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「誰かのようになれない」という悩み 〜比較の罠とその処方箋〜

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浅野

カウンセリングサービス心理カウンセラー浅野寿和です。

 

いつもありがとうございます。

 

では、今日のコラムです。よろしければどうぞ。

 

 

僕たちは知らぬ間に「誰かのようになれないから愛されない、評価されない」と感じている場合があります。

 

〇〇さんのようになれないから、〇〇さんのように仕事ができないから・・・。

 

自分は自分だ、と思っていても、知らず知らずのうちに誰かと比較していたり、何故誰かと比較しているのかの理由が明確にわからないまま比較し続けていることがあるんです。

 

そしてそこには嫉妬を伴うことも多いものです。比較対象のことをよく思えないだけじゃなく、羨ましいやら悔しいやら。

 

もちろん、その誰かのようになれない自分に対しても否定的な目を向けるようにもなります。

 

すると、やっぱり気分が良くないし、自分を肯定しようにも肯定できなくなるものです。

 

なにより、誰かのようになれないという悩みは「その人と同じようになれれば解決する」という意味とも考えられますから、そのままでは問題の解決が困難なものになるでしょうね。

 

 

特にパートナーシップのご相談を伺うと、全く気づかない内に自分の親との比較から「父、母のようになれない私にはパートナーができてもうまくいきそうにない」と感じている方がいらっしゃいます。

 

ただ、なかなか気づかないと書いた通り、その自覚を持っている方ばかりではありません。

 

 

たとえば、料理が苦手という意識を持っている女性がいたとしましょう。

 

すると、この苦手意識だけならいいのですが、心のどこかで「母のように料理上手じゃないとダメ」と思いこんでいるケースって少なくないんです。

 

こうなると料理上手なお母さんは、ただ存在するだけで自分をちっぽけに感じさせる人のシンボルになるんですね。

 

僕たちはやっぱり親の影響を受けているもので、どこか当たり前のように、子供時代の大人のお手本であった親を見て、その親と自分を比較し、至らないところを見つけていることもよくある話なんです。

 

そんな気持ちを抱えている女性が、もしお付き合いした彼から「料理は僕もできるから、問題ないよ」と伝えられたとして、どんな気持ちになるでしょうか。

 

嬉しいと思いつつも、なかなかスッキリ喜べないこともあるでしょう。もしくは、じゃ全部お願いね、と度を越した依存になって、二人の関係が対等でなくなる場合もあります。

 

それもこれも母のような料理ができない、という比較から生じる劣等感が影響しているわけですね。

 

 

ただ、よくよく考えてみれば、「母の料理」は子供である自分を幸せにするために存在するもの。彼の言葉も自分をサポートするもの。

 

自分をがっかりさせ、嫉妬させるためにあるものではありませんよね。

 

しかし、「誰かのようになれない」と悩んでいる人ほど、「誰かの素晴らしさを使って自分を罰する」パターンを持っているものなんです。

 

自分を罰した分だけ自信を感じにくいですし、嫌な気分から逃れるために、彼にもっと愛してよと要求する人もいれば、例えばお母さんの素晴らしさを見て、それを疎ましく思い、相手の価値を下げようとする人もいます。

 

なにより厄介なのは、この手の比較は「相手の素晴らしさ」と「自分のできなさ」を比べているということ。そりゃ・・・負けますよね。絶対に負けられないではなく、負ける戦いです。

 

だから、今まで以上に誰かのように素晴らしくなろうとするわけです。

 

どこか「誰かのようになれたら問題は解決する」と感じつつ、しかしそうはなりたくない、と思っているので葛藤も深まります。

 

そして、そもそも誰かのようになること自体が難しいことですから、問題がなかなか解決せず、自分なりに頑張っているのに悩みが深まることもあります。

 

 

ただ、そう考えると、僕は「誰かのようになれない」と悩む人というのは、ちゃんと人を愛したり、役に立ちたいと願っている人なのだろうな、と思うんですけどね。

 

そうだとしたら、そもそもその方自体は素晴らしい、と思うのです。

 

問題は、どのように素晴らしい自分になろうとしているか、その考え方にあると思うのです。

 

 

このようなケースでは、「誰か」ではなく「自分」になることがとても大切です。

 

自分の立ち位置やあり方を他人との比較で推し量ることも時には必要ですが、そこで自分に罰を与えることとなれば、そもそも比較の目的から外れることになります。

 

また、万が一、自分が「誰か」のようになれたとしても、やっぱり自分にはなれません。ときには上手に自分を偽ることになってしまうので、また別の罪悪感〜私は相手を騙している〜という感覚を感じることだってありえます。

 

 

だから、もし、誰かのようになれないと悩むなら、まず自分はいつも「誰かを比較している」ことに気づき、そこにある比較と競争心を手放すことを考えてみるといいでしょう。

 

この競争は、そもそも絶対に勝てない競争に自分が仕立てあげている、と認識することはとても大切です。それが「自分に与えている罰」そのものなんです。

 

そして、全く別の発想である「自分はどんな自分を認めたいのか、何を表現したいのか」を見つめ直してみるといいんですよね。

 

最初は「できるできない」より、どうなりたいか、どんな私になりたいか、どんな私を認めようか、を考えてみるといいでしょう。

 

同時に、自分の良さを見つめるように心がけていきましょう。

 

 

ある女性がこのような話を僕にしてくれました。(許可を得て書かせてもらっています。)

 

「私はずっと料理や家事が苦手で、そこが心の中で引っかかってずっと彼に積極的になれなかった気がします。

 

だから、いつも不安で、彼に受け容れてほしくて、彼にイライラしていたのかもしれません。

 

でも、その理由が母との比較の結果だとと気づいたときは驚きました。

 

振り返ってみると、たしかに「お母さんのようにはできない」と思ってました。うちのお母さんすごいんです。家事も料理も完璧で。昔はそれが嬉しかったんですけど、いつからか嫌うようになっていました。思えば、お母さんに反発することも多かった気がします。

 

だから私は、どこかお母さんの生き方とは違う人生を目指してきてたのかな、と思います。

 

 

ただね、今だから話しますけど、以前のカウンセリングで「お母さんのようになれなくても、彼はそばにいてくれるんじゃないですか」というお話を聞いた時、正直「この人(浅野のこと)、何言ってんの」と思ってました(笑)

 

私じゃダメだと思うし、家庭的になれないことが悩みなのに、って思っていたんです。

 

もっと家庭的で、料理や家事が得意な人がそばにいれば(お母さんのような人なら)、きっと彼も満足するんじゃないかと思っていましたから。

 

でも、それが私の思い込みだったんですよね。

 

お母さんはお母さんなりにいろいろ愛情を注いでくれていたことが理解できたら、私がお母さんのようになれないことが申し訳ないって思ってることに気がつきました。

 

私、お母さんのようになりたかっただけなんですね。お母さんを喜ばせたかった、のかどうかは今もわかりませんけど。

 

でも、もし私が彼に「私のお母さん(のような人)と結婚したら幸せになれるかもよ?」と言ったとしたら、大変ですよね。でも、私、何も知らなかったら同じようなことを言っていたかもしれません。私より他の子のほうが好きなんでしょ、とか。

 

そんな自分も嫌なのに。

 

 

でも、私は私でいいんですよね。そう気づけたらすごく楽になりました。

 

もうお母さんと比べることはやめようって思います。お母さん、完璧主義っぽいところがあるから私は疲れちゃうし(笑)お母さんには感謝していることもたくさんあるし。そもそもあの気分屋なお父さんの側にいられるのはお母さんぐらいでしょうから。

 

今なら、お母さんや彼にはいつもありがとうって言えるかも、って思います。」

 

 

僕もぜひ伝えてみてください、とお願いした記憶があります。

 

誰かとの比較をやめると気分が変わります。

 

特に、競争心や嫉妬が手放せますし、自分らしくいればいいと思えた分だけ、もっと家族やパートナーの気持ちが理解できます。言い方を変えれば「自分に向けられた好意や愛情」に気付けるものです。

 

また、競争をやめるとお母さんの素晴らしい部分を学びたいと思えるので、もし家事を習得する気になった時、お母さんの教えがある分だけ楽ですよね。

 

そもそも、自分を負かし、惨めな気分にする相手のマネなんてなかなか受け容れられませんしね。そこが競争の厄介なところです。

 

こういった内面的に起きている比較はなかなか気づけず分かりにくいものかもしれませんね。しかし、そこに気づいて自分らしさを大切にすると、パートナーシップに積極的になることもできるんですよね。

 

 

今日は以上です、最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

 

【この記事を書いた人】


心理カウンセラー 浅野寿和(あさのひさお)

カウンセリングサービス所属・「名古屋・東京・大阪・福岡地区担当」

 

「恋愛」「結婚」「ご夫婦の問題」などを男性・女性の心理面からバランス良く分析し解決に導く人気カウンセラー。明快な分析と的確なヒーリングセッションは目からウロコと評され、なりたい自分になれると人気。屈託のない人柄・語り口から「話すと元気になる・安心できる」と好評をいただく。20代〜40代のみなさんにリピーターが多い、年間約400件の個人面談を行う、ちょっとだけ予約が取りにくいカウンセラー。

 


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