こんにちは。神戸メンタルサービスの平です。
日曜日・恋愛心理学講座を原カウンセラー と隔週で担当しています。
男性の読者から、非常にわがままな彼女とつきあっていて、困っているというご相談をいただきました。
二人は同棲を始めて半年ほどなのですが、「恋人というよりも、まるで召使いか執事のように扱われています。こんなんで、僕はほんとうに彼女に愛されているんでしょうか。最近はもう、彼女のことがよくわからなくなってしまっています」と彼は言いました。
とにかく忘れ物の多い彼女なのだそうです。携帯電話やお財布をしょっちゅう忘れて出かけてしまうのですが、それがぜんぶ彼のせいになり、「なんで、ちゃんとしてくれないの!」と彼がいつも怒られているそうなのです。
あるときなどは、彼女から「携帯を忘れたので、駅まですぐに持ってきて!」という連絡があったので、それなり急いで届けたにもかかわらず、「乗りたい電車に乗り遅れた!」と逆ギレされる始末。
やさしくて寛容な彼も、さすがに「もういい加減にしてほしい‥‥」という気分になってきてしまったというわけです。
じつは、このようなケースは、男女問わず、意外と多いのです。
そして、今回の彼女のような人の心の中が、いったいどうなっているのかというと、第一に「自己評価が低い」ということがあげられます。
つまり、こういうことです。
「こんな私にちゃんとできるはずがないでしょ。携帯一つ、忘れずに持っていくこともできないコなのよ」、「その私の彼なんだから、あなたがしっかりしないでどうするの! 私にはうまくできないんだから、あなたがちゃんとするの。それはもう、決まってることなんだから!」
そして、彼女は彼のことを攻撃している間だけ、自分を攻撃することから逃れられるのです。
言い換えれば、彼女はいつも自分のことを、どれぐらいひどく責めているのでしょうか‥‥?
自分を責めれば責めるほど、人もきっと自分のことを責めているだろうという思いが強くなってしまいます。
つまり、彼女は、「私のことを責める人ばかり」の世界に生きているわけです。
そして、その中にあって、彼であるあなただけは、世界人類を代表して、「出来の悪い彼女を愛さねばならない」存在である、というわけなのです。
ちなみに、とてもめんどくさいことに、彼女にとって「私は愛されている」と実感できるのは、自分がうまくできたことやがんばったことをほめてもらったときではありません。
「だれにも愛してもらえない」、「自分でも愛することができない」というような部分を愛してもらってこそ、彼の愛を実感できるのです。
じつは、こういう部分は彼女にかぎらず、すべての人にあるものです。
たとえば、あなたが「自分は暗い人間だ」と自分を責めているとします。それを隠すがごとく、無理をして、精一杯、明るくふるまっていたとしたら、彼から「君は明るくて、楽しいやつだなぁ」とどれだけほめられても、うれしくはならないですよね。
家に帰って思うのは「やっぱり、暗い私じゃダメなんだ」ということばかりで、彼に愛されているとは思えません。
そうではなく、あなたが嫌悪しているあの暗い部分を彼に受け入れ、認めてもらってはじめて、「私は彼に愛されている」と思うはずなのです。
男女関係が進み、信頼関係ができてくると、人は真の愛を求め、自分のいちばん醜い部分や自分で嫌っている部分をパートナーにさしだしはじめます。
これがよくある、「オレはだまされた! 昔はカワイかったこいつが、こんなにヤな女だったとは!」というあれです。
しかし、じつは彼女は彼を信頼するようになったからこそ、「あなただけは、私のこんないやな部分も愛してくれるよね」とさしだしているのです。
ところが彼は、こう思ってしまうのです。
「オレのことを過大評価するなよ。オレなそんなに愛情深くて優れた人間じゃないよ。おまえが思っているのなんかより、ずっと器のちっちゃい男なんだ」
つまり、今回のご相談者である彼に必要なことは、「あの彼女のわがままも受け入れてあげられるよう、器の大きな自分になりたい」という意欲をもつことなのです。
彼女はまさに、彼の偉大さを信頼しているということなのですからね。
恋愛話はありませんが、よかったら読んでください>>> 平準司のブログ
まぐまぐ殿堂入り!!
恋愛心理を徹底解明、恋愛指南の決定書!
もうひとつの「恋愛心理学」メルマガにて毎週金曜日お届けしています
恋愛に役立つレクチャーをダウンロードして聞いていただけます。