別れる気もないのに、「も～！別れる！」と言っちゃう人。

みなさん、こんにちは。カウンセリングサービスの大野愛子です。

木曜日は「うまくいかない恋の処方箋」をテーマに、大門昌代・大塚統子と共にお送りしております。今週は、大野が担当させて頂きます。

流れ星　　　

彼とケンカをしたときに、別れる気もないのに、「も～！別れる！」と言っちゃったことないでしょうか？

・・・私はありますよ。

「ああ、わかったよ！別れりゃいいんだろ！」なんて言われて、真っ青になったことも・・・。

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じつはこれ、「いつか見捨てられるかもしれない」という不安がある人が、やりがちなパターンなのです。

彼との関係がうまくいっているときでも、「きっといつかは捨てられる」という不安を抱えて過ごしています。

「どうせ私を捨てるんでしょ？」
「いつかは捨てるんでしょう？」

いつも気が休まる時がないものだから、

「僕は別れたくないよ」
「別れるなんて考えたこともないよ」

なんて言葉を彼から引き出したくなるのです。

でも、それは、ことごとくうまくいかないでしょうね。
だって、そんなことを言われたら、彼は「僕と別れたいのか」と思ってしまうから。

見捨てられることを怖れると、親密な関係になることを怖がります。そして、自ら関係を壊してしまうこともあるのです。

だって、とても親密になってから捨てられたら、絶対に立ち直れないぐらいに傷ついてしまいますから。

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でも、どうして「捨てられるに決まっている」なんて思ってしまうのでしょうか？

たとえば、私自身の経験で言えば、過去の失恋の経験が大きかったのです。大きなハートブレイクがあると、過去の経験を現在の関係に投影してしまうことがあります。

つまりは、「前のあいつも捨てたんだから、あんたも捨てるに決まっているわ」という痛みを投影してしまう。

そんなの新しい彼氏にしたら、“言いがかり”でしかないんですけれども、見捨てられた経験の種をもっていると、それを大きく大きく育ててしまうのです。

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根本的な解決方法のひとつは、「目の前の相手に、誰を重ね合わせているんだろうか？」と気がつくことです。

「投影を取り戻す」というシンプルな作業ですが、これに気がつけるか気がつけないかでは、大きな違いがあります。

それでも、ケンカをすれば「もう、別れる！」とまた言ってしまうかもしれません。

そんなときに、「ごめんね。あなたのせいじゃないの。前に振られたことがあって、つい不安になってしまうの」とちゃんと伝えることができたら、一歩前進です。

自分の不安を隠しておかないこと。これが相手への歩み寄りの一歩めなんです。つまりは、親密感への一歩め。

なぜならば、これをちゃんと伝えないと相手は「なにか自分が悪いのかな？」と思ってしまうんですよね。つまりは、なにも言わずに怖がっているだけだと、相手に誤解を与えやすくなるんです。

そして、相手が「別れるなんて考えてないよ」と言ってくれたら、その言葉を信じてみようと思うこと。ただ、そう思ってみること。

これは、「過去の失恋の傷よりも、いま目の前にいる相手を信じてみましょう」というレッスンだからです。

「過去の自分の傷とこの人との関係、どっちを大切にしたいだろうか？」と選びなおす勇気が必要になるでしょう。

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こんなふうに書いていますが、私自身もこの感覚には苦しみました。

私にもたくさんの失恋の傷がありましたから、結婚してからも「いつ夫に捨てられるのだろう？」とビクビクしながら数年を過ごしていました。

夫にしたら、まったく意味不明な態度だったと思うのですが、おそらく自分自身の両親が離婚をしたこともひびいていたのでしょう。

「きっと私も離婚するに違いない」と思い込んでいたのです。
離婚した両親への悲しみの感情が投影されていて、思い込み不安を作り出していたのです。

ちょうどその頃に心理学を学び始めたので、「こんなに怖いのは、私が夫のことを好きだから失いたくないのだ」と気がつくことができました。

でもそうでなければ、ずいぶんと夫を疑い困らせていたことでしょう。もしかしたら、自分で関係を壊していたかもしれないと思うのです。

自分から関係を切りたくなるというパターンがある方は、「その不安の根っこはどこにあるのだろう？」と考えてみると良いかもしれませんね。

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今日のお話しのポイントは４つです。

１、「距離が近くなりそうなときほど、見捨てられ不安も大きくなるのだ」「好きになりそうなときほど、距離を取りたくなるのだ」ということ。

２、「自分の痛みと目の前の相手、どちらが大切なのか？」を自分に問いかけてみること。

３、自分の気持ちをコミュニケーションする勇気をもつこと。

４、自分の痛みよりも「二人の関係」を大切にしてみようという意欲をもつこと。

不安になったときは、ぜひこれを思い出してみてくださいね。