毎週月曜日の「恋愛テクニック」は、「カップル・カウンセリング」と題しまして、パートナーシップの問題の修復や、もっと幸せな二人になるためのご提案をさせていただいています。
担当は「池尾昌紀」・「池尾千里」の夫婦カウンセラー。毎週交代で発信しております。今週は、池尾千里が担当です。よろしくお願いします。
お付き合いを始めて、数年が経っていたり、結婚していたり、もうお互いのことは、ほぼほぼわかっていると、お互いが思っているような時から、私たちは、言葉にすることを少しずつ止めていくようです。
育った家族のことを思い出すと、よりわかりやすいかもしれません。
非常に親しい、近い関係性というのは、自分の育った家族との距離でもあるからです。
母親と子どもの関係の中の「当たり前」
私たちは、実家、特に、母親に対して、言葉を尽くして会話をするということが思春期以降、何回あったでしょう。
母親と子どもの距離は、物理的に家族の誰よりも近いものです。おかあさんから生まれたから、もともとは一体だったといっても、言い過ぎではない関係ですよね。
母親は、全力で小さな赤ちゃんを守り、育てる訳ですから、その過程を一番よく知っていたり、例えば、仕事などで、祖父母や、保育園に早くから預けられたという場合であっても、子どもを気にかけ、それができたかどうかは別として、一番の支援者であり、理解者でありたいと思うものです。
すると、こんな感情が湧いてくるのではないでしょうか。
「お母さんは、私のことを知っていて当然。」
「お母さんは、私のことがわかるのが当たり前。」
これは、わざとやっているわけではなく、全面的に守られてきた「子ども」という立場からの、言えば自然な発想とも言えるかもしれません。依存のステージで、全面的に愛される体験をしているわけです。
思春期の依存から自立への変化
ところが、そうなると、日常的なこと、例えば、家に帰ったらご飯ができていることや、夜、洗濯機に服を放り込んでおけば、翌日には、仕上がっているというようなことを皮切りに、精神的にも、こんなふうに依存したりします。
「勉強する気にならないのは、お母さんのせい。」
「忘れ物しちゃったのは、お母さんのせい。」
「こんな嫌な気分になるのは、お母さんのせい。」
こんなセリフを口に出して言うかどうかは別として、大人になっていく自立の手前にいる時、
「誰かの助けがないと私は何もできないんだ」
と信じている時代があります。こどもから大人へと、心と身体が変化していく思春期の頃でしょうか。
でも、ひとつひとつ、頑張ると、ちゃんとひとりで達成できるんだという「成功体験」を積み重ねていくことで、私たちは、依存のステージから、お母さんがいないところでも、ちゃんと自分でやっていける、自立のステージに移行していきます。
親しい関係の中で通る「親子関係」のようなプロセス
こんなふうにして育った経験をしていることで、私たちは誰でも、誰かと非常に近しい関係になった時、この依存的な感覚になりやすいようです。家族や親子、母子関係と同じところを通るといったほうがいいかもしれません。
心理学では、パートナーに「父親」や「母親」を投影するなどと言ったりしますが、ここでいう投影は、
「この人になら、依存しても大丈夫」
という部分といえるでしょう。
ある程度の絆が出来、信頼関係がある中だからこそ、できることでもあります。
子どもの時に体験した、あの家族や、母親との関係のようなものと同じ安心感を感じているのですね。
依存は良くないものという認識
「依存」と聞いて、どんな感じがされるでしょうか。
依存いうものは、大人になってくると、良くないものである認識になるようです。
ひとりでできない。
弱い。
甘えている。
未熟である。
などなど、自立した大人の目線から見ると、ネガティブなワードが、ザクザク出てきたりします。すると、自分の中に「依存」的な部分を感じることが、とても嫌だったり、うんざりしたりすることもあります。良くないものというカテゴリーに入ってしまうのですね。
自分の中の良くないと認識しているものを、「私、こんなものを持ってるんですよ!」とオープンにできる人などはいないはずで、なるべく隠しておきたいですよね。
でも、もしこの人になら大丈夫かも、という信頼できる人に出会ったら、それは、オープンにしやすくなります。
相手の様子を見ながら、小出しにする人もいれば、堰を切ったようになる人もあるでしょう。
私のことを(言わないけど)わかってよ!
子どもの頃、私たちが母親に向かって、やっていたやり方は、
「私からは、何にも出ないけど、あなたからは、ちょうだい。」
というやり方です。
これを、母親が小さな子どもにやるのは問題がないのですが、そうでない関係の中にこれを持ち込むと、関係性自体が、バランスを大きく崩し、壊れてしまいます。しばらくは、やってあげよう、と思ったとしても、長くは続かないでしょう。
フレンドシップでも、パートナーシップでも、片方に負荷が掛かる関係性は、どんなにがんばっても、継続するのは、難しいと言わざるを得ません。
助けてあげるばかりの人と、助けてもらってばっかりの人は、それだけでは対等ではないからです。
察することですれ違う
距離の近い、パートナーに対して、お互いに言葉が少なくなるのには、理由があります。
「言わなくてもわかる」からです。だいたいの察しがつくというやつですね。
いつも一緒に生活をする夫婦になれば、日常の中で、わかるようになることがたくさんあります。
食べ物の好み
好きなテレビ
嫌いなタレント
こういったものは、コロコロ変わりませんから、一度わかれば、そのまま継続して使えます。
では、逆にこんなジャンルはどうでしょうか。
体調
機嫌
喜ぶポイント
怒るポイント
ずっと体調がいい、ということはないですし、機嫌も変わりますよね。
喜ぶことや、怒るポイントも、状況や機嫌によって、いつも同じとは限りません。
変なタイミングでやってしまって、地雷を踏むなんてことも、あるあるですよね。
ここで、大切なのは、言葉にすることをせずに、察することだけでは、うまく理解できないことがあるということです。
日常を共にするパートナーとの間では、それが小さなすれ違いになることはとても多く、小さなすれ違いが幾重にも、降り積もっていきやすいともいえるのです。
察することに頼りすぎない方法
理解できないことや、理解されなかったことで、私たちは、まるで、母親にやっていたように、
「あなたのせい!」
と腹を立てていることが、意外にもたくさんあるようです。
パートナーに対して、そんな感情を持ったことはありませんか。
「せっかくやってあげたのに!」
「もっと察してくれたらいいのに!」
どれも、実際に言葉にされていないものですよね。
何をやってあげたのでしょう。
どうして、やってあげようと思ったのでしょう。
何をわかって欲しいと思っているのでしょう。
どうして欲しかったのでしょう。
言葉にせずとも、理解し、相手の役に立てることは、私たちが目指すところでもありますよね。
でも、それは、なかなか難しいのです。だって、私たちの心や身体は、いつも揺れ動いていて、同じではないからです。人間ですものね。
パートナーとお互いに揺れ動いているのですから、それを、正確にキャッチするなんて、本当はすごく難しいことなのです。
夫だから、妻だから、家族だからと、言葉にすることを減らさないようにする。
わからないことは、聞いてみる。して欲しいことは、伝えてみる。
小さなすれ違いは、小さなうちに対処することがベストです。
「なーんだ、そうだったのー」
で済めば、それで終わりです。
信頼関係があるからこその、察して欲しいという「依存心」。
お互いの「依存心」をお互いがサポートし合うことができたら、それが、「相互依存」という、パートナーとしっかりと手を組んだ無敵の関係性となるのです。
今日、パートナーに「察する」方法でない、言葉にしてみるとしたら、何があるでしょう。
お役に立てれば嬉しいです。
池尾千里
池尾昌紀・千里による『カップルカウンセリング』もご好評いただいております。お客さまのパートナーとご一緒にカウンセリングを受けていただくこともできます。
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カップルカウンセリングの料金
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2時間 ¥27,000-(税込)
次週、10月16日(月)は夫、池尾昌紀が担当します。
どうぞお楽しみになさってくださいね。
こちらの「カップル・カウンセリング」のブログ連載は、「池尾昌紀」「池尾千里」が担当し、「男性心理」「女性心理」を紐解いていきます。
恋愛・夫婦問題で悩んだり、パートナーをみつけようと思っている方、将来の結婚に役立つご提案を、毎週月曜日に発信していきます。
手っ取り早く「男女の心理が知りたい!」という方は下記の記事をご覧ください。
>>>「こんな時の『男心』『女心』がわからない!」シリーズへ
「池尾昌紀」「池尾千里」の「カップル・カウンセラー」によります、男女関係改善のためのブログをどうぞご愛読いただけたらと思います。
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