こんばんは。
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。
結婚3年目の奥さまからこんなご相談を受けました。
「1歳になる子どもにすごく手がかかるんですけど、ダンナがとにかくなにもしてくれないんです」
「頼んだことはするけど、気がきかないわ、結局、二度手間になるわ‥‥。私がやったほうが早いので、頼むのもいやになります」
じつは、この方と同じようなご相談はよくいただきます。そして、そんなみなさんには、いつもこんなふうに申し上げます。
「ほんとうに面倒だと思いますが、現状のまま放置しないほうがいいですね。さもないと、10年後にはご夫婦の間にヒマラヤ山脈よりも高い壁が、もしくはマリアナ海溝よりも深い溝ができていますよ」
子育てでただでさえ忙しいのですから、「自分のことは自分でやってほしい」と思うのは当然のことです。
ただ、ここでもしこんな構図ができていたとしたら、注意が必要です。それは、ご主人に対し、「してくれることがあたりまえ」で、「してくれなかったこと、上手にできなかったことは責める」というものです。
もし、そうなっていたとしたら、ご主人は「してもしなくても、怒られる」ということになります。そのようなことが続くと、やる気はどんどんなくなっていきます。
一方、人間というのは、イライラしている自分や攻撃的な自分を嫌うものです。したがって、奥さまもご主人のことを怒ったり責めたりするたびに、いやな気分になりがちです。
そんなこんなで、二人の間に沈黙が増え、壁はどんどん高く、溝はどんどん深くなっていくのですね。
そして、奥さまはこんな関係性を望むようになったりするわけです。「私のことは私がするから、あなたのことはあなたがして。そして、これが大事‥‥。絶対、私のジャマはしないで」。
なにもしてくれないご主人のために、なにかしてあげようとは思わないので、夜、ベッドの中で伸びてきたご主人の手を払いのけるということも多くなります。「疲れているのよ、眠らせて。もう、ほんとに‥‥」というわけですね。
こんなことが増えると、夫婦の間の壁や溝はさらに大きくなっていくようです。
しかし、じつは今回のような状況下では、じつはご主人のほうも奥さまに対して同じようなことを思っていることが多いようです。
奥さまは子育てにいっぱいいっぱいで余裕がないわけですが、じつはご主人のほうも仕事や職場のことでいっぱいいっぱいで余裕がない‥‥、という場合です。
たしかにご主人はあなたの頼んだことを上手にはできないかもしれません。
それでも、頼んであげて、彼があなたの喜びになれるようにしてあげると、彼のほうもあなたにいろいろなことを頼みやすくなってきます。
二人がたえずそんな相互関係にあるようにしておかないと、前述のような自立的な関係は改善されません。
そんな状態が10年も続くと、それはもう攻略不可能な堅固な石のお城が2つ並んだような夫婦関係ができあがってしまいます。
ですので、たとえめんどくさくても‥‥、いや、そうとうめんどくさいことでしょう。が、家庭の問題にともに向き合い、ともに片付けていくという協調の姿勢が、夫婦の一生の絆を作っていくのです。
「ちょっとお願いがあるんだけど」
「ねえねえ、ちょっと助けて」
二度手間になるとしても、なんとかあなたのほうから、彼に頼んでみてください。子育てならぬ夫育てですね。あなたが始めると、ご主人も同じようにあなたを頼りにするようになっていくはずです。
そして、おたがいの“足らず”を埋め合えるような関係性ができると、ともに生きていくという実感が生まれます。
また、「できないこと=悪いこと」として、「自分はだれの役にも立てない」という思いを家族のだれか一人が持つと、それは家族すべてに伝染します。
そして、家族の一人がなにか失敗をすると、家族全員が自分を責めることになりがちです。
心理学では、「問題とは、愛の欠如であり、ひとりぼっちで生きているということである」といわれます。
だれかを「あてにする」ということは、ときには大きな失望感を味わうことがあるものですが、だれもあてにせず、自立し、一人で孤立していくということのほうがずっと大きな問題であることが多いのです。
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