カウンセリングサービス、心理カウンセラー浅野寿和です。いつもご覧いただきありがとうございます。
それでは今日のコラムです。よろしければご覧ください。
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例えば恋愛のご相談の中でこのようなお声を伺うことがありますよ。
「彼は付き合う前、『俺は本気だ』と必死に訴えていたんです。何度も何度も本気だから!と彼は言っていたんです。だから私は彼を信じて受け容れたんですよ!なのに何?今のこの塩対応は!」
「彼が『俺は本気で二人のことを考えているから、今は離れたほうがいいと思うんだ』って伝えてきたんですよ。でも、「本気で考えているから別れる」って意味不明じゃないですか。そもそも彼は一体何を考えているんでしょうか。ただ別れたいだけなんじゃないでしょうか。」
いわば「彼は本気だと言っているのですけど、一体何に本気なんでしょうか」というご質問をいただくわけでございますね。
そんなお声を伺うたびに「なるほどなぁ」といつも思うのです。確かに意味がわからないと思われるお気持ちも分からなくもない、と。
なぜなら、ここで登場している「男性の本気」と、いわゆる恋愛における「コミットメント(決めるという覚悟)」の意味が異なるからです。
今日はそのあたりの(ニッチな)男と女の心の隙間を埋めるようなコラムにしようと思います。
・長く続く素敵な恋愛の基本は「関わること」であり「関わり続けると決めること」
長く続く素敵な恋愛の基本は「関わること」であり「関わり続けると決めること」にありますよね。自分から相手に関わり続けることができないとしたら、そもそも恋愛関係は破綻しやすいわけです。
心理学ではこのような「相手と関わると決めること」を「関与」という言葉で表現することがありますよ。(コミットメントという言葉が使われることもありますね)
ここでの関与とは「関わる」という意味よりは「自分はこのように生きると決める」といった意味合いで使われることが多いのですけどね。
だから僕自身、多くの女性の皆さんから「長く関わるにはどうしたらいいか」「今の彼とより関わるにはどんな方法があるか」といったご質問をたくさんお受けするのだと理解しているところなんです。
つまり、多く僕にご相談いただく女性の皆さんは「関与」を自分の目的にしている、と言えるのでしょう。
だからこそ、彼にも「関与」を求めるわけですよね。(そりゃそうだって話なんですけども。)
付き合うとは、結婚するとは、いかに関与するかを考えて行動することだ、と思うからこそ、彼にも関与を求めるわけですよね。
僕はそのお気持ち自体、何ら不自然なものではないのだろうと思うのです。
言い換えるならば「早く私に決めればいい」という意味である、と言えるわけですよね。
そう思えるほど「私は彼に決めているから付き合っているんだ」ということではないでしょうか。
だから、「彼は本気だって言っていたのに、なぜ?」と思われる方がでてくるのでしょうし、そのお気持ちは僕なりに理解させていただいているところなんですね。
・男性が使う本気の意味を考える
一方、先の例の中での「彼が使っている本気という言葉」はどんな意味なのでしょう。
もちろん伝える男性によって意味が異なるとは思うのですが、概ね「今、自分は真剣にそう考えている・感じている」「今、何かしらのより良いことを考えている」という意味として解釈したほうがいいだろうと僕は思うのですよ。
例えば、「俺は本気」という言葉の意味は、出会ったときにどうしてもあなたと付き合いたいと思ったから「俺は本気で君のことが好きだ」と言っていたのかもしれません。
ただ、その言葉の意味が「関わり続ける覚悟・この人と一緒に生きるという覚悟であったのか」というと、さてどうなんでしょうか、という話なのですね。
だからでしょうか。
例えば、既婚者の彼が「俺は君に本気なんだ」という言葉を使う場合もあるわけですよ。これを「関与」という意味で解釈するなら「君と関わり続ける覚悟を持っている(だから妻と別れる)」という風に女性側に聞こえても不思議ではないわけですよねぇ。
しかし、もし男性が「君のことを本気で好きだ」と伝えているだけ、いわば魅力を感じていると言っているだけだとしたら・・・。
うーん、これ以上はあえて書きませんが、まぁ色々な思いを抱かれる方がいても不思議ではないのではないでしょうか。
また「本気で考えているから別れたほうがいい」の「本気」は、「本気でお互いのためによい選択を考えている」と伝えているわけで、「どのようにすれば今後も関わり続けることができるか」という意味ではない場合がある、ということなのでしょう。
ね、違うと思いませんか?
男性と女性では「本気」という意味の解釈や受け止め方、使い方そのものが。
こういった話はどちらがいい悪いという話ではないんです。
いわば男性と女性の考え方、恋愛観の違いによる差だと考えたほうがいいんです。
ただ、大切なポイントは「自分が使う言葉が常に自分の意図する意味で伝わるわけではない」と知っておくことなのです。
そうでないと「言った言わない」の話で揉めたり、自分自身も「そんなつもりはなかった」と後になって思う羽目になるわけですよ。
そう考えるとコミュニケーションって難しいし、大切な話ほど「自分の常識」を一旦疑って、相手に何が伝わるかまで想像する必要があるとも言えるんです。
そこまで考えなくても、少なからず丁寧に説明する必要がありそうですね。
・男性が考える「関与」はより具体的な言葉になることが多い
では、男性は関与について考えないのかというと、そうではありません。
まぁ、考える人はいます、ということでもあり、考えずに付き合っている人もいます、ということなんですけどね。
が、本気という言葉を「関与」という意味で使う人がそんなに多い、とは僕の臨床経験上思えないのです。
むしろ、男性が考える関与は「より具体的な言葉になることが多い」という実感が僕にはあります。
そもそも男性は愛情を「具体化する」ことが多いですからね。
例えば、「これから〇〇するほうがいいと思うんだ」「先のことを考えたら△△しておいたほうがいいと思う」といった言葉に「関与」の意味合いが込められている場合は少なくないようですよ。
つまり、本気という抽象的、感情的な言葉に関与・覚悟をいう意味を込めないことが多い、と僕は見ています。
だからクライエント様にも、彼が具体的な未来の話をしてきたとしたら「それが彼の覚悟じゃないですか」とお伝えすることもあるんです。
たとえそれが別れ話であっても、です。
「君にはこれから幸せになってもらいたい。だから僕にできることは〇〇だと思うし、そのためにできることがあるなら別れた後でもいつでも僕のことを頼ってほしい」
もし、そんな言葉を伝え、実際に別れたあとも誠実に関わろうとする男性がいるとしたら、それがいいかどうかは別にして、それこそ彼は本気であなたの幸せを考えている、ということになるんでしょうね。
最後に随分以前に流行った言葉を使って申し訳ないですけど、いわば「奏系男子」がそれにあたるってことではないでしょうか。(※スキマスイッチの「奏」という楽曲に出てくる男性の様子から生まれた言葉ですけどね)
今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。
\この記事を書いた人/
心理カウンセラー 浅野寿和(あさのひさお)
カウンセリングサービス所属・「名古屋・東京・大阪・福岡地区(&オンライン)担当」
「恋愛」「結婚」「夫婦」「子育て・家族」「自分自身(性格・生き方)」などを、あらゆる心理面からバランス良く分析し解決に導く「ちょっとだけ予約が取りにくい」人気カウンセラー。明快な分析と的確なヒーリングセッションが評判で、20代〜40代のみなさんにリピーターが多い。
そも屈託のない人柄・語り口から「話すと元気になる・安心できる」と好評をいただく。
年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派かつ現場主義。
口癖は「しゃーないですよね」「どんなことにも事情があるよね」。
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