こんばんは
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。
その日、ご相談におみえになった彼女は、女性ながら男前といえるようなタイプでした。
父親が幅広い分野で事業を起こしている人で、その影響を受け、彼女は美容関係の会社を経営しているとのことでした。
なかなか魅力的な女性なのですが、30代半ばになってもなかなか良いご縁がありません。
というか、ボーイフレンドはつねにいるのですが、とにかくクセのある、手のかかる人ばかり好きになってしまうのです。
「自分でもわかっているんですけど‥‥。なぜ、普通の人と恋愛できないんでしょう?」
ご両親からはお見合いの写真をたくさん見せられていて、中には素敵な人もいるのですが、どうしても心ときめくことがないとのこと。
そんな彼女がどんなふうに育ってきたのかを聞いてみました。
きょうだいはお兄さんと弟さん。お兄さんは子どものころから体が弱く、内気なタイプで、弟さんは小さいときから音楽の才能があり、現在はそちらの分野に進んでいらっしゃるとのことでした。
そして、きょうだいの中でいちばん父親と波長が合うのが彼女で、「おまえが男だったらよかったのになぁ」と口ぐせのように言われてきたのです。
実際、彼女は男まさりな性格で、リーダーシップも強いほうです。つきあう男性は彼女の支配下に置かれ、彼女が上に立つという関係になりがちです。
ちなみに、26歳のときにつきあった年下の彼は、彼女から見てかわいく、母性本能がくすぐられたそうです。
彼はいわば自分がないタイプで、いつも「ぼくなんか‥‥」と言っていたとか。
デートをすることになっても、前日になって、「やっぱりやめます」言い出したり、一緒にいても「こんな僕とデートしていてもおもしろくないでしょ」と言い出したり、とにかく手がかかるのです。
彼女の友人のほとんどは、「あんな男、やめときなよ。あなたにはまったく合わないわ」などと言うのですが、なぜか、彼のことはほうっておけません。
で、彼の部屋に行っては掃除をしたり、洗濯をしたり、料理をしたりとかいがいしく面倒を見てしまうのです。
そんな話をしてくれた彼女に、私は言いました。
「あなたはどうも、自分を振り回すような男性とつきあっているときだけ、自分が女性であるということを感じられるようですね」
「どういうことですか?」
「反対に、素直で誠実な男性とおつきあいすると、どうしてもあなたがわがままになり、振り回してしまうのではないですか?」
「あ、その通りです」
彼女のように父親から「おまえが男だったらよかったのになぁ」などと言われると、「女性である自分はだれかを失望させてしまう」という勝手な思い込みがつくられることがあります。
“エレクトラ・コンプレックス”というのですが、それによって男っぽいふるまいや生き方をしている女性は意外と多くいるのです。
また、「やり手で男らしい父親」には「きわめて献身的な母親」ガセットになっていることがよくあります。
そして、その母親が嫉妬深かったり、女々しいタイプだったりすると、「ああはなりたくない」という思いがさらに男っぽいふるまいを呼んだりすることもあります。
が、心のどこかには、「女性らしくありたい」とか「献身的にふるまいたい」という思いはあるわけです。
そのため、自分を振り回してくれるようなわがままな男性とのおつきあいを無意識に求めてしまったりするのです。
振り回されながらも献身的に尽くす自分のことを、「私、なかなかいい女じゃない?」などと感じたりするわけです。
ただし、このタイプの女性は、ふだんの自分がわがままで相手を振り回しているということに罪悪感をもっていて、その補償行為として尽くす女性になっているということがきわめて多いようです。
そして、よくよく見てみると、罪悪感を使って、男性の愛情をなかなか受け取れずにいるのに、「自分は女性だから、おとうさんには愛されない」などという誤解をもっていることもまた多いのです。
今回のご相談者も、やはりそうでした。
父親とは一緒にゴルフに行ったり、飲みにいったり、いつもかわいがられているというのに、自分のその思い込みで、父親の愛を十分に感じられずにいたのです。
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