カウンセリングサービスの中村陽子です。
金曜日の「大人の恋愛術」は沼田みえ子カウンセラー、吉村ひろえカウンセラーと担当しています。
女に生まれてきたけれど。
女としての幸せを生きてない気がする……。
もしかしたら、こんなふうに感じたことのある人は少なくないのではないでしょうか。
これからの時代は、女であっても経済力を持たなきゃ。
これからの時代は、女であっても男に頼らず生きていけるようにならなきゃダメよ。
1970年生まれの私は、こんな価値観を母親から言われて育った気がしています。
その一方で、「いい会社に就職して、いい男性を捕まえなさい」とも言われていた。相反するようなダブルスタンダード(二重規範)を親から言われてきた人は、少なくないのではないでしょうか。
男性のようにバリバリ働かなくてはという気持ち
(本来ならバリバリ活躍しなくてはいけないのにという気持ち)と
本当は私だって男性に守られて生きたいという気持ち
の両方がある。
だけど、どちらか片方しか手に入っていないように感じていたり、どちらも手に入っていないように感じていたりして、満たされない思いを抱えている……。
この気持ちは、いまを生きる女性たちの多くが抱えている思いなのではないでしょうか。
わかりやすくシンプルに、「女は男性に守られて生きるのが幸せ」とか「自由に自分の人生を謳歌するために、女も力を持ったほうがいい」とか、「こういう生き方が、いいんだよ」「こういう生き方をすれば、女として幸せになれる」なんて、とてもじゃないけど言い切れない。
右に行っても、左に行っても、右にも左にも行けなくても満たされない思いを抱えるって。いったいどういうことなんだ!
人それぞれ、これまで歩んできた道のりが違うためにストーリーは違うものの、いまの時代を生きている女性たちは「女であることをめぐる、複雑な思い」を心の内に持っているのではないでしょうか。
だけど、なんでこんな思いを抱くようになったんだろう――。
そんなことに思いを馳せてみると、ハタと気づいたことがありました。
これ、私だけの思いじゃないじゃん。
どういうことかというと。
自分の中にある「女をめぐる思い」は、母から伝わってきた思いであり、祖母から伝わってきた思いであり、さらに曾祖母から伝わってきた思いであり……(もっと広くいえば、時代が共有する思いであり)。
自分固有の葛藤では、ないってことか。
と思ったわけなんです。
ハイ。
***
自分の力で生きられるようにならなくては。
だけど、ほんとは男性に守ってほしい。
この2つの思い。
どちらかしか、手に入らない。
長い間、そう思っていました。
だから、自分の力で生きなくてはと頑張っていたときは男っぽく生きてきました。
というのも。
女に生まれてきたけれど。男に頼らないと生きていけないなんていうのは、損だから。女に生まれてきたけれど、男に頼らなくても生きていけるようになりなさい。
女だって、経済力を持たなきゃだめよ。自分で生きていけるようになりなさい。
これが、母方から伝わってきたメッセージでした。
「自分で生きていけるようにならなきゃ。自分のことは自分でなんとかできるように、自分の分は自分で稼げるようにならなきゃ」というのを最優先に生きてきました。専業主婦の母のようになりたくない、と自分でそう選んだつもりでした。
だけど40歳過ぎてから「夫もいない、子どももいない。何も手に入っていない。自分の生き方、どこで間違えたんだろう」という迷路にハマり込みました。
同じような思いを抱えている方は、少なくないのではないでしょうか。
自分の生き方、間違ってたんだ。これまで何やってきたんだ。
自分で稼げるようになったって、何の意味もなかったじゃないか。
働く力があったって、ぜんぜん幸せじゃない。
こんなものあるから、女として守られる生き方が手に入らなかったんだ。
「男に守ってもらえる生き方、私だってしたい」
「私にはない。ほしい、ほしい」と思うようになりました。
「ないもの」を「ほしい、ほしい」と思うと、それを誰かに求め始めます。「私にはないものだから、ちょうだい、ちょうだい」と、求めてしまうんです。「ほしいと言ってるのに。どうしてくれないの!」という態度にも、なってしまうんです。
相手の人が、私がほしいものを満たしてくれるはず。
相手の人が、私のほしいものをくれて、私を幸せにしてくれるはず。相手が(私のほしいものを)くれない限り、幸せにはなれない。
そんな思いに執着するようになりました。
ほとんど、信念ともいえるくらいの強度で、「私のほしいものを、くれるはずでしょ。あなたがそれをくれる人だよね」と思い、その欲求を相手にぶつけるようになっていきました。
やってることがおかしいと頭では思うのだけど、止まらなかったんです。
だけど、そんなことを続けているとどうなるか。
きっとみなさん、おわかりですよね。
そうなんです。
相手に去られてしまうわけです。
いくらやさしい相手でも、いくら懐深い相手でも、「いい加減にしてくれ」となって、離れて行ってしまうのです。
しかも。
「相手が私を幸せにしてくれるはず」「この欠乏感を相手が埋めてくれるはず」「あなたがくれるはず」というやり方をしているかぎり、ほしいものを手に入れることができないんです。
「もらうことで手に入るはずだ」というやり方をしている限り、永遠に満たされない。
頭ではわかってるのに、気持ちが追い付かない。
どうしてこうなってしまうんだろう。
この執着、なんなんだ。
もう、ほんとやだ。
それまで何度も手放すことにトライしてきたはずなのに。
こびり付いた頑固な汚れみたいに、ぜんぜん手放せないんですけど……。
それでも、何度でも手放す。
繰り返し繰り返し、何度でも手放す。
「あなたが幸せにしてくれるはずだよね」
これ、母が思ってた気持ちだったんです。
なのに、手に入らない。私を幸せにするのは男の役目のはずなのに。手に入らない。どうしてくれないの。
こう思ってたのは、お母さん。
でも、母の気持ちはどこから来たんだろう?
もしかして、おばあちゃん?
なんで、手に入らないんだ。
なんで、手に入らないんだ。
その気持ちを感じていくと、「くやしい」が混ざってました。
そこには、女であるくやしさや、男への怒り、男のもとでしか生きられないくやしさが混ざっていたんです。
そっか。おばあちゃんのくやしさだったのか。
明治生まれのおばあちゃん。
戦後の混乱期には、家族のために闇市に食料を調達に行っていたたくましいおばあちゃん。おじいさんのために、おじいさんの好きなうどんを足で踏んで打っていた。
だけど、おじいさんにはお妾さんがいたそうで。
女は損だ、と思ったんじゃないのかな。
その思いが母に引き継がれ、女であっても家で一生を過ごすのではなく自由に羽ばたきたいと思った。だけど、それを叶えることができなかった。
だから、娘に「女だって、経済力を持たなきゃだめよ。自分で生きていけるように」と育てたのだな、と合点がいったのです。
そりゃ、そう思うよね。
「自分で生きられるように」「そうすれば、自由でいられるから」との思い。これは、祖母と母からのプレゼントだったのか。
こんなもの持ってたって、女としては幸せになれないと思ってしまったけれど。女であっても自由でいられるようにという、プレゼントだったのか。
そう思うと、自分が身につけてきた働く力、稼ぐ力をあらためて受け取り直そうと思うことができました。
女であることは、自由がない。
女ばかり損である。
女ばかり我慢しなくてはいけない。
もしかしたらこれは、祖母世代、母世代がもつ思いかもしれません。どちらかというと、女であることにプラスよりもマイナスのイメージが強かったのかもしれません。
だから、自由でいられるようにというメッセージを娘世代に送ってきた。
だけど、女であることのプラスの側面だって、あるはず。
祖母や母の世代が、女は損という方向に振れた分だけ、女であることの価値あらためて見つけて、受け取っていく。
たとえば、こんな質問を自分自身にしてみます。
実際にどうだったかではなく、直感で答えます。
おばあちゃんに何がなかったんだろう。何があったら幸せになれていたんだろう。
くやしい気持ちの下にある、私を見てほしい気持ちを素直に伝えられたらよかったのかな。意地を張らない素直さがあればよかったのかな。
女性としての魅力を封印しなきゃいけない時代だったんじゃないのかな。戦争もあったし。農家だったし。そんなもん、恥ずかしいって感じだったんじゃないのかな。女としての魅力をきれいに花咲かせる。恥ずかしがらずに、花開かせることができたら、よかったのかな。
男は身勝手だと思ったんじゃないかな。男性の男子っぽさをおおらかに受け入れるような包容力があったら、よかったのかな。
我慢したり、意地を張ったりするんじゃなくて、男性の男っぽさを受け入れて、より男らしく伸ばせるようにしてあげられたら、よかったのかな。
直感で浮かんできたものは、実はあなた自身が持っているものです。それらの浮かんできたものを自分が受け取って、与えていく。
すると、女であることをよりよく生きられるようになっていきます。
女であることをパートナーに与えることで、結果として愛され守られるということがついてくるんですね。
「男性に守ってほしい、愛してほしい、幸せにしてほしい」が先じゃないんです。女であること(女性性)を受け取って、与えるのが先。その結果、愛されたり、守られたりがついてくるんですよね。
女でも自由でいられること。
女として幸せになること。愛され守られて生きること。
どちらかしか手に入らないわけではありません。
どちらも手にすることはできます。
そのためにも、ちゃんと受け取る。
自由であるために自分の足で立つ力。
祖母や母が、価値を低く見てしまった女性であること。
その両方をしっかりと受け取る。
いまを生きる私たちは、両方とも受け取っていい。
女性であることの価値、よさをあらためて見つけていきながら、
女として幸せに、自由に人生を生きていく。
いまの私たちは両方のよさを謳歌できる時代に生きているのかもしれないな、と思うのです。
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この記事を書いた人
心理カウンセラー中村陽子
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