毎週月曜日の「恋愛テクニック」は、「カップル・カウンセリング」と題しまして、パートナーとの関係をより良いものにするため、「男性心理」「女性心理」を紐解きながら、さまざまなご提案をさせていただいています。
恋愛・夫婦問題で悩んでいらっしゃる方、パートナーをみつけようと思っている方、現在の、また将来の結婚生活に、役立つご提案を発信してまいります。
担当は、池尾昌紀・池尾千里の夫婦カウンセラー。毎週交代で発信していきます。
今週は、池尾昌紀が担当です。どうぞよろしくお願いします。
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お待たせしました。
本日の記事をお届けします。
例えばこんなご相談
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入社してから何かと縁がある後輩。
不器用で気が利かないけど、誰にも負けない熱意と努力の持ち主だから、励まし応援してきた。
そんな彼女が私の部下に配属になった。
熱意も努力もわかるけど、とにかく不器用で失敗ばかり。
その度に激しく怒ってしまい、彼女が落ち込む姿をみて、しまった!と思う。
他の部下にはこんなに腹が立たないのに、どうして怒ってしまうのかなあ。
最初は慕ってくれていたこの子も、最近は私を怖がってか避けているみたい。
「物事には必ず意味がある」と思って自分を奮起させるけど、本当に意味なんてあるのかな。
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物事には意味がある、という視点は問題や課題を解決していくためにとても役に立つ視点です。
私はよくご相談者さんに
「いい意味で『こじつけ』てみたら?」
とお伝えしています。
それは「無理矢理でも、その問題に意味があるとしたら?」という見方をこじつけるということ、なんですね。
例えば、列車に乗り遅れた!腹が立つ!みたいな時に、意味を見つけることは難しかったりしますが、無理矢理考えてみます。
「もしかして、一息ついて深呼吸して焦らないでいこう、というサインなのかな?」
みたいな感じです。
この意味が本当でも本当でなくても、そこに焦点を当てなくていいと私は思うんですね。
見方を変えてみると、感じ方も変わったり、新しい気づきがあるかもしれない、ということを実践するのに、この考え方が役に立つと思うんです。
さて、カウンセリングでは具体的なご相談内容がありますので、もっと踏み込んだ意味について一緒に考えていくことになります。
先のご相談で言えば、こうした部下がいたら上司の立場としては手がかかるし腹も立つことがあるだろう、と誰もが思うはずなんですね。
しかし、ポイントは「他の部下には腹が立たないのにこの部下には怒ってしまう」というところにあります。
すると、他の部下との違いについて整理していくことになるのですが、
・縁あって入社時から励ましていること
・不器用だけど熱意と努力の人であること
がポイントになってきます。
実は、ご相談者の苦しみというのは
「愛したいのに愛せない」
ということなんですね。
◇過去に同じ思いをした人のことに思いを馳せてみる
まずは「私はこの部下に何かを重ねているかもしれない」という視点を持ってみます。
真っ先に思うといいことは、自分と似てる、あるいは過去の自分と似ている、のではないかと考えてみること。
自分のことを嫌っていたり、過去の自分を嫌っていたりすると、そんな自分と似た人に対して腹が立ちます。
鏡を見ているようなもの、ですから。
なので、もしかして自分と重ねているから腹が立つのかな?と思ってみることが役に立つ場合があります。
そう気づくだけで、怒りは減らすことができます。
なぜなら、目の前の部下を怒っているだけでなく、自分にも怒っていることがわかるので、目の前の部下への怒りの大きさにだけ目を向けたらいいのかも、というところに進めるからなんですね。
さて、こうしたお話を実際のカウンセリングでご相談者していくと、過去の誰かに重ねている話が「上司である私の態度と同じ人」に行き着く場合があります。
それは、
「今の私の部下への態度は、お母さんそっくりだ!」
みたいな話なんですね。
そう言えば、小さい時の私は不器用で、よく母親に怒られていた。
母親から愛されてないんだと思っていた。
これって、今の部下の気持ちなのかな?
そして、今の私のこの気持ちがお母さんの気持ちと同じってこと?
こんな感じです。
もし本当にご相談者がこの気持ちを感じているとしたら、部下への対処方法がよくわかります。
自分がして欲しかったことをしてあげたり、部下を嫌って怒っているのではなく、応援しているから、愛しているからという自分の気持ちを伝えてあげたらいいことになるからです。
そして、何よりも、今のこの状況や悩みは、自分の母親の気持ちが理解することができるチャンスをくれたことになります。
「手のかかる部下が教えてくれたのは、私の母親の気持ちであり、それは私への愛だった」
そんな思いにたどり着くことができた時、手のかかる部下は感謝の対象になります。
この気づきによって、あなたが部下の彼女に感じる感情が変わってきます。
もしかしたらあなたに似ている、つまり、愛したいけど不器用でうまく愛せない、でも熱意と努力のこの部下のことを、あなたはこれから腹が立つこともありながら、今まで以上に愛らしく思えるようになるでしょう。