こんにちは。カウンセリングサービスのみずがきひろみです。
いつのまにやら朝起きると蚊にさされている(私は蚊にはモテるのです)日が多くなりました。もうそんな季節なのですね。お知らせ!【みずがきひろみの心理学サロン】はいよいよ変容のステージへ!
10回シリーズの【心理学サロン】もいよいよ折り返しの第5回にきました。6月19日(木)は『手放し上手は愛され上手』と題して、しがみつかない、軽やかな「私」を目指します。

さて、本題。
先日、家にあるスキャナを使おうとしたら、どうしても読み込んでくれません。ご機嫌斜め。コピーはとれます。プリントもできます。機械オンチな私は、ただただ?。
「スキャナが壊れたのよ、、、」と息子にヘルプを求めたところ、
「スキャナは壊れていない。コピーができるのなら、スキャナは動いている。読み込めないのはPC側の問題」とPCフロアで働く息子は、私の無知をバッサリ切ります。
「PC側の問題って、どうすればいいの?」とすがりついてみたけれど、
「ソフトが機能していないんだよ」と面倒臭そうに言うだけで、手を貸してくれません。
何さ、友達のパソコンが壊れたときは駆けつけるくせに、我が家にある私の道具たちのお世話は全くといっていいくらいやってくれません。ま、この母の「わかってなさ」加減を知る彼としては、一回手を出したら最後、あれもこれも面倒を見なければならないのではないかという怖れを感じるのでしょうね。「依存」を怖がる気持ちはわかりますけど。
あきらめてPC店の店頭に出向いて、状況を説明したら、カウンター越しのお兄さんは、OSがアップデートされたとき、プリンタードライバーは自動的に更新されたけれど、スキャナはされなかったのではないか、OSの自動アップデートがあったのではないか、などと丁寧に解説してくれます。他人の息子は親切なのになぁ、と思います。
OSがヴァージョンアップしたら、その上で動いているアプリも更新されたOSに対応できなければ動かない。言われてみれば至極当たり前の話を聞きながら、
「それってパートナーシップもいっしょだなぁ」
と思います。
「夫が浮気をしていて苦しい」、
「妻が家を出て行ったのですが、どうしたらいいでしょう?」、
「最近、彼の心がどんどん遠く離れていくようで寂しい」。
そんなご相談に、
「あなたはどうしたいのでしょうか?」
と聞きますと、必ずといっていいくらい、
「昔のように二人(家族)で仲良くやりたい」
と仰ります。そして、私は、
「厳しいことを言うようですが、『昔のように』にはなりません」
と残念なことを申し上げることになります。
時代とともに、OSのヴァージョンアップはありますが、「昔にもどる」選択肢は現実的にはありません。アプリは更新できなければ使えません。デジダル環境の中、アナログ電話を使い続けようとすれば、それに伴う不便や不都合も引き受けなければなりません。
仕事の環境が変わる。
社会における役割が変化する。
子供が成長する。
親の介護が必要になる。
家族が増えたり、減ったりする。
時間とともに変わる環境に、パートナーシップも適応を迫られます。ヴァージョンをアップデートすること、更新が必要になるのです。そして、更新するということは、古いヴァージョンを消すことに外なりません。
そのとき、私たちは「昔」に抱いているノスタルジアを手放すことが求められます。それは、ひょっとしたらあなたのこれまでの人生を生きるために必要だった「つっかえ棒」のようなプライドや意地かもしれないし、あなたを守ってきた価値観や倫理観かもしれません。「私はダメ」、「自分にはムリ」という気持ちに潜む罪悪感や無価値感かもしれません。
けんかをしているとき、相手と距離をとっているとき、私たちは心のどこかで「自分の」正義にこだわり、それを相手に受け容れてもらうことを優先してしまいますが、本当に、それが一番「欲しい」、大事なものなのでしょうか。
同じアプリでいるためにヴァージョンアップが必要になるときがあるように、パートナーシップも、同じ相手と関係性を持ち続けたいと願うならばリニューアルがどうしても必要になります。
それは「昔」の自分を手放すことでしかなし得ない「変容」なので、心のどこかで「死」と「再生」の物語が繰り広げられます。
これまでの「自分」と「相手」とこれまでのパートナーシップに最大限の感謝をもって見送るとき、心の奥底から静かな涙があふれてきます。
いつも一番大事なことはとてもシンプルです。
相手の存在に「ありがとう」と言い続けること。
それを言い続けるために、いくつものエゴと呼ばれる「自分」の「死」を受け容れるように求められるのかもしれませんね。


10回シリーズの【心理学サロン】もいよいよ折り返しの第5回にきました。6月19日(木)は『手放し上手は愛され上手』と題して、しがみつかない、軽やかな「私」を目指します。
みずがきひろみが仕事やパートナーシップについて日頃思うことを書いています。
みずがきひろみの毎日、好きなものについてつぶやいています。