こんばんは
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。
「きのうの夜も昔の彼のことを考えてしまったんですけど、そうしたら、もう、腹が立って、腹が立って‥‥。一睡もできなかったんです!」
しばしばこんなご相談を受けることがあります。そんなとき、私はやさしく微笑みながら、こうお答えしています。
「そうですか。でも、たぶん元彼はきのうの夜も爆睡していたと思いますよ」
「きいぃーーー!!」
元彼を思い出すと怒りが湧いてくる‥‥、この彼女の中で、いったいどんなことが起こっているのでしょう?
答えは、「彼を嫌う努力をしている」となります。
怒りという感情を使って、一生懸命ごまかしているものの、彼女は昔の彼にいまだにものすごく強く執着しています。
だから、彼の悪いところや、彼にされたひどいことなどを思い出して、なんとか彼を嫌いになろうとしているわけです、毎夜、毎夜。
私はよく、「愛を止めるがゆえに、人は傷つく」というお話をします。
すると、こんな質問を必ずいただきます。
「じゃあ、失恋はどうなの? 私は彼への愛を止めていません。彼が私への愛を止めたから、私は傷つくんでしょ」
たしかにおっしゃる通りですが、失恋のつらさとは、あなたは彼を愛したいにもかかわらず、彼から「もう金輪際、ぼくを愛さないでくれ。愛されても困るから」と言われることにあります。
つまり、愛したいけれど、愛を止めなければいけない苦しみなのであります。
みなさんも大好きなパートナーと別れたとき、「あんな男、女の敵!!」とか「男のクズ、サイテーなくそ野郎!!」などと、嫌う努力をいっぱいした経験はありませんか?
それぐらい相手を悪者にしたり、憎んだりしないかぎり、嫌うことができないのですね。
だって、ゴキブリ、ネズミ、ヘビ、ムカデのようにほんとうに嫌いなものならば、嫌う努力なんてしなくても最初から嫌いですよね。
この嫌う努力と同じようなことを、私たちは反抗期にも体験しました。
反抗期、私たちは大好きなおとうさんとおかあさんを激しく拒絶し、近づいてこられないようにと距離を取ろうとします。
なぜなら、両親のことが好きで仕方がないと、いつまでたってもだれかに依存するという状態にから抜け出せず、大人になりきれないからです。
だから、大好きな両親を拒絶し、この二人以上に好きなパートナーをつくることができるわけです。
この課程で、両親に対して、なぜ、あんなにひどいことを言ったりしたりすることができるのかというと、心の奥に「自分がどんなに悪い態度をとったとしても、両親はけっして自分を嫌わない、許し、受け入れてくれるはずだ」という思いがあるからです。
子どもというものは、いつも親に依存しています。その土台には、「自分がどれだけ悪い態度をしたところで、嫌われるわけはない」という安心感があるようです。
しかしながら、恋愛においてもこれと同じような依存状態にあると、彼にもひどいことを言ったりしたりしてしまうことがあります。
当然、彼はひどく傷つきますよね。
ところが、あなたは「親にはなにをしても傷つかない」と思い込んでいます。彼に対しても同じように思っていると、いずれ、「自分の不幸はすべて彼のせい」と思うようになり、なにかいやなことがあると彼を責めてしまうということも起こりかねません。
そして、親をずっと許せないことがあるように、彼のこともずっと恨み、嫌わなければいけなくなったりすることもあるわけです。
依存の恋愛をしていると、「もっと私は愛されるべき」、「すごく大事に扱われるべき」という思いが生まれ、自分を大切にしてくれない人がいると攻撃をしてしまいがちです。
この“大切に扱われるべき自分”を裏側から見てみると、そこには「自分で自分を満たすことができない」、「私には自分を幸せにする力がない」という評価を自分に下しているということがわかります。
この思いがあると、「なにもできない子どもは、親が完ぺきに見なければいけない」というのと同じようなことをパートナーに要求してしまいます。
それが強くなると彼にフラれてしまい、その彼のことを恨みつづけなければならないという状況も生まれてしまうのです。


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