自分の評価が低すぎると‥‥

こんばんは

カウンセラーの平です。

日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。

書店を訪れると、「願えばかなう」とか「引き寄せの法則」とか、そんなタイトルの本がたくさんありますね。

私も基本の部分では、その通りだなとはいつも思います。

が、その通りなのだとしたら、いま、あなたの上にある現実は、あなたが願い、引き寄せた結果だということになりますよね。

ということは、心理学的に見てみると、こんなふうに考えてみる必要があるのではないでしょうか。

「なぜ、私はこのような現実を願っているのだろう」、「なぜ、私はこのような現実を引き寄せたのだろう」、と。

もちろん、私たちはネガティブな現実を願ったりはしません、意識的には。

しかしながら、幸せすぎる現実よりも、「このぐらいのほうが、ふふふ、私らしいわ」とか、「所詮、現実はこんなもんよ」と思ったりすることはみなさんにもあるのではないでしょうか。

また、心のどこかで、「こんな私が幸せになれるはずはない」と思い、目の前に大きな幸せがあっても、無視したり、拒絶したりすることもじつはよくあります。

この日、私どもに相談におみえになった彼女もその一人でした。

話を聞くと、彼女は二人姉妹の妹。おねえさんはたいへんな美人なのだといいます。

一方の彼女は人並みの容姿で、いつもおねえさんと自分を比べては、「私はおねえちゃんみたいにかわいくないし‥‥」と自分を卑下することが多かったようです。

そして、「こんな私」だから、愛してくれる人などいないし、モテることなどけっしてないと思い込んでいました。

が、じつは彼女は人なつこく、だれとでも気さくに話したり、なかよくなったりできるキャラで、意外とモテるほうだったのです。

それなのに、本人は「どうせ、私はすぐに飽きられる」とか、「だれか本命が見つかるまでのつなぎ役」などと自分を評価していたので、恋愛にも熱中しようとはしません。

本気になって、のめりこんで、挙げ句に棄てられたとしたら、別れたときの傷があまりにも深いと思うからです。

ところが、そんな彼女にがっつりとアプローチしてきた男性がいました。

問題は、その彼が彼女のタイプだったことでした。「本気になりそうな人とつきあったら、フラれたときに立ち直れないかも‥‥」、と彼女はうろたえてしまったのです。

それで、私どもにご相談に来てくださったのですが、担当のカウンセラーは彼女にこう言いました。

「あなたの評価は、彼が決めます。それを信頼し、委ねるのが恋の道ですよ」

そうして、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで、彼女は彼とのおつきあいすることにしたのです。

つきあいはじめてみると、彼は予想以上に素敵で、誠実な人でもありました。彼女はどんどんのめりこみ、ついに同棲をはじめました。

が、まもなく、彼女はその生活に疲れ果ててしまいました。すべてのことにがんばりすぎてしまったからです。

彼女はこう思ったのです。「こんな私とつきあってもらっているのだから、うんと尽くさなければ、バランスシートが合わない」、と。

ですから、炊事、洗濯、掃除などのあらゆる家事をこなし、ときには彼にマッサージまでしてあげたりしたのですが、彼女自身、会社勤めをしているのでそれなり忙しく、自分の時間はないわ、体力的にももたないわで、ついには追いつめられてしまったのです。

でも、ほんとうに、これぐらいしないと彼に嫌われてしまうと彼女は思い込んでいたのです。

そんな彼女に、彼と一緒にカウンセリングに来てもらいました。そこで、衝撃の事実を彼女は知ります。

それは、彼女が忙しさに追いつめられていく一方、彼も彼で罪悪感が募っていく毎日だったということです。

彼は彼女にばかり負担をかけていると感じており、「なにか手伝うよ」としばしば提案していました。が、そのたびに彼女から「いいの、いいの。好きでやっているのだから、やらせて」と言われ、なにもさせてもらえなかったのです。

で、「好きでやっているなら‥‥」と思いつつも、彼女がたいへんそうにしている様子が目に余るため、次第に愛を感じるよりも、申しわけないという罪悪感ばかりを感じる日々になっていったのです。

ここで、大切なこと‥‥、それは、「あなたといるときに、パートナーがどのような感情を感じているか」が恋の行方を決めるということです。

あなたと一緒にいて、パートナーがうれしい、楽しい、気持ちいい‥‥といったポジティブな感情をたくさん感じるとしたら、あなたは恋の勝者です。彼はあなたとずっと一緒にいたいと思うでしょう。

一方、ネガティブな感情をたくさん感じてしまうとしたら、彼はそのいやな感情を感じないようにするために、あなたとは距離をおこうとするでしょう。

この彼の場合、自分のためにボロボロになって尽くしてくれる彼女の体調のこともたいへん心配していました。そして、「自分が自立できていないから、こんなにも彼女に負担をかけてしまうのだ」と自分を責めていました。

このカウンセリングを通じ、彼がそんなふうに自分のことを心配してくれていたということを知った彼女は大感激。それによって、ようやくたがいにバランスを取り、うまくやっていけるようになっていったのです。

「○○をやらねばならない」と強く思い込んでいるときは、パートナーの愛情や想いを上手に受け取れていないことが多いようです。みなさんもぜひ、チェックしてみてくださいね。

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