毎週月曜日の「恋愛テクニック」は、「カップル・カウンセリング」と題しまして、パートナーとの関係をより良いものにするため、「男性心理」「女性心理」を紐解きながら、さまざまなご提案をさせていただいています。
恋愛・夫婦問題で悩んでいらっしゃる方、パートナーをみつけようと思っている方、現在の、また将来の結婚生活に、役立つご提案を発信してまいります。
担当は、池尾昌紀・池尾千里の夫婦カウンセラー。毎週交代で発信していきます。
今週は、池尾昌紀が担当です。どうぞよろしくお願いします。
***
【池尾家・オンライン心理学セミナーのご案内】
毎回好評いただいています、池尾家夫婦で講師を務めます心理学セミナー。
詳細は決まり次第お知らせします。
◎2022年10月1日(土)10:00~18:00
◎講師:池尾昌紀・池尾千里
◎テーマ「分かち合いの力~つながり、気づき、世界が広がる~」
◎前回の内容はこちらをご覧ください>>>「池尾家心理学セミナー」
***
<YouTube:池尾家ちゃんねる・動画講座のご案内>
『池尾家ちゃんねる』もどうぞご覧くださいね。
なかなか手強い「バツイチさんとの恋」について、お話ししています。
◆◇◆◇ブログ・好評連載中!◆◇◆◇
「池尾昌紀の『シリーズ・自立三点セット(我慢強い・弱音が吐けない・一人でやってしまう)の心理学』」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
お待たせしました。
本日の記事をお届けします。
例えば、夫婦で大喧嘩した時。
きっかけは、夫が脱いだ靴下を洗濯機に入れなかったことに妻が怒った、みたいな些細なことだったりします。
こういう時、怒りの大元は靴下の話にあるわけではありません。
それ以外のこと、多くの場合は今までの我慢や不満の蓄積が『お互いに』あって、そこに何かのきっかけで引火して大爆発することになるのですね。
今までの我慢や不満とは、例えば
・妻の思い:最近夫の帰りが遅くて子どもの相談がしたいのにする時間がない
・夫の思い:仕事が大変で毎日疲れているのに帰宅すると妻が不機嫌
みたいな話です。
こうした状況が1ヶ月とか3ヶ月とか続いていたとしたら、その我慢の蓄積はかなり大きなものになるので、ちょっとしたことで爆発しても止む得ないと思うんですね。
さらに、ここにもっと昔の話が上乗せされることも多々あります。
例えば、
妻の思い:昔から相談したいことがあると言っても、夫は疲れた疲れたと取り合ってくれない。
夫の思い:子どもが生まれたばかりの頃も仕事がすごく大変で、疲れて帰ってきても妻はもう寝ていて寂しい思いをした。
すると、靴下+最近の不満+過去の不満が蓄積してしまいますから、怒りの総量はとても大きくなるので、心でコントロールができなくなって大喧嘩になったりするんですね。
しかも、この過去の怒りって「あの時もそうだった、この時もそうだった」などのように、今まで繰り返されたことが、今後も永遠に続いていくような気持ちになるので、明るい未来が感じられないことも、さらに怒りを大きくしたりします。
これらの話は、表面意識で全て自覚できているわけではないので、どうしてここまで怒りが大きくなっているのかの理由がわからないこともあります。
◇怒りの内容を小分けして考えてみよう
こんな風に見ていくと、大喧嘩してしまった時の怒りをどう収めて整理していくか、という方法は
「怒りの内容を小分けする」
ことが役に立ちます。
自分の怒りも、相手の怒りも、目の前の「靴下の話」だけでなく、いろいろな思いがあるのだろうな、と想像してみて欲しいのです。
靴下の話だけにとどめてしまうと、
妻の思いとして「靴下くらい洗濯機に入れてよ!」、夫の思いとして「靴下くらいのことでそんなに怒るなよ!」ということになってしまいます。
実際にはそうではない内容も含まれている、と考えると「些細なこと」にとらわれなくてすみます。
◇相手を敵にしない視点で整理してみよう
しかしながら、怒りの内容を小分けして相手の気持ちを想像するというのは、ネガティブなことに意識がいってしまいがちです。
「どうせ他にも沢山の不満があるっていうことなんでしょ!」
みたいな感じになりやすい。
これって当たり前の話なのですが、想像力を使う時の大切なポイントは「相手を敵にしない」ことなのですね。
怒りをぶつけられた時、私たちは相手に嫌われていると感じます。
すると「どうせ自分のことなんてわかってくれないんだ、愛してないんだ」と感じます。
これって、自分ではわかりにくいのですが、相手への怒りではなくて、自分への怒りを感じている時なんです。
どうせ自分なんて、というダメ出しをしている度合いだけ
「きっとあなたも同じように思ってるんでしょ、だからこんなに怒るんでしょ」
という気持ちになります。
それは無理もないことなのですが、これを止めるためには
「相手を敵にしているのは自分なのかもしれない」
とわざわざ思ってみてください。
納得する必要はありません。まずはそう思ってみる。
そして、先ほどの「自分にダメ出ししている度合いだけ、相手からそう思われている」という心理を思い出し、次に
「自分と同じように相手も同じ気持ちだとしたら」
「そうだとしたらお互い同じことをし合っているのかもしれない」
と感じてみます。
さらに
「だとしたら、相手は自分のことを嫌っているわけではないのかもしれない。自分が相手のことを嫌っていないように」
と感じてみます。
私たちの心が苦しくなるのは相手に愛されていないと感じる時です。
しかし、相手の態度が悪くても、実際に嫌っているとは限りません。
まずは自分から相手を敵にしない、という視点を持って感じてあげると、相手の中に、怒り以外の気持ちが見えてきます。悲しみや寂しさや、そしてその背後には「決してあなたに怒りをぶつけたいわけじゃない」という気持ちも見えてきます。
相手を敵にしない視点を持つことは、なかなか難しいことですが、夫婦喧嘩が起こった時には、その最中は難しくても、一人になった時に、この視点で感じ直してみてください。
そのことで、自分の気持ちが落ち着いて、相手に何かしらの言葉がけができるようになったりします。
今回の記事がお役に立てたら幸いです。