「この人ともっと早く出会っていれば・・・と感じる出会いがあった時」を考える

池尾昌紀

毎週月曜日の「恋愛テクニック」は、「カップル・カウンセリング」と題しまして、パートナーとの関係をより良いものにするため、「男性心理」「女性心理」を紐解きながら、さまざまなご提案をさせていただいています。

恋愛・夫婦問題で悩んでいらっしゃる方、パートナーをみつけようと思っている方、現在の、また将来の結婚生活に、役立つご提案を発信してまいります。

担当は、池尾昌紀・池尾千里の夫婦カウンセラー。毎週交代で発信していきます。

今週は、池尾昌紀が担当です。どうぞよろしくお願いします。

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お互いに、あるいは片方にパートナーがいる男女が知り合いになった時。

そこに恋愛感情が生まれたとします。

浮気に発展するのではなく、お互い誠実に対応して、友達として付き合っていく。

道ならぬ恋に発展してしまう。

思いを伝えることなく、普通の付き合いをしていく。

何やらドラマの1シーンのようになってきましたが、そんな状況が生まれた時。

「この人ともっと早く出会っていれば・・・」という言葉を思ったり、交わされたり、それこそドラマのようなことが起こる場合があります。

今のと出会う前だったら、きっと恋をして付き合って結婚していたかもしれない。

そう思ってしまうことがあるわけですね。

カウンセリングの現場では、パートナーシップの悩みの一つとして、すでにパートナーがいる人との恋だったり、自分にパートナーがいる、お互いにパートナーがいるのに、他の人に恋をする、というご相談を伺うことは少なくありません。

こうした場合は、まずその相手が本当に自分にとってのパートナーであるか、を見極めるために、いろいろな心や状況の整理をしていきます。

自分にパートナーがいる場合は、好意を感じているその相手よりも、まずは自分のパートナーとの関係性を整理していく必要があります。

自分にパートナーがいるのに他の人を好きになる場合というのは、パートナーとの関係から目を背けたいため、であることが多いのです。

パートナーとの今の関係性や過去の恨み辛みなどから、パートナーのことが嫌になったり、未来が見えないと感じたり。

だから他の人に好意を向けることで、本当の問題から目をそらしてしまっていることもあるんですね。

しかしながら、実際にパートナーと別れて、お互い別々の道を歩んでいくことが、お互いの幸せにつながるケースもあります。

この場合も、やはり、今のパートナーとの関係を整理して、しっかり別の道を歩むことの意味に気づくことが大切になってきます。

◎「人は過去に出会った人との体験でできている」という視点

こうしたテーマを考えていく上でとても大切だと私が思うのは、「今の自分は、今まで出会った人との体験でできている」という視点です。

今の自分の性格、雰囲気、価値観、魅力などは、もともと持っていたものも、もちろんあるわけですが、過去に出会ってきた人との関わりや体験の中で作り出されているものもたくさんあります。

辛い経験も、楽しい経験も、成功体験も、全てが今の自分の実なっているはずです。

例えば、

・会社をリストラされ、そこから転職して今、仕事を充実してやれている場合。

リストラという大変な苦労を乗り越えたことで、今の仕事ができている。

・離婚を経験して辛い思いをしてきたが、今のパートナーと出会い再婚、幸せな結婚生活を送っているという場合。

離婚経験で学んだことが、今のパートナーとの関係を良くすることにつながっている。

こうした大きな出来事がなかったとしても、出会った人との間で体験したことで学んだこと、成長したことが、今の自分の力になっているのは間違いありません。

とするならば、もっと以前に出会っていたとしたら、その時の自分は今の自分ではないはずです。

そして、相手も今のその人ではないはずなのです。

パートナーがすでにいるのであれば、これはもっとはっきりしてきます。

パートナーとの関係において、いいことも、悪いことも、いろいろあったはず。

その体験によって、今の自分が、そして目の前の相手は作られているはずなのです。

つまり、パートナーがいる人は、そのパートナーなくして、今のその人は成り立たないはずなのですね。

こうして順を追って考えていかないと、このことを私たちは感じることが難しいようです。

もっと早くに出会っていれば、この人と付き合ったり結婚したかもしれない。

確かにその可能性はあります。

けれど、実際に、今の自分と、今のこの人と出会っている事実は変わらないのですから、自分にパートナーがいるのなら、そのパートナーとの関係を尊重した上で、相手にパートナーがいるのなら、そのパートナーとその人との関係を尊重した上で、この出会いが真実のパートナーなのかどうかを考えていく必要があると私は思います。

今のパートナーとの間に、辛いことや悲しいことがあれば、それに向き合って整理していくことは大変なことです。

辛すぎてできない時には、今すぐやる必要はありません。やれる時にやればいいわけです。

ただ、準備ができたら向き合っていくことは、覚えておいて保留にしておく。そう思っておきましょう。

自分にパートナーがいる場合は、好意を感じているその相手よりも、まずは自分のパートナーとの関係性を整理していく必要があるのは、こうした理由からも大切なことなのです。

この人ともっと早く出会っていれば・・・と感じる出会いがあった時。

そう思うことを否定する必要はないと思います。

しかし、今回書かせていただいたことをきちんと考えてみることがとても大切なことだと思うのです。

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