カウンセリングサービスの清水三季央（しみずみきお）です。新型コロナウイルス感染症により被害に遭われたすべての皆様にお悔やみお見舞い申し上げます。医療従事者の方、感染リスクを負いながらお仕事等に従事されているすべての方々へ敬意を表します。
今回も男女関係と新型コロナウイルスの問題、に役立つ内容にしました。
◆コロナ離婚
緊急事態宣言や外出自粛で、コロナ離婚という言葉が登場しました。日本の感染者が少なかった1月2月頃に中国でコロナ離婚が増えていたようですが日本でも言われるようになっていますね。カウンセリングでのご相談でも増えています。
離婚問題にまで発展しなくても、夫婦でのトラブルが増えたり、イライラしたり、モラハラが増えたり、うつ状態に陥っているという問題は多いです。3月の私のコラムでも、男女関係でのトラブルのことに触れています。
今回は、いつもコラムに登場する心の距離という視点でお伝えしたいと思います。
◆心の距離
（何度もお伝えしていますので、理解されている方は読み飛ばして下さいね。）
男女関係で問題がある時、その背景には、相手との間に心の距離があるという考え方を、これまでも何度もお伝えしています。恋愛や結婚を求めているけれど相手がいない場合は、好みの異性全体との心の距離があることが背景にあると捉えられます。
とても単純ですが、心の距離があいているので、その間に問題が入り込むかのように問題が発生しやすいのです。
例えば、わかりやすいのは遠距離恋愛ですね。物理的な距離もありますし、その背景には心の距離があるので、他の異性と恋愛してもいつも遠距離恋愛になってしまうと捉えられます。この応用編で、同居していたり近くに住んでいるけれど、相手か自分か両方が忙しすぎるという場合も、遠距離ではないけれど、まるで遠距離恋愛のようにあまり会えなかったり、連絡すらあまりとれないという場合もあります。これも背景にもやはり心の距離があると捉えることができるのです。
別の例では、三角関係でも、自分と異性の間に、別のライバルとなる人が入り込んでいると捉えられます。三角関係でなくても、飲み会で気になる異性と2人で話したいのに、なぜか別の人が入り込んでくるというのも、似ています。飲み会だと、心の距離が近くなってしまうと、2人の間には、誰かが入り込む余地がないような雰囲気ができあがりますよね。三角関係もそうなれば、ライバルがいなくなったり、ライバルがいない相手、つまり既婚者ではなく独身者と交際するようになったりして問題が解消されていきます。
◆無理に心の距離を近づけると
心の距離が近いと問題が解消されるといっても、心の距離がある2人を無理に近づけるとどうなるでしょう？多くは問題が増えます。
例えば、アプリで出会ったばかりの男性がメッセージのやりとりもあまりせず、すぐデートして、デートの回数を重ねず、すぐ交際を申し込むと成功せず問題に陥りやすいです。
同棲や夫婦関係では、男性側が仕事や趣味であまり家にいなかったり、女性側の相手をしてくれなかったり、ライン等の返信がそっけなかったりやりとりも少なかったのに、男性側が急にが女性側に向き合い始めると、女性側は相手の浮気を疑ったり、気持ち悪がったり、イライラしたりしやすくなり、問題に陥ります。
一方で、女性の側が関係を修復しようとして急に男性側にスキンシップをする場面では、相手から否定的なことを言われたり、さらに女性側はすごく傷ついて怒ってケンカになってしまうということもあるかもしれません。
これらと同じで、新型コロナウイルスの問題では外出自粛のために急にリモートワークや在宅ワーク、自宅待機等も増えました。急に、お互いがずっと家にいるという無理に物理的な距離が近くなった状態は、元々心の距離が遠かった状態から急に心の距離を近づけることになるため、問題が増えやすいです。冒頭でもお伝えしたように、お互いが些細なことでイライラしたり、相手の粗ばかりが目についたりして、コミュニケーションでもケンカのようになりやすいです。
◆心の距離をとった方がいいの？
問題が大きい場合は緊急な対応として、一旦は心の距離をとると関係が落ち着きやすいです。
私も今はずっと自宅にいますので、外出自粛が始まった頃は、急に夫婦の物理的距離が近くなり、無理に心の距離が近づこうとする状態でした。お互いがイライラしたり、細かなことでケンカになったりしていました。そこで、夫婦それぞれ自分の部屋に（妻の部屋はペットの部屋になっているので、妻はリビングも占領しています笑）分けて過ごして、一旦、心の距離をとるという対応をしていました。
平常時は、お互いがそれぞれの活動をしますから、それに応じた夫婦の心の距離があるものです。平常時は標準モードということですね。
外出自粛をしてある程度時間が経ったので、自然に2人の心の距離が近づいてきたのか、外出自粛がスタートした時よりも関係が良くなりました。標準モードから、外出自粛モードの夫婦関係にシフトできたようです。
今、問題に陥っている方でも丁寧に考えてコミュニケーションや行動していけば、上手に外出自粛モードにシフトできますよ。
◆心の距離が近いとダメなの？
カウンセラーによっては心の距離が近いとダメというアドバイスもあるようですが、この心の距離が近いという表現は簡単にしていますが、本当はさらに細かく説明しないとすべては理解しにくい面もあるんですね。ここでは話が長くなるので別の機会にお伝えしますね。
でも、男女関係が本当にうまくいっている人は、心の距離が近くても問題にならないです。
例えば、心の距離が近い代表的な例は、交際したばかりでロマンスというラブラブな状態で毎日でもお互いが会いたくて、お互いの家に行き来するようになり、いつしか半同棲になっていたとか、同棲を始めたとか、結婚して同居したという場合です。自ら望んで距離を近くして、なおかつ幸せなわけです。そもそも男女関係ってそういうものです。だから関係がよければ、心の距離は近くてそれで幸せなんですよね。家族や親せきご近所でも心の距離が近くて、みんなが仲良しという場合もありますよね。
本当の意味では仲が悪い人と、無理やり心の距離が近いかのような（仲が良いかのような）ことをしている場合（職場、ママ友、親戚、ご近所等も含まれますね）は、距離をとった方がうまくいくということなので、誤解をしないように気をつけて下さいね。
◆終わりに
最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。新型コロナウイルス感染症が日本国内でも広がるという問題は、50年近く生きてきた私も初めてです。誰もが未経験で、初心者なので、トラブルになりやすいですが、私がお伝えしているようなどんな場面でも応用できる心理の考えを使うと、うまく対応しやすいです。ヒントにして頂いて、外出自粛モードで幸せに過ごせるようにシフトして下さいね。
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