みなさん、こんにちは。カウンセリングサービスの大野愛子です。
木曜日は「うまくいかない恋の処方箋」をテーマに、大門昌代・大塚統子と共にお送りしております。今週は、大野が担当させて頂きます。
* * *
「浮気しているんじゃないかと気になって、彼のケイタイ見ちゃったんですよ」
「そもそもロックをかけていること自体があやしいと思うんですよね」
という嘆き、たくさんお聞きします。
「オンナの勘で、彼のケイタイをこっそり見たんですけれどね。どうも女の子とメールしているようなんですよね。それが浮気なのかどうかはビミョーなところなんですけれど。でも、まさかこっそり見たとは言えず、聞くに聞けなくて・・・」
というケースもあるぐらいです。
今日は、ケイタイをこっそり見ることが良いとか悪いとかの議論をしたいわけではないんです。
「あやしい!きっと何かあるに違いない!」と疑いながらケイタイを見てしまったとしても、本当は、「あぁ、良かった。何もなかったわ~!」と安心したかったはずなんですよね。
ですが・・・
知らなくていいことを知ってしまえば不安になるし、何もなければないで証拠を隠滅しただけかもしれないと、結局のところ疑いは消えないままなのです。
そうなんですよ。
何もなかったとしても、欲しかった安心がすんなりと手に入るわけではないのです。
むしろ、その不安が、その疑いが、二人の関係を壊してしまうこともあるぐらいなんですよね。
そもそも、なんでケイタイを見たくなっちゃったかといえば・・・
だって、あやしいんだもの。
だって、最近わたしへのメールが少ないんだもの。
だって、わたしより仕事ばかりを優先するんだもの。
「だって、愛されていると思えないんだもの!!」という一言につきるのかもしれませんね。
ようは、わたしを不安にさせたのも、わたしに疑いをもたせたのも、「彼だ!」という理論が成り立つわけです。
ということは?
彼が原因で、彼のせいで、「わたしは不安になっちゃうのよ!」ということになります。
でも、それ本当かしら?
たとえば、彼が、
「そんなに心配ならば、僕のケイタイ見ていいよ。いつでも見たらいいじゃないか。」
と言ってくれたとしますよね。
そしたら、安心できるでしょうか?
おそらく、しばらくは安心できると思うんですよね。
そのしばらくも、きっと3週間ぐらいかと。
しばらくすれば、あの不安と疑いが、またむくむくとやってくるのです。
「オンナとの連絡って、PCのメールでだってとれるわよね?いやいや、職場にいるオンナだったら、そもそも直接でいいじゃない?わたしにわからない方法で密かに連絡をとっているんだとしたら?やっぱり安心できないわ・・・」
残念ながら、この不安と疑いは、彼が解消してくれるものではないのです。
こんなときは、「彼は、私を愛さないにちがいない」と疑いながら、「わたしは、彼に愛されるわけがない」と信じているのかもしれません。
自分は愛されないと頑なに信じていると、ものごとをそのフィルターを通して見てしまうからこそ、そう思い込んでしまうこともあるのです。
あなたが疑いたくなるのには、それなりの理由と経験があったのだと思います。
そこには、それだけ傷ついたあなたがいるのでしょう。
人は「信じたいがために疑う」ようなところがあります。
ですが、その不安と疑いを「彼のせいだから、彼に解消してもらおう」とすることは難しいのかもしれません。
もしも、疑うことよりも価値があることがあるとしたらなんでしょうか?
そこにこそ、あなたが欲しいと願う「なにか」があるように思えてなりません。
ケイタイを見ることが良い悪いの話ではなく、そうしたくなるのはなぜか?という心理面から考えてみると、また違った見方ができるのです。
知られては困るような自分、必死で隠している自分がいるのは、彼ではなくあなたのほうかもしれないという・・・そんな深層心理が見え隠れするお話でもあります。
ご参考になりますように。
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