こんにちは。神戸メンタルサービスの平です。
日曜日・恋愛心理学講座を原カウンセラー と隔週で担当しています。
私の古いクライアントに国際結婚した女性がいるのですが、大きな夫婦ゲンカをしたことがほとんどないというのです。
そんな話をすると、彼女はすごく従順で、大和なでしこの見本のような女性かとイメージされるかもしれませんが、うちに来るぐらいですから、恋愛に関して、それはそれは大きな問題をもっていたのです。
うちに来た当時、彼女は嫉妬深く、そして、瞬間湯沸かし器のようなところのある女性でした。
彼女は男性に対し、とても大きな期待をもっており、それが期待どおりにいかないということや、「私がこんなに気をつかっているのに、なぜ、私には気をつかわないの?」と感じさせられることが許せないタイプでした。
そんな彼女が南米の男性と恋に落ちたわけです。
まったく日本と常識が違う国の人との恋愛では、「なぜ、そう思うの?」、「なぜ、そうするの?」ということをいちいち聞かなくてはいけなかったそうです。それは、日本人との恋愛にはなかったことで、彼女にとって、とてもうまくいくやり方だったようなのです。
日本人のボーイフレンドとおつきあいしているとき、彼女はよく「なぜ、わからないの!」と言いながら激怒したことがあったということですが、その裏側には、「なぜ、わからないの? 同じ日本人どうしなのに!」というのがあったようです。
もちろん、同じ日本人同士だからといって、価値観が同じだとはかぎりません。しかし、ボーイフレンドが日本人ではないということで、彼女は「なぜ、そう思うの?」「なぜ、そう感じるの?」ということをいちいち聞くようになり、それによって、自分のなかにとてもたくさんの誤解があることに気づいたというのです。
それまで、「こんなことを言われるのは、きっと自分に魅力がないからだ」とか「いつか自分は嫌われる」という不安とおそれがあったために、愛されていないと感じると耐えられなくなり、激怒してしまっていたわけです。
南米の彼からは、いかに彼女が情熱的で、魅力的で、素晴らしいかということを延々と聞かされたのですが、日本人のボーイフレンドのときは同じようなことを言われてもまったく信頼できなかったのにもかかわらず、南米の彼の場合は、「国が違うと、そう感じるものなのかな?」と思えたそうなのです。
パートナーシップと子育てで大事なことは、「なぜ、そうするの?」と聞くことかもしれません。
いいことか悪いことかはいったん置いておいて、その人のものごとの考え方を知ることで、見えてくるものがあるはずなのです。
昔、4歳の男の子と、2歳の女の子と、生まれて3カ月の赤ちゃんの3人の子をもつおかあさんが、風邪をひき、熱を出してしまったことがありました。
彼女は、4歳の男の子にこう言ったそうです。
「おかあさんは、お熱が出て、いつものようにオモチャを片付けられないから、居間でおとなしくビデオでも観ていてね」
そして、2歳の女の子と赤ちゃんといっしょに寝室で寝ていたのですが、なにやら、居間から漂う異様なかんじ‥‥。なにごとかと思い、居間に行ってみると、そこには塩をまいている男の子がいたのです。
彼女は激怒し、「なにをしているの?!」と叩こうとしたのですが、そこで、「なぜ、そうするのか聞いてみろ」という子育ての秘訣を思い出しました。で、「なんで、こんなことしたの?」と聞いてみたわけです。
すると、4歳の男の子は泣きながらこう言いました。「だって、おかあさんは風邪ひいて、お熱があるんでしょ。僕がお熱があるとき、いつも頭を冷やしてくれるから、僕も冷やしてあげようとしたんだけど、冷蔵庫の氷のところに手が届かなかったの」
なるほど、昔の冷蔵庫は、いちばん上段にアイスボックスがあることが多かったので、この4つの男の子には手が届かなかったのです。
そして、彼は考えたのです。
「そうだ、雪を降らせればいい!」
彼が塩をまいたのは、どうやら、雪を降らせているつもりだったようなのです。
男の子の話を聞いた彼女の頭に真っ先に浮かんだのは掃除のこと。かといって、怒ることもできず、「寝る!」と言って寝てから、掃除機をかけたそうです。
ものごとには、いろいろな理由があるようですよ。
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