木曜日は「うまくいかない恋の処方箋」がテーマです。
担当は、大塚統子・大野愛子とお送りしています。
今週は、わたくし大門昌代の担当となります。
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彼や彼女、パートナーとのケンカで、なぜかいつも自分が悪いことになってしまい相手に謝ってばかりいるのは、何故なのかというお話しです。
つきあっていれば、ケンカもしますよね。
服の趣味が合わないとか、デートしたい場所が違うとか、気持ちをわかってくれないとか、約束を忘れていたとか色々あります。
お互い違う人間ですから、価値観が違います。
ですから、その価値観の違いで、どちらが正しいか間違っているかというケンカを私たちはたびたびしてしまうわけです。
でも、そうやってケンカしていくうちに、お互いの考え方がわかり、お互いを尊重し、お互いを受け入れあって関係性を成熟させていくわけです。
どちらが正しいか間違っているかではないのです。
時には、自分自身が間違ってしまうことだってあるかもしれません。
失敗してしまうことだってあるので、謝って許してもらうことも必要になってきますよね。
でも、たまにお伺いするお話に、「いつも私が悪者になる」「相手は絶対に謝らない」「相手は非を認めない」というお話があります。
さらに、ずっと自分が悪いことになってしまうので、自分は本当に悪い人間なのではないかと思ってしまう人もいらっしゃるようです。
価値観の違いに関しては、どちらが正しいのかという観点は、横に置いて、お互いの違いを理解し、受け入れていくことが必要です。
ですが、あまりに価値観が違いすぎて、受け入れることができないのであれば、相手の価値観を否定するのではなく、「私たちあまりに違いすぎるよね」ということになり、お別れを選択することもあるかもしれませんね。
失敗した、うっかり忘れていた、相手を傷つける言動などをしてしまったときは、「ごめんね」と謝罪することが大切なのですが、それがなかなかできない人がいるのです。
謝罪できないぶんどうするかというと、「自分は悪くない」を主張することになります。
「自分は悪くない」を主張ために、自分以外に悪い人が必要になり、「あなたが悪い」と、自分以外の人が悪い理由を述べ立てることになるのです。
「ごめんね」「申し訳なかった」「これからは気をつけるね」と言えればいいのですが、そのように極端に言えない人というのは、元々罪悪感を強く感じている人なのです。
普通に考えれば、罪悪感を強く感じているならば、謝罪するはずだと思いますよね?
ところが、あまりに強く罪悪感を感じていると、許されないだろうという思いが強くなるので、逆に謝れなくなってしまうのです。
うっかりミスで、大した損害を会社に与えていなければ、「すみません」と謝れるけれど、会社に大損害を与えてしまったとしたら、会社から消え去りたいと思いませんか?
謝って許されると思いませんし、責任を取れるとも思えない。
そうすると、自分がミスをしたことはわかっているけれど、そうなってしまったのは上司にも責任があるんじゃないのかと言いたくなるし、上司だってミスをしたことがあるじゃないかとも言いたくなる。
損害を与えたかも知れないけれど、その責任はそもそも私を雇った会社にあるなんて思うかも知れない。
とにかく謝って許されないだろうと思えば思うほど、責任が取れないだろうと思えば思うほど、謝れなくなってしまうのです。
これと同じで、カップル間でいつも相手が悪いと責め立て、自分は悪くないと主張し、謝れない人というのは、「許されない」と思っているし、「自分には責任が取れない」と思っているのです。
それくらい元々罪悪感が強くて、今やってしまったミスを受け止めきれなくなってしまっているのです・
だからと言って、相手を責め立てることが良いということではないのですが、もしあなたのパートナーが謝れない人で、あなたのことを責めてばかりいるのであれば、罪悪感が強い人で、自分のミスを受け止めきれないのだなと、そのまま受け入れることが必要なのかも知れません。
ですが、受け入れたからといって、相手があなたを責め立てる言動が修正されるわけではないので、「あの人が私を責めて、自分の非を認めないのは、自分の罪悪感を受け止めきれないからであって、私が悪いからではないのだ」と自分に言い着替えてあげないとやってられなくなってしまいます。
もちろん、友人に愚痴を聞いてもらってもいいのですが、ただ受け入れるだけでは、ストレスは相当掛かってしまうかもしれません。
なのでやはり、相手にやって欲しくない言動を伝える必要があります。
謝れない人は、罪悪感と向き合えない状態ですから、「あなたは、私をいつも責めてばかりいるので、やめてほしい」という言い方をしてしまうと、「あなたは間違っている」「あなたが悪い」と言われていると受け取りますから、「そうは言うけれど、君だって・・・」と、いつものように反撃されるだけで、伝えたいことが伝わらなくなってしまいます。
「私ね。あなたと仲良くやっていきたいのよね。私の考えすぎかもしれないけれど、約束を守ってもらえないと、私のことは大切じゃないのだなと思ってしまうのよね。だから今度からは、約束を守ってもらいたいのだけれど、お願いできるかな」
「私ね。あなたに大きな声を出されると、すごく怖くて悲しくなってしまうのよね。だから、あなたの意見を私に伝えるときは、普段話しているくらいの声で話してもらいたいのだけれど、お願いできるかな」
相当めんどうな言い方になりますが、これくらい丁寧にお願いスタイルで伝えるといいかもしれません。
言い始めは、「私」です。
どうしても、「あなた」から始めてしまうと、文句になってしまいがちですので、「私」が何に困っていて、どうしてもらいたいかをお願いするという具合です。
これくらい丁寧に、相手の罪悪感を刺激しないように伝えても、相手があなたの願いに聞く耳を持たないようならば、それはあなたを大切にする気持ちがないか、余裕がないということなので、今後も付き合いを続けていくかどうか、改めて考える時かもしれません。
罪悪感が強くて謝れない人と、カップルになることが多いのは、実は「君が悪い」と言われ続けてもそれを受け入れてしまうことが多い、無価値観が強いタイプの人だったりします。
無価値観が強いと、自分の気持ちや意見が言えなくなってしまいます。
だから、あなたのパートナーが謝れない人なのであれば、もしかしたら自分は無価値観が強くて意見が言えないのかもしれないと思ってみてください。
だから、つい私が謝らないといけないと思い込んでしまっているのかもしれません。
相手を傷つけてしまったり、ミスをしてしまったのであれば、そのことに関して謝罪は必要ですが、相手に責め立てられたからといって意に反して謝罪する必要はありません。
意に反した謝罪をする代わりに、自分の意見や気持ちを伝えることが大切です。
相手を責めるのではなく、「私の気持ち」「私の意見」「私の願い」を伝えてみてくださいね。
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