みなさん、こんにちは。カウンセリングサービスの大野愛子です。
木曜日は「うまくいかない恋の処方箋」をテーマに、大門昌代・大塚統子と共にお送りしております。今週は、大野が担当させて頂きます。
カウンセリングで恋愛のご相談をいただいたときに、ご両親のお話をお伺いすることがあります。それは、両親との関係が恋愛に大きく影響することがあるからです。
今回は「助けたい人ばかりを好きになる理由」について、カウンセリングの実例からお届けしたいと思います。(※ご了承を得ての掲載になります)
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彼女のお母さんはお父さんと恋におち、でもお父さんはほかに家庭があったので、シングルマザーで彼女のことを育てることになりました。
自分の家には毎日お父さんがいないことを不思議に思っていました。でも、時々家にやってくるおじさんがいて、それがお父さんだと気が付いたのはずいぶん後になってからだったそうです。
おじさんがあるときから家に来なくなり、お母さんがふさぎ込みがちになりました。ひとりで泣いているお母さんの姿を見かけるようになったのです。
彼女は子供ながらに思いました。「なんとかして、お母さんのことを助けてあげなきゃ。お母さんのことを笑顔にしてあげなきゃ。」
彼女はピエロになって、いろいろなことをして、お母さんのことを笑わせようとします。お母さんは一瞬だけクスっと笑ってくれるけれども、またすぐに暗い表情に戻ってしまう。
彼女の心のなかに「自分は無力だな。お母さんを助けてあげられないんだな」という思いばかりが大きくなりました。そんな彼女が大人になると、自分が助けるポジションに入るような恋愛ばかりをするようになったのです。
職場の上司に恋をしたことがありました。それは不倫だったのですが、彼が仕事で悩んでいれば何時間でも話しを聞き、彼の仕事がうまくいくためならなんでもサポートをして、献身的に尽くしました。
それで彼が元気になってくれたときにはいいのだけれど、そうなってくれないときには、助けてあげられない無力感が強くなりすぎて、彼女はしんどくなってしまうのです。
彼の仕事の成績や機嫌がまるで自分の責任であるかのように感じて、彼が落ち込むと自分も落ち込んでしまう。時には、いつまでも落ち込んでいる彼に怒りを感じて「いつまで悩んでいたら気が済むのよ!」と怒ってしまうこともあった。
でも、これは彼に怒っているようで自分に対する怒りなのです。本当に怒っているのは、助けてあげられない自分。でも、そんなことはわからないから、その怒りをパートナーにぶつけてしまう。
お母さんを助けてあげられなかったという無力感があり、その思いが未完了のままなので、彼女は助けたい人ばかりを好きになる恋愛を繰り返していました。
そんな彼女がカウンセリングに来たとき、私はこう伝えました。
「あなたのお母さんはずっと、あなたにお父さんを作ってあげられなくてごめんなさいって思っていたでしょうね。こんなお母さんでごめんなさいって、いつも思っていたでしょうね。私のせいで娘が幸せになれないと思っているでしょうね。でもね、あなたが幸せになることで、お母さんを救ってあげることもできるんですよ」。
それを聞いて彼女は、ハッとしたような表情をしました。
「私が本当にしたいことは、お母さんを笑顔にすることだった」と気がついたときに、彼女のなかの助け方の発想が変わったのです。
そう考えてみると、上司との不倫も、どこか上司にお父さんの陰を見ていました。いつもよその家に帰っていってしまう、あのおじさんを重ね合わせていました。
彼女の記憶のなかにお父さんに抱きしめられた記憶はなくて、抱きしめられてみたいという欲求がありました。そうすると、セクシャルな関係で惹かれあいます。彼の腕のなかにいるときは、まるでお父さんに抱きしめられているような安心感を感じたことがあると彼女は言っていました。
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それからの彼女は転職をして、その上司から離れることにしました。そして、婚活を始めて、すごく自分を大事にしてくれる人を見つけて、あっという間に結婚をしたんです。
結婚まではあっという間でしたけれども、彼女はそこから少し問題が出てきました。それまで転勤なんてなかった夫が、頻繁に転勤を命じられるようになり、あちこちに飛ばされるようになったんです。
「やっぱり、男性は私の近くにいてくれないんだ」という状況に陥ったのですが、彼女は自分の仕事を辞めてまでも、どんなところへの転勤でもついていったのです。
見ず知らずの新しい土地で生活をすることは彼女にとっては相当のストレスがありましたが、彼女にとってはそんなことよりも夫と一緒にいられることが嬉しかったのです。
日本全国北から南まで、本当にいろいろなところに転勤になりましたけれども、どこへでもついていき、今では子供ができ3人家族になっています。
お母さんが夢みたであろう、3人がいつも一緒にいられる幸せを叶えたわけですよね。彼女はこういう形で、お母さんの苦労に報いたわけです。
親子関係での未完了の感情にはどんなものがあるのだろうかと見つめ直してみると、うまくいかない恋の理由がわかることがあります。そこからパートナーとの関係が改善してくことはとてもよくあります。
みなさんはいかがでしょうか?もしよかったらカウンセリングでもご相談くださいね。
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30代からのうまくいかない恋愛と40代からのこじれた男女関係に。
婚活・失恋・復縁・不倫など、恋愛についていろいろ書いています。
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