毎週月曜日の「恋愛テクニック」は、「カップル・カウンセリング」と題しまして、パートナーとの関係をより良いものにするため、「男性心理」「女性心理」を紐解きながら、さまざまなご提案を、池尾昌紀・池尾千里、夫婦でさせていただいています。
今週は、池尾千里がお贈りします。
誰かとの関係で感じる感情、その中でも「理解されていない」というのは、とても悲しいし、寂しいものですよね。とりわけ、パートナーとの間で、そんな感情を幾度も感じていたら大変です。
悲しさや寂しさを通り越して、パートナーに対して、怒ってしまったり、さらに、そのまま進むと、相手に何かを求めることは、すっかり諦めてしまい、「怒り」を感じつつも、表には出さないようになったり、伝えることをしなくなってしまうこともあります。
これは、あまりに辛い悲しさや寂しさを、二度と感じないための、心の最終手段なのです。
こうすると、悲しさや寂しさは感じなくて済むのですが、二人の関係は、改善の余地がなくなってしまうため、このやり方を続けているうちに、未来のない関係に「もう、別れよう」と決断することになったりすることもあります。
または、子どももいるし、家のローンもあるから、別れたりはしないけど、「もうパートナーを、好きになることはないな」なんて、ロマンスとは真逆の同居人と割り切ってしまうケースもあります。
「怒り」は「自己攻撃」
しかし、子どもたちもやがて独立していきます。
すると、離婚せずに、ローンを一生懸命支払って手にれたこの「家」に、そんな夫と私が、いずれふたりきりになるということです。
この未来予想図・・・
ペットを飼って、ふたりと1匹にして、ペットに間に入ってもらうのもひとつの手ですし、習い事や創作活動で隙間を埋めていくのもいいかもしれません。
でも、やはり家にいて、毎日毎晩、顔を合わせ、食事をし、一緒に生活している、一番近くにいるパートナーとの関係は、なるべくなら、良好なものであって欲しいですよね。
何より、それが一番楽ちんです。
顔を見て、嫌な気分になる相手を、自分の一番近くに置いているなんて、楽じゃありませんね。
相手に対して怒っている時、私たちは、「パートナーのことを、私が嫌っているのだ」と思っていますが、実は、「私が、私をどんどん嫌いになっていく」ということも同時に起こっています。
誰かを嫌う自分、誰かに怒っている自分を、良いものだと思えないからです。
時に、そんな自分のことをこてんぱんに批判し、嫌っています。
「怒り」とは、「自己攻撃」なのです。
相手が、私をこんな嫌な気分にさせているのはなく、相手を見るたびに、自分の中の、こんなひどい部分に出会うことになる、というのが「怒り」のややこしいところです。
余裕がない時に起こっていること
パートナーに「理解されていない」というのは、とても辛いものだというお話をしました。
たとえば、家事をやること、ひとつひとつの大変さや、終わりのないような、子育てについて、こんなに大変だったのかと、その状況になってみてびっくりした方も多いのではないでしょうか。
私自身も、出産を控え、仕事を辞めて専業主婦になった時、赤ちゃんのお世話をしながら、家事をやるなんて、チョロいくらいに思っていたのです。
だって、それが仕事なのですから、会社勤めをするのに比べたら、可愛い赤ちゃんとずっと一緒に居られるなんてステキ!!くらいに妄想していたのです。
ところが、この可愛い赤ちゃんが、(夜)眠らず、(おっぱい)飲まず、ぐずぐずいって、24時間体制で私を追い込み、モンスターのように感じるようになるなんて、知る由もなかったのです。
夕方5時になったら帰れる会社は、素晴らしい働き方だったかもしれない。
たとえ遅くなる残業があったとしても、終わったら、自由な時間だったじゃない。
そんなことを考えていたりしました。
家の中は片付かず、食事もまともに作れず、買い物にも行けない。
ヘトヘトで、余裕のない状態で、夫が仕事から帰って来るとふたつの大きな感情が渦巻いていたのだと、今ならよくわかります。
ひとつは、「怒り」の感情です。
「さっさと帰って来てよ!」
「手伝ってよ!」
「大変なのわかるでしょう?」
もうひとつは、「ごめんなさい」です。
「ご飯作れなくてごめんなさい」
「掃除できてなくてごめんなさい」
「こんな妻でごめんなさい」
両方が、ごちゃごちゃになっていました。
疲れて、仕事から帰って来た夫に、ごちゃごちゃな気持ちをぶつけるのにも躊躇があります。
急いで、ご飯の支度をするためにキッチンに飛び込むと、そこからは、また怒涛の忙しさです。
ご飯を食べ、片付け、お風呂に入れ、おっぱいや寝かしつけ(寝ないけど)・・
伝えられない理由
夫に、大変な気持ちを伝えることが、昨日も、今日も、できないのです。
自分の中で、整理できていない気持ちを伝えることは、大人になると難しいものです。
相手の負担になるのではないか、理解されないに決まっているなどと感じると、言わずにおいておくようになるものです。
もちろん、夫がこんな妻に対し、余裕があるとは思っていなかったはずです。
しかしながら、どのくらい妻が大変なのか、どんなサポートが必要なのかについては、妻を助けたいという夫であったとしても、なかなか考えが及ばないもののようです。
余裕がなさすぎて、余裕がないことが伝えられていない状況が、妻自身を苦しめているのです。
子どもがいるいないに限らず、専業主婦、仕事を持っている人、いない人にかかわらず、余裕がなくなることは誰にでもあります。
そんな時には、伝える余裕もないので、むやみに我慢をして、自分の中に無理を詰め込んでいきます。
ぎゅうぎゅうと抑圧をしていくのですね。
容量の決まっている入れ物に、それ以上のものを詰め込み続けたらどうでしょう。
詰め込んだものが、ある時一気に吹き出すか、入れ物ごと、壊れてしまうかもしれません。
これは、心のお話と同じです。
もし一気に噴き出したら、それをぶつけられた人は、たまったものではありません。
相手との関係が壊れてしまう可能性もあります。
もし入れ物(心)ごと壊れてしまったら、直す(治る)のにとても時間がかかるでしょう。
「伝える」というやり方
大人になると「伝える」代わりに、「我慢」のほうを選んでしまうことが多いようです。
「ごちゃごちゃ不平不満をいうのは、わがままで、大人じゃない。」
そんなふうに思っていることも多いでしょう。
「相手の負担」を嫌うということも多いでしょう。
でも、「伝える」ことは、「怒る」ことや、相手を傷つけたり、負担をかけることとイコールではありません。
「伝える」ことを、いろんな理由でしてこなかったせいで、私たちは、「伝わらない」そして「理解されない」状況に自分を置いてしまっていることがあるようです。
「我慢」や「抑圧」は、やがて「怒り」を生み、「自己攻撃」が私たちを立ち止まらせてしまいます。
これからのやり方に移行していく時かもしれません。
今、自分に余裕がないのかもしれない。
今、「伝える」ことが必要なのかもしれない。
という視点を持ってみましょう。
すると、「じゃあ、誰に伝えようか」「どう伝えようか」という、次の流れがやってきます。
成熟した「伝え方」が必ずあります。
お役に立てれば嬉しいです。
池尾千里
池尾昌紀・千里、ふたりのカウンセラーによる『カップルカウンセリング』ご好評いただいております。
おひとりでお越しいただくことはもちろん、お客さまのパートナーとご一緒にカウンセリングを受けていただくこともできます。
男性カウンセラーと女性カウンセラー、双方からのバランスの良いカウンセリングがご提供できます。
ご希望の方は、ご予約の際に「池尾家・カップルカウンセリング」とお申し出くださいませ。
池尾家カップルカウンセリングは、名古屋市の鶴舞にておこなっております。
カップルカウンセリングの料金
1時間 ¥14,500-(税込)
2時間 ¥27,000-(税込)
次週、6月11日(月)は、池尾昌紀が担当します。
どうぞお楽しみになさってくださいね。
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6月のご予約受付中です。
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