こんにちは、カウンセリングサービスの秋葉秀海です。金曜更新の「大人の恋愛術」を みずがきひろみ
カウンセラーと担当しています。「わかっていてもそれって難しいんですよね」という声や、「そんなの当たり前ですよ」という声をいただいた前回のテーマは「感謝を言葉で伝える」ということでした。
今日は、その「感謝」を分かち合うというテーマについて考えてみたいと思います。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
喜びは分かちあうもの
「喜びは分かちあうもの。幸福は対をなして生まれる」 バイロン(詩人)
私たちの心は、他者と通じ、つながりを感じることで幸せをより強く感じるものです。
贈り物をもらって、
親切にしてもらって、
優しくしてもらって、
私たちは、いただいたモノや気持ちへのお返しとして、「ありがとう」という言葉を伝えます。
感謝を伝える、ということはいただいたものへの感謝の気持ちや喜びを「ありがとう」という言葉にして分かち合うものともいえます。
ところが、時に私たちは「ありがとう」の代わりに、つい「ごめんね」と言ってしまうことがあります。
贈り物をもらって、
親切にしてもらって、
優しくしてもらって、
「ありがとう」ではなく、「ごめんね」って言いそうになるとき、もしかしたら私たちは、
贈り物をもらえるような、
親切にしてもらえるような、
優しくしてもらえるような、
そんなことは何もしていないのに。と感じているのかもしれませんが、そんな時私たちが分かち合っているのは喜びではなくてどんな気持ちでしょうか?
良くしてもらって申し訳ない、という気持ちでしょうか?
それとも、こんなにしてもらってもお返しするものがない、という困惑した気持ちでしょうか?
喜ぶべきところで喜べない、素直に感謝することができないというのは、良好な人間関係を育む上で障害となるだけでなく、私たち自身にとっても苦しいこと。
そんなとき、私たちの心では何が起こっているのでしょう。
届かない思い、届いてしまうもの
どんなに素敵な贈り物も、どんなに親切な行動も、どんなに優しい気持ちも、受け取り手がいて初めて成立します。受け取り手のない行為は、あて先のない小包と一緒で、いつまでたっても何処にもたどり着けないまま、やがてくたびれてしまうでしょう。
玄関先まで届いた小包を受け取るためにはドアを開けてそれを招き入れなければならないように、親切や優しさ、パートナーや友人からの好意を受け取るにも、ハートをひらいて受け入れ態勢を整えておく必要があります。
なぜか素直に喜べない、感謝できない、というとき。
もしかしたら今、あなたのハートはその好意を受け取ることができるほどに開いていないのかもしれません。
心をひらく、オープンハートである、ということ。
カウンセリングでも時折お話をさせていただくのですが、ハートを開くということは、私たちにとってとても重要なことであると同時に、とても難しいことでもあります。
例えば体調が思わしくなく、毎日身体に無理を強いながら仕事や家事を頑張っている時。家族や同僚が、どんなに「少し休んだら」という言葉を掛けてくれても、なかなかそれを受け容れることはできないものです。
だって、それを受け容れてしまうと、これまで頑張ってきた自分を否定してしまうような気がするし、また、一度そうしてしまうともう二度と、立ち上がれないように感じてしまうから。
そんな時、「少し休んだら」という優しい声は、だただた私たちを困惑させる声となります。
そしてあなたは、その声に惑わされないように一段と心を閉ざしてしまうかもしれません。
けれど、そうやって私たちが受け取ることを拒んだ「優しさ」は、受け取り手であるあなたに届くことなく漂って、やがて送り主である、あたなの大切な人の元に戻ります。
そうして送り主に戻った「優しさ」はすでに効果を失って、送り主に無力感を届けてしまうかもしれません。
ハートをひらいておく
『からだの中心にあるやわらかくて大切なものを盾で守れ』
村上龍さんの著作・「盾(シールド)」の中に出てくる一節です。
からだの中心にあるやわらかいもの、というのは言うまでもなく私たちのハート。
傷つきやすいハートを守るため、私たちは時として様々な盾を用意します。
ところが時として私たちは、傷つくことを怖れるあまり、ハートを幾層もの鎧で固めたり、強固な金庫の中にしまってしまうことも。心を開くと、淋しさや哀しみなど、感じたくなくてハートに閉じ込めてきたネガティブな感情ともアクセスしやすくなります。寂しかったり、哀しかったりするのはやっぱり気分のいいことじゃありません。
けれど、閉じたハートでは楽しいこと、嬉しいことも感じにくくなるし、大切な家族や友人、パートナーからあなたに届けられる気持ちを充分に受けとることもできなくなってしまいます。
ハートをひらいておく、ということは、決してすべてに無防備になるということではありません。
また、すべての人に向けてオープンハートである必要もありません。
ただ、もしあなたがパートナーとの間により親密感を感じ、いま以上のつながりを手に入れたいと考えられるならば、いつでもパートナーにだけはあなたの心を開いておけるだけのゆとりと意欲、そして勇気を持っておく、ということが大切。
だって、せっかく私たちを思って送られた「優しさ」を「無力感」に変えて送り返したくはないですよね。
===============
<今日のセルフカウンセリング>
もし今、あなたのもとに、あなたが気づいていない「優しさ」や「支援」が届けられているとすれば、
それはどんな優しさや支援でしょう?
またそれは誰から送られたものでしょう?
===============
困難な状況にあるとき、私たちはついその苦しさに心を奪われて、届けられるサポートに気がつきにくいものです。ハートを開いておくということは、その気づきにくいサポートに意識を向けてみる、ということ。
そして、そのサポートをあなたが感じ取ることができたなら、パートナーシップやリレーションシップ、私たちと大切な人との関係はよりよいものに変わっていくのではないでしょうか。
だって、私たちの心は、他者と通じ、つながりを感じることで幸せをより強く感じるものなのですから。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
「ハートをひらいておく」をテーマにお話をさせていただきました今週の「大人の恋愛術」。
次週は みずがきひろみカウンセラーの担当となりますので、次回・秋葉秀海の登場は再来週2月3日(金)となります。今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。また、次回、こちらの記事でお会いできることを楽しみにしています。
=========================
こちらもオススメ_秋葉秀海のオフィシャルブログより
モレスキンとのロマンス
イタリア式オープンハート
=========================
『聴いて学ぶ心理学』
昨年、大阪・東京で講演させていただいた「心をつなぐ~絆の再生~」、「人生を創る言葉」が『きくまるダウンロードサービス』で新発売されました!
詳しくはコチラ>>