こんばんは
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。
長年、結婚生活や同棲生活を送っていると、二人の距離が近くなっているだけに、ちょっとしたことで怒りが爆発してしまうことがありますね。
一度、感情の火がついてしまうと、少し前までは記憶にすらなかった1〜2週間前の出来事‥‥、そのときはぐっと飲み込んでがまんし、感情の倉庫の隅にひっそりと閉まってあった怒りまでもが引っぱり出されてくることもあります。
「この際だから、言わせてもらうけど‥‥!」
「きょうは言わせてもらうけどな!」
怒りはどんどんエスカレートし、大惨事になってしまうことも少なくありません。
一度、感情のダムが決壊してしまうと、二人の関係を修復するのにはものすごく時間がかかりますし、激しい怒りを浴びせかけられたほうはほぼ間違いなく根にもちます。
なにかをきっかけに怒りが大爆発を起こすのは、ふだんはなにかと気を使い、「まあ、いっか。私さえ辛抱しておけば‥‥」というタイプに多いようです。
ふだんは怒らない人は、自分が大爆発をしてしまうと、あとになって大きな罪悪感を感じがちです。「怒ってしまった」ということに、どんな辱めよりも強い罪の意識や失敗感を感じるのです。
そして、その罪悪感から逃れるために、「そもそも、この私を怒らせたあいつが悪い」と考えます。このような事態になった原因をパートナーのせいにするわけですから、問題はどんどんこじれていくようなのです。
このタイプの人は、ちょっと怒りをがまんすることで、このような事態に陥るのを避けることができます。
その場でパートナーに怒りをぶつけることをしなければ、怒りは次第にまぎれていき、気にならなくなっていくことがとても多く、そうすると、またふだんどおりの平穏な生活が戻ってきます。
カウンセリングでも、「怒りをぶつけるのは簡単ですが、ひと息ついて、1時間だけ怒るのを待つようにしてみましょう」と提案することがよくあります。
瞬間沸かし機タイプの人にはこの手段は使えませんが、ふだんから怒りをコントロールできる人は1時間ぐらいは簡単にがまんできます。
その間に、「怒りをぶつけますか? 平和を選びますか?」と自分に問いかけることができれば、怒りをぶつけるという最終手段を選ぶこともほとんどなくなります。
がまん強い人はめったに怒りはしませんが、いったん怒ると罪悪感や失敗感を引きずり、ケンカも長引いてしまいがちなので、この方法を憶えておくとよいでしょう。
心理学では“怒りは分離感情”とよくいいます。
なんらかの怒りの感情に支配されているとき、あなたは人と距離をとろうとしますし、人に近づいてもらいたくないとも思うでしょう。
怒っている自分を隠そうとしますし、その状況では自分の本音に気づかず、どんどんひねくれていってしまうこともあります。
つまり、怒りのさなかのコミュニケーションは、どうしても自己破壊的になりがちです。
そして、ただがまんして終わる必要はありません。クールダウンしてから、怒りをぶつけるという手段以外の方法で、自分がほんとうに言いたいことを主張するとよいのです。
これが、大事な人との関係を破壊しなくて良い方法といえます。

