みなさん、こんにちは。カウンセリングサービスの大野愛子です。
木曜日は「うまくいかない恋の処方箋」をテーマに、大門昌代・大塚統子と共にお送りしております。
今週は、大野が担当させて頂きます。
失恋を経験すると、もう二度と傷つきたくないと思う。
なのに、また恋をする。それはどうしてなのでしょうか?
人は誰かを愛したい生き物なのです。
どうしたってまた誰かを愛そうとしてしまう。
ただ、心の傷が深いぶんだけ、目の前に差し出された好意にすがりついてしまうことがあります。
失恋した自分に優しく声をかけてくれた人とか、親身になって相談に乗ってくれた人とか。
【自分が好きになった人というよりは、自分を好きになってくれた人を愛そうとすること】があるんですよね。
だから、失恋の次の恋が、「不倫」になったという人もいたりするんです。
いつもだったら絶対にしない不倫。
だけど、失恋後のつらいときに親身になって慰めてくれたのが職場の上司だったとか、やけ酒に付き合ってくれたのが既婚者の男友達だったとか。
そんなことから関係が始まったりするんです。
だから、不倫の始まりは心が弱っているときが多い。
私が出会った彼女もそんな人でした。(ご了承を得てお届けいたします)
※お願い 不倫の是非を問うのではなく、心理的な見方からのお話だとご理解いただけると有難いです。よろしくお願いします。
※※※
彼女は、結婚まで考えていた彼に、ある日突然ふられました。
別れの理由を彼に尋ねましたが、「ごめん。もう無理なんだ」の一点張り。
なにが彼に別れを決意させたのか、理由はわからないままでした。
彼との結婚を夢みていた彼女のショックは相当なもので、仕事に行けなくなるほど落ち込みでした。
彼女にとっては、人柄もルックスも好みの彼。
「もう彼のような人には出会えないだろうな」と思ったのです。
半年も経たないうちに、彼女は新しい彼と付き合い始めました。
ふられて落ち込んでいるときに、相談に乗ってくれた上司です。
彼は既婚者。以前だったら絶対に選ばなかった相手だけど、目のまえにある好意にすがりついてしまった。
家庭を壊すつもりはない、マイホームパパ風な上司。
一時の気の迷いのような関係は、半年ほどで幕を下ろすことになりました。
残されたのは、さらにボロボロになった自分。
そして、彼女は思ったのです。
「やっぱり私は選ばれないんだ・・・」
※※※
さて、彼女にはどんなことが起こっていたのでしょうか?
失恋後に不倫が多くなるのは、それがある種の「痛み止め」になるから。
つらいからこそ、自分に優しくしてくれる人にすがりたくなるのです。
女性はイヤなことがあったとき、自分の感情や記憶を「上書き保存」したいところがあります。
新しい記憶を上書きしてしまえば、古い記憶は無かったことにしてしまえるような気がするじゃないですか。
「失恋の傷は新しい恋で癒す」なんて、昔から言いますしね。
たしかに、新しい恋を見つけて夢中になれば、前の恋を忘れてしまうことができるかもしれません。
ただそれが、「忘れるための恋」だった場合、あまりいい方向に行かないことが多いようです。
忘れるための恋で痛みをごまかそうとすると、さらなる傷の上塗りになることだってあるのです。
※※※
彼女は不倫した自分を責めて、責めて、責めきれなくなった頃に、私のところにやってきました。
身も心もクタクタで、体調を崩していました。もう気の毒なぐらい、自分を責めることがやめられなくなっていたのです。
「不倫なんかしたんだから、当然の報いなんです」
「全部、私が悪いんです」
大粒の涙を流しながら、こうも言いました。
「私はもう幸せにはなれないですよね・・・」
でもね。「不倫をして良かったと思う」「不倫がとても楽しかった」という人に、お会いしたことがありません。
「してはいけないことをした」と思う人でなければ、悩まないし相談もしてこないのです。
この不倫のきっかけは、もともとの失恋の傷がちゃんと癒えていないことが原因です。
忘れるための恋で自分をごまかそうとして、ごまかしの関係を選んでしまったから、こんなことになっているのです。
ここからはカウンセリングの現場でのお話しになるのですが、そんなときに私は、「ちゃんと失恋の傷を癒しましょう」というご提案をすることがあります。
もともとの傷をちゃんと癒すのです。彼女にもそれを提案しました。
誰にも見られることのない空間と、音楽の癒しの力も借りながら、セラピーのなかで、失恋したあの時の自分に向き合っていきます。
失恋をすると、自分を嫌う人が多いんです。彼にも嫌われた自分ですから、そんな自分を好きになるのは難しいですよね。
自分を嫌ったままだと、これから先は【自分を好きになってくれる人を好きになるしかない】と思ってしまうのです。
嫌われないようにすることが精いっぱいで、自分から誰かを好きになることに臆病になってしまうから。
それが不倫になったり、都合のいい女扱いになったり、ややこしい恋愛になってしまうのだとしたら、もう一度自分で自分を受け入れることが必要なのです。
セラピーは、失恋したあの日の自分が目の前にいることをイメージしながら進んでいきます。
「そこにはどんな自分がいますか?」
「その自分になんて声をかけてあげたいですか?」
ゆっくりとていねいに、自分と向き合っていきます。
セラピーの最後に、彼女にこう伝えました。
「失恋したあの日、あなたはきっとひとりで泣いていたんでしょう?
だから今日はどうか、彼女と一緒に泣いてあげてくださいね。
ひとりじゃないよ。私がそばにいてあげるから大丈夫。
そう伝えてあげてくださいね。」
自分で自分をしっかりと受け入れると、ふたたび「自分は愛おしい存在である」と感じることができます。
愛おしい存在だと感じることができたら、この先選ぶ未来も変わっていくことでしょう。
彼女も真っ赤に泣きはらした目でありながらも、帰り際にはホッとしたような笑顔を見せてくれました。
もし似たよう経験がある人がいたら、どうか自分を「幸せになる資格のない女」のままにしておかないでください。
その経験を学びにして、何をすれば幸せになれるのかを一緒に考えていきましょう。
私はそんなお手伝いがしたいのです。
道に迷ったときはどうぞ遠慮なくご相談いただければと願います。
30代からのうまくいかない恋愛と40代からのこじれた男女関係に。婚活・失恋・復縁・不倫など、恋愛についていろいろ書いています。
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