こんばんは。カウンセリングサービス の大塚統子 です。
木曜日に大門昌代
・大野愛子
とともに「不倫と浮気」をテーマに書いています。今回は大塚が担当です。
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先日、こんな光景を目にしました。
オトコ: ごめんな。
オンナ: いいって。
オトコ: ホントごめん。
オンナ: だからもういいってば!
オトコ: ごめん…。
オンナ: ……。
オトコの人、すごく申し訳ないって思っているんだろうなあ。でも、オンナの人、しんどそう。
この二人の間に何があったのかは知りませんが、彼女のやりきれない気持ちが伝わってくるような気がしました。
自分が何かしでかしてしまった時、あるいは、すべきことを果たさなかった時、誰かを傷つけてしまった時、「ごめんなさい」と謝罪するにはとても勇気が要ります。どうしようもなくひどいことをしてしまったと思えば思うほど、「許してもらえるはずはない。」という思いが先に立ち、謝ることさえできなくなることがあります。
また、ひどいことをして「俺(私)はなんて最低なんだ!」と自分を責めている人ほど、「自分には謝って許してもらう資格なんかない。」というところに辿り着くようです。そして、許しのない世界で自分を攻撃し続けるのが苦しくなって、「俺(私)だけが悪いわけじゃない。お前(あなた)だって…。」と攻撃の矛先を人に向けてしまう、いわゆる逆ギレが起こったりするようです。
だから、「ごめんなさい」と言えないよりは、言える方が気持ちの交流になるのでしょうね。そして、「ごめんなさい」と言える時というのは、謝罪の気持ちとともに、「あなたは私を許してくれる寛大な人だと信頼しています。」というおまけが隠されているのかもしれませんね。
一方、「ごめんなさい」と言われる側としては。
「私は傷ついたの。だから私の心に届くまで何度も『ごめん』って言って。」という状況なら、可能ならば、気持ちが納得するまで「ごめんなさい」と言ってもらうことが必要になるのかもしれません。(但し、「ごめんなさい」と言う側にも気持ちはあるので、限界がありますのでご注意くださいね。)もっとも、「ごめん」って言ってほしい時、本当に求めているのは「ごめん」の言葉ではないと思われますが…。
また、「ごめんなさい」と言われて、気持ちは複雑だけどなんとか許そうと折り合いをつけようとしている状況なら、「ごめん」に対して、「いいよ」「大丈夫」と答えるのって結構きついことでしょう。冒頭で挙げたケースもこの事例かと思われます。わかりやすく誇張して言い換えるならば、気持ちの上ではこんなやりとりになるでしょうか。
オトコ: ごめんな。許してくれよ。
オンナ: (納得いかないけど、謝ってくれるなら)わかった、許すよ。
オトコ: ホントに許してくれる?
オンナ: だから(結構無理してだけど)許すって言っているじゃないの!
オトコ: 許してよ…。
オンナ: …(もういい加減にしてくれないかなぁ)。
「ごめん」と伝える側は「ごめんなさい」を言うのに精一杯で、言われる側の気持ちにまで配慮をするのは難しいものですが。
ギリギリのところで「大丈夫」って言っているのに、何度も何度も「ごめん」と言われると、何度も何度もきつい思いをしながら「大丈夫」って返さなければならなくなってしまいます。場合によっては、かえって相手の傷をえぐる行為になってしまうことがあるのかもしれませんね。
「ごめんなさい」って謝られたら許すもの、幼い頃にそう教えられて育った人たちの中には、「『ごめんなさい』と言われたのに許すことができないのは、心が狭い自分の方が悪い。」とすら思う人もいるそうです。「ごめんなさい」と一緒にある感情が、形を変えて相手に伝染してしまうのでしょうね。
わたしもそうだったのですが、「ごめんなさい」癖のある人たちには、「『ごめんなさい』はほどほどに」というのを知っておいていただくといいのかなと思います。あなたの大切な人を「ごめんなさい」の感情に共鳴させないためにも。
また、「ごめん」「いいよ」が挨拶のような会話になっているような状況なら、「私達っていつもこうだね」などと笑えるような余裕があれば、何の問題も感じないで済むのでしょう。
「ごめんなさい」って伝える時、相手に何を感じさせるのか、相手の気持ちを思いやることが本当の意味での謝罪になっていくのかもしれませんね。
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