みなさん、こんにちは!カウンセリングサービス の大野愛子 です。
木曜日は「不倫と浮気」をテーマに、大門昌代・大塚統子と共にお送りしております。今週は、大野が担当させて頂きます。
独身女性から頂く「なぜか既婚者に惹かれてしまうんです」というご相談。
想いを伝えることは叶わないし、でも好きだという気持ちは確かに存在する。
多くの女性は、このふたつの気持ちの狭間で揺れ動き、必死にその思いを打ち消そうとするのです。
ですが、「好きになる理由」「その人を選びたくなる理由」が存在するのも確かなのです。理由を理解してみることは、あなたが“本当に求めているもの“にたどり着く近道になるかもしれません。
前回は「なぜ独身の男性ではなく、既婚者に魅力を感じてしまうのか?」という観点からお送りしました。
こちらから前回分が読めます>>>叶わぬ恋を選ぶ理由(1)
今回は、その他のケースについてお送りいたします。
※いろいろな立場の方が読むブログです。
不倫の是非を問わず、心理的な側面から書かせて頂くことをどうかご了承ください。
◆その愛が本物がどうか知りたいという欲求(強く愛されたいという願い)
ここには、複雑な心境があるのです。
誰かを裏切ってでも、わたしを愛してくれるの?
彼の「愛している」という言葉は、真実なの?
愛が本物であるかどうかを、試したくなるのです。
試したいという言い方には、語弊があるかもしれませんね。本物がどうか「知りたく」なるのです。
相手に自分以外のパートナーがいるということは、まぎれもない事実です。
ですから、こう捉えることも出来るのです。それは、「障害のある恋」であるということ。
その障害を越えてでも、自分のもとへ来てくれる人がいたとしたらどうでしょうか?
「奥さんがいながら自分を求めてくれる」という状態であっても、強く愛されている自分・必要とされている自分を感じることがあるのです。
たとえそれが、ひとときの逢瀬であれ、不安を感じながらだったとしても。
ここで一番お伝えしたいのは、欲しいと望んでいるものは、「強く愛されること」「強く必要とされること」だということ。
本当に望んでいるものは不倫の関係でなく、その感覚なのです。
不倫というのは、そもそも社会的タブーであり、不自由さや制限のある関係です。
「いつかは終わる。でも今だけは・・」「彼はきっと傷ついている。だからわたしが必要なんだ」という、身を焦がすようなヒリヒリとした感覚でさえも、そこに自分の存在価値を見出してしまうことがあるのです。
自分の価値を見いだせない女性の多くは、「どうせ男性は自分を選ばないだろう」という感覚をもっています。ですが、「だからこそ、こんなわたしを強く愛して欲しい」という欲求も同時にもちあわせています。
ゆえに、障害を超えてでも自分のもとへ来てくれることが、本物である証明にもなりうるのです。
「じゃぁ、わたしだけのものになって」と相手に求めることもあるでしょう。
それが叶わなかった時、今までのことが、まるで「すべて嘘」であったかのように感じるのです。
本物ではなく、「嘘」だったんだ。
そう感じた時に、この恋は結末を迎えてしまうのかもしれません。
◆愛への恐れ、もしくは疑い
愛への恐れが既婚者を選ばせる場合もあるのです。
表面上では、「普通の幸せが欲しいのに、なぜが既婚者を好きになってしまう」という意識があります。
ですが、誰かに自分の人生をゆだねてしまうこと、またゆだねられることの怖さから、既婚者を選ぶこともあります。
「いつでも終わりに出来る関係、いつか終わりになる関係」というのは、「何か」と真正面から向き合うことを回避することも出来るのです。
それは、結婚や母親になることからの回避かもしれないし、愛そのものへの疑いかもしれません。
なぜ回避したくなるのか?
このような理由は、なかなか自分では分かりにくいものです。
ただそれらの理由は、過去の傷、満たされなかった思い、さみしさや痛みなどがそうさせるのです。
◆その恋を選んだことの意味
不倫を選んだ女性の多くが抱えるのは、自分は罪をおかしているのではないか、という感覚。
その感覚は関係性を終わりにした後でも、後遺症のように心の中に残り続けることもあります。
罪をおかしたのだから罰があるはずだ。もしくは、償わなければならない。
その感覚が、その後の恋愛に影響を及ぼすこともあるのです。(「わたしには幸せになる資格がない」というような感覚で。)
前回、わたしは「自分を知ることに意味がある」と書きました。
叶わない恋を選ぶ人それぞれに、なんらかの「そうさせるだけの理由」があるからです。
叶わない恋というのは、実はなんらかの叶えたい欲求があるのですが、それらのほとんどは過去の痛みからのものです。
恋に悩んでいる時は、実はその過去の痛みについて悩んでいるとも言えるのかもしれません。
日々のカウンセリングでも、お話してくださる方の心が、あまりにも傷つきすぎているように感じることも少なくありません。
その恋の向こう側にある心に隠された何か。それは、純粋無垢である頃のあなたが、欲しいと望んだもののように思うのです。
どんな恋であれ、恋をしたことはすばらしいことです。少なくとも、わたしはそう思います。
かと言って、美化して何かを語りたいわけでもないのです。
なぐさめではなくその恋を選んだ理由にたどり着いた時に、別れを決めることもあれば、障害をひとつひとつ超えてでも添い遂げることもあるのでしょう。
不倫の心理については、個々の育った環境によるところも多く、お送りしてきたケースのみでカバー出来るものでもありません。
複雑な心理や葛藤が含まれるものですが、共通して「こんな自分は自分でも愛せない。だから誰かに愛して欲しい」という思いが隠されています。
なのに、自分を大切に出来ない・自分を愛せない状況を恋愛で作り出してしまうことが、本当の意味での問題であるのかもしれません。
わたし達がしたいのは、自分を愛せるようになるためのサポートでもあります。
自分を大切にするということは、そこから始まるように思うからです。
それは、どんなあなたでも愛される価値があると気がつくことかもしれません。
参考になりましたら幸いです。
これからもみなさんの一歩を応援したいと思います。
今年もどうぞよろしくお願いします。
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◆大野愛子のプロフィール
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