みなさん、こんにちは!カウンセリングサービス の大野愛子 です。
木曜日は「うまくいかない恋の処方箋」をテーマに、大門昌代・大塚統子と共にお送りしております。今週は、大野が担当させて頂きます。
彼の元カノさんに、嫉妬のような、怒りのような、競争心のような、そんな気持ちを抱いてしまうことが苦しい、というご相談を頂くことがあります。
彼の元妻、仕事上のパートナー、面倒を見ている後輩、親しげな女友達という場合もあるでしょう。
「今付き合っているのは、自分なんだから」と何度も言い聞かせるのだけれども、どうしても疑ってしまう。今日は、そんな「嫉妬」についてのお話です。
※ ※※
「わたしよりあの人のほうが好きなんでしょ!」と、そんな言葉をぶつけてしまう人もいます。
彼は、「そんなことないよ」と言ってくれるのですが、どうしてもその言葉を信じられないのです。
この嫉妬は、不安からくるものです。
相手の気を自分に向かせようとしたり、自分のもとから離れていかないようにすることが、嫉妬をする目的のひとつです。
自分だけを大切に思って欲しい。
わたしだけを見ていて。
他の人なんて見ないで。
そんな心情が、ここにはあるのです。
◆嫉妬を作るルーツ
カウンセリングでお話を伺っていると、過去の心の傷が「嫉妬を作るルーツ」になっていることがあります。
自分だけを大切に思って欲しい→わたしよりも妹が大切なんでしょ
わたしだけを見ていて→わたしよりもお姉ちゃんばかりをかわいがらないで
他の人なんて見ないで→わたしをひとりぼっちにしないで
兄弟間での両親の愛情をめぐっての負け感というような、「わたしよりも他の誰かのほうが大切なんでしょ」というさみしさの経験です。
あなたにとって、「わたしよりも◎◎が大切なんでしょ!」と思わせる、古いルーツに心当たりはないでしょうか?
両親の愛情が自分のもとから奪われていくような、あの時感じた不安が心の痛みとして残っていることがあるのです。
◆嫉妬する人は、嫉妬されたい人
わたしは、彼を好きだから嫉妬をする
⇒だから、彼もわたしのことを好きならば嫉妬をしてくれるだろう
シンプルな投影の法則なのですが、ここにはひとつ大きな誤解が起きやすくなります。
それは、「嫉妬してくれないってことは、わたしのことをあまり好きじゃないんでしょ?」と思ってしまうこと。
嫉妬する人は、愛の大きさを嫉妬で量ってしまうようなところがあるのです。
つまりは、嫉妬する人は嫉妬されたい人になってしまうのです。
あなたが嫉妬をする人で、彼が嫉妬をしない人であるのならば、「なんだかわたしの方ばかりが好きな気がする」という不安を抱えるはずなのです。
◆嫉妬をしない人って、どういう人?
では、嫉妬をしない人ってどういう人なんでしょう?
おそらく、すごくシンプルな答えにたどり着くと思うんですよね。
・あなたのことを信頼している
・あなたひとりに決めている(コミットしている、とも言います)
嫉妬をしない人は、嫉妬をする「必要」がないんですよね。
「わたし」と「あなた」の間を、嫉妬という接着剤でくっ付ける必要がないからです。
相手が嫉妬をしないからといって愛がないんだなんて、思わないで下さい。
そもそも、嫉妬は愛ではなく、不安を埋めるためのものなのです。
◆嫉妬する人が抱える悩み
「あの人がいると、わたしはきっと愛されない。
あの人さえいなくなれば、わたしはもっと愛されるはず。」
嫉妬をする時には、そんな理論が成り立っているのです。
そう思いたくなるぐらい、自分に自信がもてずにいるんですよね。
みなさん、そういう苦しさを抱えてカウンセリングにお越し下さるのです。
嫉妬をしてしまう人の多くは、自分へのダメ出し・あら探し・自己攻撃・自分嫌いの悩みも同時に抱えています。
こんな自分は自分でも愛せないから、誰かに愛して欲しい。
そんな隠れた欲求をもっているのです。
◆変化へのファーストステップ(受け取る)
今回の嫉妬という問題を通して見えてくるものは、「自己価値の低さ」です。
「わたしなんてきっとどうでもいい存在なんだろう」という疑いが嫉妬のルーツなのですから、そう信じてしまったあなたを見直してみるのです。
彼なりにしてくれていることはありませんか?
少なくとも、彼が嫉妬をしないのは、あなたを「どうでもよい」と思っているからではありません。
「信頼されているからなんだ」と受け取れたら、今までとは違った気持ちになれるでしょう。
◆変化へのセカンドステップ(与える)
嫉妬してしまう時、本来しなければならないことは、「与えること」です。
もらおうとして不安が消えない時は、与えることがいる時なのです。
ですが、その前に・・・
そもそも、あなたは自分を愛せているでしょうか?
自分が喜ぶこと、自分を満足させることが、じつは先なのです。
ちょっとしたことでいいんです。
・いつもは値段を気にして買うお洋服を、ひと目ぼれで買ってみるとか。
・自分のためにお花なんて買ったことがないけれども、1本選んでみるとか。
・気乗りのしない飲み会を断って、好きな映画を観に行くとか。
『わたしはわたしを愛せているだろうか?』
この問いかけをしてみてくださいね。
あなたには「ゆとり」が必要なんです。
枯渇状態では、愛せるものも愛せないのですから。
嫉妬してしまう人というのは、ちょっと余計なところにエネルギーを使ってしまうだけで、本来は「気前よく愛することが出来る人」なのです。
参考になりましたら幸いです。
最後までお付き合いありがとうございました。
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