こんばんは
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。
「人生のすべてのことが、彼次第」
そんな恋愛をしている女性のご相談を受けることがよくあります。
「幸せのすべては、彼次第」、「不幸のすべても、彼次第」。つまり、自分の幸不幸はすべて彼にかかっているという恋愛です。とくにティーンエイジャーから20代前半の人に多い恋愛のパターンです。
このパターンの恋愛をしている人の心の中でどんなことが起こっているかを知るには、“彼”を“親”に置き換えてみるとわかりやすいかと思います。
実際、みなさんが子どものころの幸不幸は親次第といってもよかったと思いませんか。
たとえば、アニメの『ドラえもん』を観ていたとき、ほとんどのみなさんがのび太目線になって、「いいなぁ。お金持ちのスネ夫の家に私も生まれたかったなー」などと思ったりしたのではないでしょうか。
「親がお金持ちだったら‥‥」
「もっともっとやさしいおかあさんであったら‥‥」
「海や山にしょっちゅう連れていってくれるパパであったら‥‥」
そうであれば、「私はどんなに幸せなのだろう」というかんじですね。
「親次第で自分の幸不幸が決まる」という子ども時代の価値観は、「自分はなにもできない子どもだから」という思い込みによってつくられています。
その後、私たちは思春期を迎え、恋をする時代へと突入します。
あれだけ大好きだった両親には背を向け、両親以上に好きになれる相手をつくろうとするわけです。そうでないと、自立した大人になれないからなのですね。
そして、この時期の恋愛はどうしても、親子関係のパターンを引きずりがちで、「彼次第」、「彼女次第」で幸不幸が決まるような恋愛をする人がとても多いのです。
さらに、このタイプに多いのが、“がまん”をしがちであるということです。
子どものころ、親にほめてもらおう、愛してもらおうと思うと、私たちはがまんをする必要がありましたよね。実際、子どもに対する親のほめ言葉のナンバーワンは、「よく辛抱できたね」、「がまんしたから、きょうはご褒美よ」といったものだといわれます。
つまり、「がまんすること」=「愛されたり、承認されたりすること」という法則があるのですが、その子ども時代の法則を大人になっても持ちつづけている人が少なくありません。
恋愛でも、「がまんすることで、愛してもらえる」と思い込んでいるということですね。
なかには、「たくさん愛してもらうためには、たくさんがまんすることが必要だ」と、たくさんのがまんを必要とするような相手をわざわざパートナーに選んでいる人もいるほどです。
たとえば、休みの日は彼からの急な連絡に備え、だれとも約束はしない。
深夜や早朝に彼から呼び出されてもすぐに出かけられるように、寝るときはいつも枕元に着替えを用意している。
‥‥当然、待つことばかりです。そして、自分から彼のスケジュールを聞くということはけっしてしません。
「だって、迷惑にはなりたくないのー」と彼女は言いますが、彼のほうだって「彼女にもプライベートの時間はあるし、お友だちとのおつきあいがもあるはずだ」と思っています。
ですから、彼のほうから「こんな時間になんだけど、いますぐどこどこに来て」などと連絡が来ることなど、普通はありません。
言い換えれば、彼女は彼からそんな連絡をもらいたいと思っているからこそ、スケジュールを空けているわけです。が、それはいつも空しい努力に終わります。
そして、そんなことがつづくうちに、その空しさの度合いだけ、彼と会いたい度合いだけ、彼への不満と怒りがたまっていきます。
それが臨界点に達すると、大爆発が起こります。
湧き上がった感情を一気に彼にぶつけ、彼の話も聞かす、「もう、いい!!!」と関係性を終わらせてしまうのです。
彼にしてみれば、「一体、なにが起こったのかわからないうちにフラれていた」ということになります。
まさに、ひとりよがりの恋愛ですね。このパターンの恋愛をすることが、ティーンエイジャーや20代前半の時期にはけっこう多いのです。
人はだれもがみな同じではなく、一人ひとり、違ったものごとの見方・考え方をするものです。
だから、「あの人はどんな価値観をもっているんだろう?」、「あの人はこんなとき、どう考えるんだろう?」と思ってみることが大事です。
一人ひとりの違いを知り、相手のことに興味をもってみることから、ほんとうの恋愛はスタートするといっても過言ではないかもしれません。


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