こんばんは。
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。
離婚問題のご相談にお見えになったその男性は、とても追いつめられていました。
いつものように浮気をし、いつものようにそれがバレ、そして、いつものように土下座をしてあやまったわけですが、今回にかぎっては、どうしても奥さまに許してもらうことができなかったのです。
そして、「もう、あなたのことは信用できません」と奥さまに言われ、あせったご主人はインターネットでいろいろ調べ、うちのサイトにたどりつき、そして、この日、カウンセリングを受けにきたというわけです。
奥さまとは恋愛結婚で、もともとは同じ会社で彼の部下だったそうです。その当時のご主人はカッコよくて、モテモテで、奥さまは数多い彼のファンの中でただ一人、彼をゲットしたシンデレラガールだったのです。
しかしながら、モテる彼はちょくちょく浮気をしてはそれがバレるということを繰り返していたんですね。そして、今回はいよいよ奥さまの堪忍袋の緒が切れてしまったようなのです。
彼の話を聞くかぎり、奥さまの態度はかたくなで、これは少々のことでは彼は信頼を回復できそうにないことがわかりました。
そこで、とびきりの劇薬を処方することにしたのです。
「で、これまでの浮気で、バレちゃったのは何件ほどですか?」
「4件ほどしかバレてません」
「ということは、実際は何件ほど?」
「はい、たぶん11件‥‥」
「じゃ、その11件、きょう、奥さまにぜんぶしゃべりましょうか」
「はぁ?! そんなことしたら、ただでさえモメてるのに終わっちゃうじゃないですか!」
「心配しなくても、もうとっくに終わってますよ」
「!?」
ということで、その夜、ご主人はビクビクしながら奥さまの前に正座し、「ちょっと、話したいことがあるんだけど‥‥」と過去の浮気を一つずつ告白しはじめました。
はじめのうち、奥さまは「はぁ?!」と不機嫌だったのですが、途中からは「やっぱりそうか。あの女とアヤしいと思ってたんだ」とか「なんであのスナックにばかり通うのかと思ってたんだけど、やっぱりそうだったのかー」などと言いはじめました。奥さまもアヤしんでいたわけです。
そして、最後の11件目まで彼は告白し終わったわけです。
「その次は?」
「もう、これ以上ありません」
「ほんとうに?」
「ほんとうにこれでぜんぶです」
借りてきた猫のように小さくなって恐れおののいているご主人に、奥さまは勝ち誇ったような目で「どうやら、今回はぜんぶゲロッたようだな」と言い放ちました。
そして、彼にこう聞いたのです。
「なんで、こんなことしゃべる気になったん?」
「いや‥‥、ウソをつくのはもうイヤだから‥‥。ウソは、心が苦しい‥‥」
「しんどかったん?」
「う、うん」
「アホやなー、あんたは」
そして、彼は泣きはじめ、奥さまはその彼を「アホやなー」と言いながら抱きしめてくれたそうです。
ご主人が「もうこれ以上ウソはつきたくない。ウソをつきつづける人生は、ほんとうに苦しかった」と正直な気持ちを言ったとき、奥さまはようやく、今日はウソがない、この人は信頼できると思うことができたのでしょう。
また、奥さまにただウソをつきたくないという思いゆえ、自分の悪事をぜんぶ告白するという、自分にとってはなんのメリットもないことをしたご主人のその態度もまた奥さまの琴線に触れたようでした。
どんなケースでも、この方法が役に立つとは思えません。
ただいえるのは、女性が「彼のことが信じられない」と思うことこそが、いちばんの別れの理由になっていると言うことです。
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