みなさん、こんにちは。カウンセリングサービスの大野愛子です。
木曜日は「うまくいかない恋の処方箋」をテーマに、大門昌代・大塚統子と共にお送りしております。今週は、大野が担当させて頂きます。
心理学では、「自分を好きになれたほうが恋愛はうまくいきやすい」と考えます。なぜならば、自分を嫌っていると人に嫌われていると感じやすくなるからです。
とはいえ、カウンセリングをしていると自己嫌悪が強めな人たちと出会います。そんな人たちが幸せな恋愛をするための考え方についてお話します。
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よかったら、みなさんも一緒にどうぞ。もし自分の「ここが好きじゃない」という自分の嫌いなところがあれば、いくつか書き出してみてほしいのです。
ちなみに私は、「人見知り」「人前で話すのが苦手」「面白いことが言えない」「つまらない人だ」と思っています。あとね、「物覚えが悪い」「理論的なことが言えない」ところも自分の嫌いなところです。
皆さんが考えてくれたその自分を嫌いなところが、外側の世界に投影されるとどうなるかというと、「きっとみんなは私のことを●●だと思うに違いない」と感じるようになります。(※この●●にはあなたが先ほど書いた言葉が入ります。)
投影のすべては「私が私にそう思うように」がもとになっています。「私が私にそう思うように、あなたも私にそう思うはずよね」と自分の心のなかを外側の世界に映し出すのです。まわりの人にも映し出しますから、あたかも相手が自分のことをそう思っているかのように見えてくるのです。
私が私にそう思うように、相手もそう思うだろう。これが投影のメカニズムですが、私たちはこれを無自覚にしています。なので、自己嫌悪が強ければ強いほど、人から嫌われていると感じやすくなるのです。
それだけではありません。自分のことが嫌いだとそれを他人に投影し、人から嫌われていると感じるので、人のことが苦手になったり嫌いになったりするのです。つまり、自己嫌悪をすると他者嫌悪も作り出してしまうという副作用があるわけです。
自己嫌悪は自分で自分に感じる感情であり、誰かが自分に感じさせている感情ではないのです。自分で自分に感じる感情を変えていくことで、自分の外側に投影されていく感情を変えていくことができるのです。
「人に好かれる方法」や「愛されテクニック」の本と読んだとしても、自分に好かれなかったら、自分に愛されなかったら、それは何の役にも立たないことになってしまうのです。
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では、さきほど皆さんに書いていただいた、自分の嫌いなところがありますよね?
それをあらためでじーっと見てほしいのです。いまあなたはそれを「自分の短所」として見ていますよね?
じつは心理学的に見ると、短所と長所は表裏一体だといわれているのです。コインの裏表のようなもので、表が出ているのか裏が出ているのかの違いがあるだけ。切り離して考えることはできない。
たとえば「自信がない人」を長所としてみれば、「成長意欲が高くて、今の自分に満足しない人」として見ることもできるのです。
「人見知り」を長所としてみれば、「仲良くなるタイミングを待てる人」として見ることもできるのです。
逆に「いつでも即断即決、リーダーシップがある人」といえば長所ですが、「なんでも自分で決めてしまう、とても自分勝手な人」と見れば短所にもなるのです。
つまり、同じものを見ていても、光があたっている明るい方を見ているのか、影になっている暗い方を見ているのかで、まったく感じ方が違ってしまうということなのです。
しかも、どちらを見ているのかは自分の気分次第です。ネガティブな気分で自分を見れば短所に目がいき、ポジティブな気分で見れば長所のほうに自然と目がいくものなのです。
自分の機嫌が良くていい気分でいるときに、自分の短所を見ている人はいないでしょう。自己嫌悪が強い人は、自分をいい気分にする時間、自分の好きなことをする時間が圧倒的に少ないとも言われているのです。
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ここでちょっとだけ余談ですが、とても大切な恋愛心理のお話をひとつします。
恋愛において、恋人たちが「付き合う理由」と「別れる理由」は同じだという研究結果があるのです。言い換えると、恋人を好きになったところと、別れるときに嫌いになるところは、同じだということです。
たとえば、すごく尽くしてくれる彼。私だけを見てくれるところがよくてお付き合いを始めた。だけれども、半年もすると「今、なにしているの?誰といるの?どこにいるの?」といちいち聞いてくる彼を嫉妬深い男だと感じてうんざりする。
「私だけ見てくれる彼=嫉妬深い彼」
これも長所と短所の裏返しなのです。
みなさんだって、先週は大好きだと思ったパートナーを、今週は嫌いだと思うことはあると思うのです。それはその時の自分の気分によって違って見えるから、好きになったり嫌いになったりするのです。私たちはそれを人に自分にもやっているし、人にもやっているのです。
ということは、自分を良いところを見ると、人の良いところも見つけやすい。自分を好きになると、人のことも好きになりやすいと言えるのかもしれません。
そういえば「人が恋に落ちるのは自分のことが好きなときだ」という言葉があります。恋をしたかったら、誰かに好かれるよりも、自分に好かれることが、大切なのかもしれませんね。
30代からのうまくいかない恋愛と40代からのこじれた男女関係に。
婚活・失恋・復縁・不倫など、恋愛についていろいろ書いています。
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