーはよくこんなふうなお話をします。
「食事の支度も洗濯も、新婚時代は犠牲ではなく、けっこう楽しくできていたりしたわけですよね。でも、いまは犠牲としか感じられない。なんで、こんないやなことになっちゃったんでしょうね?」
こんなふうに問いかけると、奥様方はものすごく凶暴になられます。
「だって、なにも手伝ってくれないし、なんの協力もしてくれない。きっと私を愛していないのよ。だから、私もダンナにはもうなにもしてあげたくないの!」
犠牲だと感じていることは、「やめる」という選択肢ももちろんあります。
ただ、もし、奥さまが「いやだから、なにもしない」ということをはじめたとして、夫婦仲はうまくいくのでしょうか?
たぶん、ご主人はこうおっしゃるでしょう。
「ああ、そうかい。だったら、おれだっておまえになにもしてあげたくない。給料だって渡したくないぐらいだ!」
そして、大喧嘩になり、中には離婚にいたるご夫婦も出てきたりするわけです。
ですから、今回のようなご相談をいただいたとき、私たちは、「奥さまがもう一度、あの新婚時代に家事していたときのような楽しい気分を取り戻すにはどうすればいいのだろう?」という視点からのサポートを考えます。
少なくとも、あなたが愛を拒絶した状態のままで、彼の愛を取り戻すということはありえないと思いませんか?
ただし、私たちがこう言うと、多くのみなさんは、「彼が愛してくれていないのに、なんで私ばかりが愛さなくちゃいけないの?」と思われます。
でも、考えてみてください。あなたはいま、愛を止め、悪い態度をとっていることでしょう。
それではご主人のほうからあなたを愛するということはならず、二人の仲がうまくいくこともありません。
つまり、“愛のリーダーシップ”をとる人がこの夫婦には必要なのです。
ここで陥りやすいのが、「あなたが愛してくれるなら、私も考えてもいいわよ」とおたがいに相手次第にしてしまうということです。
中には「どれだけ私が愛したって、なにもしてくれるわけがない」と思っている人もいるでしょうし、実際、そうである場合もあるでしょう。
でも、どちらかが愛の火を灯すことをせずに、夫婦が愛しあうということをやりなおせることはありえません。
それで、私はよく「愛されやすい態度をとっていますか?」という質問をします。
夫婦は同じ感情を感じながら、違う態度をとっていることがよくあります。
たとえば、奥さまは感情的になり、一方、男性は無関心を装い、無視するといった状況です。
まったく違うように見えますが、しかし、じつは二人とも、それが愛を求める態度であったりするのです。


心理学講座音声配信サービス「きくまる」では、毎月7のつく日に無料音源を配信しています。
「分かりやすく、すぐに使える心理学」をぜひ聴いてみてください。
なるほど!と腑に落ちたり、思わず笑ってしまったり、ぐっと胸が熱くなったりする話が満載です。
まずは、無料音源をお試しください