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もう一度、恋心を取り戻すために

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恋愛テクニック

カウンセラーの平です。

日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。

ライン ライン ライン ライン 

 

小説『ジキル博士とハイド氏』では、紳士で知的なジキル博士の内面に、冷たく、残忍きわまりないハイド氏が棲みついているという物語です。

 

このストーリーにも描かれているように、私たち人間の内面には複数の自分が潜んでいるといわれます。

 

男女関係において、おつきあい早々のロマンスの時期は、“愛”というフィルターを通してパートナーを見ています。

 

すると、パートナーのよい面ばかりが見え、それが二人のロマンスや親密感をいっそう高めてくれるわけです。「ほんとうに、理想の人にであっちゃった。うふドキドキ」というかんじですね。

 

しかし、つきあってしばらく経つと早い人で3カ月、ふつうは6カ月から1年程度でしょうか、パートナーのいやな面が見えるようになり、それが二人の関係にも影響を与えるようになります。

 

「なんで、あなたは私の理想通りではないの?!」という不満が生じ、ケンカが起こるようになるわけです。

 

別の角度から見れば、これはケンカができるほどの絆が二人の間にできたということでもあります。少々、ケンカしたところで、この絆が切れるわけがないという信頼関係ができてきた段階です。

 

恋愛関係はどちらかが“自立”もうひとりは“依存”という立場で関係が進んでいくことが一般的です。

 

自立の側は「私のやり方でやる。いやなら別れる」という強気の態度をとっていて、依存の側は「つきあってもらうためには、どんなことでもする」と相手に合わせたり、ガマンしたりという状態です。

 

 

この状態から、いわゆる“パワー・ストラグル”へと陥っていくこともあります。たがいが自己主張し、折れることがないケンカ状態のことです。

 

ロマンスの時代には愛を通して相手を見ていたわけですが、この時代になると不平不満を通して相手を判断するようになるので、そのぶん、相手に対する評価も不当に低くなります。

 

そして、あなたが相手に対する評価を不当に低く設定していると、心理学で“投影”と呼ぶのですが、「きっと相手も、私のことを不当に低く評価している」と考えます。

 

 

すると、「あいつ、なんにも私のことをわかっていないくせに‥‥」などと思ったりするわけですね。

 

そして、考えるのが、「パートナーには期待しないでおこう」ということです。

 

いままでは、相手に期待しすぎたがために失望し、傷ついてきたわけですから、期待しないでおくことが、唯一、の傷つかないための防衛になると考えるのです。

 

「期待しないでおこう。期待して傷つかないようにしよう。いいことがあったときは、ラッキーだということにしよう」というかんじですね。

 

これは、じつに多くのカップルが実際に行っていることです。

 

しかしながら、パートナーを低く評価していると、ロマンスやときめきはどんどん減っていきます。

 

「だったら、なんでつきあってるの?」というような状態ですが、「だれもいないより、いたほうがヒマもつぶれるし‥‥」というところでしょうか。

 

そんな状態に陥っているカップルに、もう一度、ロマンスを取り戻す魔法があるとするならば、それは、いま一度、“愛”というフィルターを通してパートナーを見ていくということです。

 

カップル・カウンセリングでよく使う手法に、二人に約20歩離れた位置に立ってもらうというものがあります。この距離は二人の心の距離を表しています。

 

そして、二人にしてもらうのは、「パートナーがあなたにしてくれてうれしかったこと、または、言ってくれてうれしかったことを、たがいに伝え合ってください」というものです。

 

二人の関係が凍りついている場合、おたがいへの感謝や愛の扉は閉まっていますから、「うれしかったこと」と言われても、ほとんどの人が瞬時に「ない!!」と思います。

 

が、「なにか一つぐらいあるでしょう?」と、ゆっくり時間をかけてこのセラピーを進めます。

 

そして、重い扉が開きはじめると、たくさん出てくるわけです。

 

「告白しても、どうせ、つきあってもらえないだろうと思っていた。だから、きみとつきあえることになったときは、死ぬほどうれしかった」

 

「今年のクリスマスもまた一人だと思っていたので、あなたと一緒にクリスマスを過ごせるんだと思ったら、泣きたいほどだった」

 

こんなふうに、二人の歴史の中にあった愛のフィルターを通して、あらためてパートナーのことを判断し、見直していきます。

 

そして、二人の仲に愛の種火が少しでも残っていたとしたら、その炎は燃え上がります。

 

不平不満を通して人を評価すると、その人本来の美しさや輝きは見えません。

 

その人に感謝し、その人の素晴らしさを承認することで初めて、あなたが愛したパートナーの正しい評価が見えてくるわけです。

 

これは、パートナーシップのみならず、すべての対人関係にいえることです。

 

あなたのまわりの人々を、感謝と承認のもとに再評価してみることができたなら、あなたを取り巻く世界は激変するはずです。

 

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