毎週月曜日の「恋愛テクニック」は、「カップル・カウンセリング」と題しまして、パートナーとの関係をより良いものにするため、「男性心理」「女性心理」を紐解きながら、さまざまなご提案を、池尾昌紀・池尾千里、夫婦でさせていただいています。
今週は、私・池尾千里が書かせていただきます。
お読みいただけたらと思います。
街が冬らしい寒さになってくると、空気が澄んできて、街のイルミネーションがキラキラと、より輝いて見えるように思います。
今の時期ならではの楽しみです。
今日も、お付き合いいただけたらと思います。
■ イライラすることが多くなる時期
「あーもーなんだか、イライラすることが多いわーーっ!」
なんて、ぷりぷりしているA子さん。
いろんなことに、いちいちイライラしてしまう自分に、嫌気がさすと悩んでおられます。
お話を伺うと、ご自身のお仕事もある上に、これから、年末年始を迎えるこの時期、やることが山積みになっているとのことでした。
年賀状、大掃除、おせち、夫の実家に帰る準備、などなど・・
あれこれ控えていることで、今から余裕がなくなっているようでした。
こんなA子さん、仕事と子どもの話は出てきますが、どれも孤軍奮闘、ひとりでがんばっている感じがします。もしかしてシングルマザー?ご主人いらっしゃらないのかな?と感じるほどでしたが、伺うと、ご主人、いらっしゃいました。
出張も多く、単身赴任をしてらしたこともあるそうです。
今は、自宅から通勤していますが、とてもお忙しいご主人のようでした。
■ ご主人不在時、強くならなければならない女性たち
単身赴任などで、ご主人が不在の家庭では、ご主人に頼めることを、奥さんが全部やることになります。
ちょっとお願いできると助かる、細々としたことでさえも、何もかもやらねばなりません。してくれる人がいないのですから、仕方がないのですが、これは、本当に大変です。
そしてもう一つ。
奥さんが、ご主人の代わりをすることになるのが、これもなかなか大変なことなのです。
男性の担うことが多い、「外側から家庭を守る」という役割をやることになるのです。
これはどういうことかというと、例えばこんなことが、女性にとっては、非常にきついのです。
夜、家の外で、何か物音が。
子どもたちも怖がっているから、しっかりしなくちゃ。
ちゃんと戸締りして、子どもたちを守らなくちゃ。
怪しい人でもいたら、どうしよう!
どうやって子どもたちや自分の身を守ろうか?
男性とは違い「内側から、家庭を守ろう。温かい場所をつくろう。」という役割を負うことの多い女性たちは、物音に怖がる子どもたちを、守り、温かく包み、安心させることのほうが得意です。
怪しい物音に対して、闘うとか攻撃するということは、難しいのですね。
女性の力では、本当の心許ないわけです。
でも、ご主人が不在の場合、この部分も、奥さんがやることになります。
女性たちは、常に、緊張感を持っているような状態になります。
いつでも闘えるように、とでもいいましょうか。
男性性を使って、強くなっておかないといけない状況なのです。
これは、本当に、女性にとっては、とても大変なことなのです。
■ 自立的な生き方とハートブレイクはセット
ご主人が不在だと、当然のことながら、ご主人をアテに出来ません。
頼ることができないのですね。
そうなると、「いないもの」として日々を過ごすしか方法がありません。
単身赴任は、実際に別居しているため、アテにしないというのが身につきます。
しかし、毎日毎日、ご主人は、帰っては来るけれど、遅くなるし、疲れている、となると、いるには、いるんだけど、アテにすることができませんよね。頼ることが難しいです。
ご主人に、お願いしたことを、ことごとくやってもらえなかったら、悲しいですよね。
せめてこれくらいなら、やってくれるかな、できるかなと、たった1つだけお願いしたことさえも、叶えてくれなかったら。
「雨が降ってきたら、洗濯物入れておいてね。」
日曜日の昼過ぎ、買い物に出る時に、テレビを観ていたご主人に声をかけて、出かけたA子さん。買い物を終えて帰る頃、やっぱり降ってきました。
家に着くと、ご主人は、ソファでうたた寝。
洗濯物は、干したまま濡れています。慌てて取り込みながら、A子さん、涙が出てきました。
ご主人が、寝不足なのも知っています。
疲れがたまっているのも知っています。
だから、怒るのも可哀想だと思いました。
ここにいる夫は、もういないものと思っていよう。
期待して、裏切られるのは、もう嫌だ。
A子さんは、それを最後に、ご主人をアテにするのを、完全に止めてしまったようでした。
■ アテにせず、ひとりで全部やるほうが楽
A子さんは、全部ひとりでやっていました。
でも、いっそそのほうが楽だとおっしゃいました。
なんでもひとりで乗り切る自立的な生き方の裏側には、必ず、傷付いた体験が隠れています。
A子さんの場合は、ご主人に、やって欲しかったことを、してもらえなかったという、ハートブレイク(失恋のような痛み)があるのですね。
悲しい、痛い、体験なんて、二度と味わいたくないから、「アテにする」ことを封印したのです。
誰かに頼る、誰かにお願いする・・叶わなかったら、もう無理、もう立ち直れない、だから、強くなることにしてしまうのです。
それは、とても悲しい理由です。
A子さんが、イライラして余裕がなくなっているのも、全部ひとりでやらなければと思っているからです。長くひとりでがんばってきたことで、息切れしてきたようです。
がんばっているのですから、疲れてきて当然です。
9時-5時で終わる、勤務とはちがい、家に帰れば、終わりのないやるべきことが、山盛りなんです。今日も明日も、明後日もずっと。
さらに、年末年始・・
A子さんの限界が来ていたようでした。
■「自立 × 自立」のパートナーシップ
こんな時、パートナーシップがうまくいかないのも、もれなくセットになります。
A子さんとご主人も、ただの同居人のようになっていました。
でも、A子さんは、ご主人に気を使い、遠慮し、まるで、家にお客さんを抱えているようでした。
その反面、A子さんは、イライラと腹を立てるのが止まりません。
つい子どもに叱り過ぎてしまうことも多くなりました。
ご主人が帰ってくる頃になると、気持ちが沈むような感じになり、帰ってきて、顔を見るのも嫌になっていました。
当然、会話も必要なことだけして、別の部屋で過ごすことが多くなったりと、距離を取るようになってきました。もともとは、忙しいけれど、もともとは穏やかなご主人も、当然、機嫌がよくないことが多くなってきます。
喧嘩をするわけではないれど、ふたりの関係は、だんだんと冷えたものになっていました。
一緒にいるのに、冷えた関係でいるというのは、本当に辛いものです。
パートナー、子どもたち、一緒に居られる場所が揃っているのに、心が幸せだと思えない状態。
では、ここでできることって何でしょう、
一番に浮かぶのは、ご主人のことかもしれません。
もし、もっと早く帰ってこられる人だったら。
単身赴任しなくて済んだら。
洗濯物を取り込んでくれていたら!
たくさん出てきます。
でも、自分でないご主人のことは、変えることが難しいのですね。ご主人や、ご主人の仕事をコントロールすることを考えるより、ご自身の中を見てみるのが一番早いと言われています。
そうすると、A子さんができることが見えてきます。
ご自身のことですから、今から、できることがたくさんあります。
■ 日常にご自身のケアを取り入れる
子どもに叱り過ぎてしまう。
こういう時は、子どもが悪いということは、実は少なくて、親である自分に余裕がなさすぎるのが、理由のことがほとんどです。私たちは、気持ちに余裕がある時は、穏やかでいられます。
なぜなら、物事を受け止めるスペースがあるからです。
心に余裕がない上に、子どもが部屋を散らかしたままだった!というようなことが起こると、もうそれをおおらかに受け止め、優しい言葉で諭すなんてことができなくなってしまうんですね。
余裕がある時なら、少々ちらかっていても、気にもならないかもしれません。
そのくらい、私たちは、子どもに対して、心の余裕のなさが出ることがあるんです。
でも、子どもに怒ってしまうと、後味が悪いのです。
罪悪感でいっぱいになりますから、また苦しい。
私たちは、みんなに本当は、優しくしたいし、いい関係でいたいと切に望んでいるのです。
A子さんが、真っ先にすると良いことは、まずA子さんのケアです。
ペースをうんと落として「休む」ことなんですね。
でも、仕事も家事も、放り出すことはできませんよね。
できることからで大丈夫です。
今日でなくてもいいことは、明日に。
しなくてもよさそうなことは、やらない。
誰かに頼めそうなことはないでしょうか。
業者さんに頼めることは?
2時間で十分です。ひとりの時間をどこかに作れないでしょうか。
ご自分を大切にしてあげる時間です。
誰か信頼できる人に、話を聞いてもらうのもいいでしょう。
心がすっと整理されて、気持ちが楽になるでしょう。
忙しいな、イライラすることが多いなと感じる時期には、こういったことを、意識的に取り入れることで、緩和されると思いますよ。
ご主人とのパートナーシップについては、A子さんの心に余裕が少しできてくると、ぐっと取り組みやすくなります。
今は、ご主人が「アテに出来ない、役に立たない人」になっているA子さんのお家ですが、ここも、A子さんが鍵を握っています。
つづきは、また次回、お話ししたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
お役に立てれば嬉しいです。
池尾千里
次週、12月23日(月)は、池尾昌紀が担当します。
どうぞお楽しみになさってくださいね。
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