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本題です。
「鏡よ、鏡よ、鏡さん、世界で一番美しいのはだ~れ?」という有名な白雪姫の(継)母の台詞。
これほど女性が呟く独り言は他にないのではないかしら?内緒だけれど。いえ、このままの形で、ではありませんよ。
「誰のことが一番好き?」、
「誰が一番かわいい?」、
「誰のことを大事に思っているの?」。
バリエーションは無限にあるかもしれないけれど、要するに、
「あなたが一番好きなのはだ~れ?」
と聞きたい。「鏡」のかわりに「彼」に。
「鏡」の中を覗き込みながら、「彼が世界で一番好きなのは誰かしら?」って答えが返ってこない独り言を繰り返したこと、ありませんか?
すでにパートナーとしてステディな関係性があれば、独り言ではすまなくて、繰り返しパートナーに「鏡」よろしく、
「私のこと、好き?一番好き?」
と投げかけては、
「はい。好きです」
と面倒臭くなった「彼」を「パブロフの犬」化していませんか?私だけ?
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「お妃さま、それはあなた、です」。
「鏡」のその一言がないと安心できない。心の平穏のために絶対必要な一言で、それが得られないばかりに世の中がおかしくなる、いえ、実際は自分がブレるがゆえ、疑心暗鬼の地獄に落ちて悪循環にハマることを多くの人(これはおそらく女性ばかりではない)が経験済みでしょう。
ところが、考えてみるまでもなく「鏡」に映る姿は、他の誰でもない「自分」なのです。
ということは、本当のところは「鏡」に映る「もう一人の自分」が、「あなた、です」と言ってくれるかどうかが大問題なワケ。
日本人は「うぬぼれ」をとても嫌うけれど、自分のことを「一番好き」と思えないと、人ってこれだけ「愛されていないかも」って不安になるもんじゃないの?と「白雪姫」の物語は教えてくれているのだと私は思うのです。
さらに付け加えるならば、どうもこのお妃さまは、「美しくなければ愛されない」という思い込みに支配されていらしたようなので、「世界で一番美しい」と自分で自分を思えなくなるとうろたえて、何が何でも自分より美しい女性(この場合は娘の白雪姫)を抹殺しなければならない、と思われたのでしょう。
自分を評価するものさしが一つしかない、というのも逃げ場がなくて、なかなか辛いものです。
とはいえ、「自分が一番好き」と大きな声で言える人ってやっぱり少ないのではないかな。心理学が好きで、いろんなワークショップにいきまくって、幸せに生きるうえで健康な自己愛は大事ってわかっている私だって、こっそりとでもそう言おうとすると喉がつまるような抵抗感がありますもの。「やっぱりそれはおこがましいでしょ」って。
自分のことが「一番好き」だからこそ、自分に「最高のもの」をあげたい、「一番欲しいもの」をあげたいという気持ちになるし、そう思う気持ちが「いいもの」を自分に引き寄せるわけで、自己愛は豊かさの鍵なのに。自分のことが「一番好き」なら、「鏡」も「あなた、です」と言ってくれるから、安心してまわりの人たちに笑顔を向けられるし、白雪姫だって小人の森に引きこもらずにすんだのに。
それが本当に難しい。
だからこそ、パートナーに、つまり王や王子さまに「鏡」の、
「お妃さま、それはあなた、です。あなたが世界で一番美しい」
という台詞を言ってほしい。
「自分が自分を愛せない分も、あなたが私を愛して!」
となるのですが、「自分が一番好き」と思うのがおこがましいとすれば、「私は愛せないから、あなたヨロシク」というのも図々しい話ですね。あぁ、恥ずかしい。
だから、まず「自分を好き」になりましょうよ、というお決まりの話になるのですが、自分が好きになれない「自分」ですら「好き」になってくれる人がいる、自分のことは好きになれなくても相手は「好き」になれる、というのが恋愛のミラクルたるところで、そこに私たちは「救い」を見るのではないかしら。
私が好きになれないのに、そんな私を好きでいてくれる人がいる!
逆に、
私はこんなに彼のことが好きなのに、どうして彼は自分を好きになれないのかしら?
なんて思えるから恋愛ってステキ。
パートナーシップって、そんな風にお互いに自分自身を受容する手助けをする関係性だとも思うのです。
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そんな相手が怒る、拗ねる、いじける、としたら。
「鏡」の中の像は紛れも無い「自分」だとしたならば。あくまでも仮定ですよ。怒っているのは「相手」ですから。
「鏡」の中の「自分」が怒っている。確かにこれは大問題です。いったい何に、なぜ、どう怒っているのか聴いてみなければなりません。
ただ、「怒っている」というだけで、「私は愛されていないかも」と不安になるのが怖くて「怒り」に「怒り」で応酬したり(普通、これをケンカと言いますね)、逃げ出したり、そもそも相手が@怒っている」こと事態が間違いなのだと説得にかかっても、「自分」のことも「相手」のこともわからずじまいになってしまうかもしれません。(とはいえ、ここに暴力があるときはやっぱり逃げるが勝ちだと私は思います。だって相手を加害者にしないのも思いやりだと思うから。)
「自分」が怒っている、と言われても「私は怒っていないのに」と思う方も多いでしょう。
確かに、「私」は、少なくとも表面的には「怒っていません」。
でも、もしも、相手が「怒る」ことであなたの地雷が踏まれて「怒り」が噴き出してきたとしたら、もしかしたらあなたの心の奥底には、言いたいのに言えずにいることがあったのかもしれません。そして、「怒られる」ことではじめて「怒り」にまかせてそれを伝えられたのかもしれません(あくまでも仮定ですけど)。
あるいは、本当に「私」は、怒っていないのかもしれません。
でも、「怒られる」ことで「やっぱり私が悪いんだ」とか「どうせ、私が悪いんでしょ!」と言いたい気持ちが出てきたとしたら、「鏡」に幽霊のように立ち現れているのは「私が悪いのです」という罪悪感の姿なのかもしれません(あくまでも仮定ですけど)。
これは、相手が怒っていることを正しいとか間違っているということが言いたいのではありません。
ただ、パートナーの反応から、普段は自覚していない自分の心の底の「気持ち」が見えてくるよ、と。
だから、「相手が怒るのはおかしい。怒るにしてもそんな怒り方はおかしい」で終わらせずに、「彼」という「鏡」に映った自分の気持ちも見てみませんか?
という提案です。
本当は、言いたいことを言えずに我慢していたんだ。
いつも相手が悪いと思っていたけれど、自分の中に「私が悪い。(だから怒られるにふさわしい)」という思い込みがあったのか。
そんなことに気づけたなら、自分の生き方、態度を選択し直すこともできます。
こんなに我慢しなくていい。遠慮せずに思ったことを言ってみよう。
そんなに「私が悪い」と思わなくてもいい。もっと自分を大切に優しく扱ってみよう。
そんなことを日常の小さな会話から変えていくことが、関係性の劇的な変化につながります。
パートナーシップの中で、お互いが「自分を受容する」ことの手助けをするというのは、こんな関係性の「谷」を繰り返し越えていくことではないかしら。
そしてその過程で、自分も相手も、何度も何度も「許す」ことが、二人の絆を作っていくのではないかしら。
私たちカウンセラーは、他人という「鏡」に映った自分の姿をつかまえては、唯一無二の「私」のことをもっと好きになれるようにお手伝いをします。その上で、もう一度パートナーをよく見てみると、その相手の姿がよりリアルに感じられます。そうして、何(十)年ぶりかのラブラブ期に突入される方もいらっしゃれば、「やっぱり違う」と別れることを選ぶ方もおいでです。どちらを選ばれたとしても、自分の人生を納得しながら生きることで幸せをつかまえていただきたい、と私は考えています。
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9月7日(日)のワークショップ@横浜は、「リーダーシップ」がテーマです。
「リーダーシップ」と聞くと何だか特別な才能のように思いませんか?でも、誰の中にもある、「自分にとっての当たり前」が案外他人の目にははっとする「才能」であることが多いものです。一番大事なのは、それを自覚してそんな自分を思いっきり表現していくこと。与えることってこんなに楽しいのか、って思っていただけると嬉しいです。
<昼の部>『幸せのリーダーシップをとりたい!(1)~リーダーシップはチームワーク~』
<夜の部>『幸せのリーダーシップをとりたい!(2)~【クリニック】あなたはどんなリーダーなの?~』
9月から【心理学サロン】でもリーダーシップのテーマを扱います。
第7回【心理学サロン】『権威との葛藤を超える鍵』
日時: 2014年9月11日(木)13:30~15:30
場所: 渋谷区総合文化センター大和田 学習室2
料金: 3,240円
ココロを学んでバージョンアップしたいあなたのために、、、
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カウンセリング予約センター(06-6190-5131/5613)までお問い合わせくださいませ。
心理学講座・ワークショップで学び、癒す
みんなで学び、癒し合うグループセラピーは、関係性を豊かにするヒントがいっぱい!あなたにピッタリのテーマをお選びくださいませ。カウンセリングサービスの心理学ワークショップのページ>>>>>>>
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みずがきひろみが仕事やパートナーシップについて日頃思うことを書いています。
みずがきひろみの毎日、好きなものについてつぶやいています。