みなさん、こんにちは。カウンセリングサービスの大野愛子です。
木曜日は「うまくいかない恋の処方箋」をテーマに、大門昌代・大塚統子と共にお送りしております。今週は、大野が担当させて頂きます。
「別れた恋人のSNSを見るのがやめられません。
やり直したいとは思っていないのですが、
でも、つい見に行ってしまうんです・・」
(※SNS=フェイスブックやツイッターなどのこと)
見たところで気分が良くなるはずもなく、むしろ胸がしめつけられるだけなのに、どうしても見てしまうと悩む人がいます。
これはどんな心理なのでしょうか?
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私たちは大好きになった人のことを、そんなに簡単に嫌いになることができません。
でも、失恋をしたら、昨日まで大好きだった人のことを、今日からは嫌う努力をしなければいけない。
それがどれだけつらいことか、失恋を経験したことがある人ならきっとわかるでしょう。
そこには、失恋ならではの「執着」という心理が影響をしています。執着とは、人や物に心がとらわれて、離れられないことをいいます。
頭ではちゃんとわかっているんです。もう、彼を諦めなきゃいけないこと。
でも、手放せないんです。だって、彼を手放してしまったら、そこに残るのは“ひとりぼっちの自分”だから。
失恋した今になって感じるのは、「彼は私を傷つけた人、私を捨てた人」というネガティブな気持ちです。
ですが、“好き”という感情で繋がれないときには、ネガティブな感情であったとしても、心のなかに彼を繋ぎとめておきたいと思ってしまうのです。
時々思うんです。執着って、ある意味では「痛み止め」みたいなものなのかなって。
ひとりぼっちの自分を感じるぐらいなら、彼の存在を心のなかに残しておこう。これこそが、執着の正体なのです。
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SNSの先にはたしかに彼の存在があって、そこから感じられる彼の日常というのは、たしかに心を満たしてくれたのでしょう。
だからこそ、別れたあとになっても、彼のことを考える習慣だけが残ってしまうことはよくあることです。
その恋がもともと、「あまり会うことのできない関係」「距離が遠く離れた関係」だとしたら、なおさらその傾向があるでしょう。
別れた恋人のSNSを見てしまうことの何か問題かというと、痛みの元から離れることが出来ないということ。
痛みの元から離れることが出来ないので、いつまでも失恋した当時と同じストレスを感じて過ごさなければならないのです。
さらに深刻なのは、別れたその日から「人生の時計」を止めてしまうこと。
古いアルバムを眺めながら毎日を過ごしているようなものですから、前に進めないまま時間だけが経過をしていくのです。
そんな毎日は、むなしく無気力な感じがするかもしれません。でもそれは、前を向こうとするエネルギーを、過去のほうに注いでいるからなんですよね。
そのため、元彼のSNSを見てしまう人は、失恋からの立ち直りが長引く傾向があるようなのです。
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カウンセリングでお会いする人のなかには、そんな自分をひどく嫌っている方も少なくありません。でもね、思うんですよ。
「それだけ彼のことが好きだったということですよね?
だから、もうしばらくは、このままでもいいんじゃないのかな。」
私は、そうお伝えすることも多いです。無理やり引きはがそうとしたら、もっともっとしがみつきたくなるから。
そんなときは、「どうしてそこまで執着したくなっちゃうんだろう?」という、根っこにフォーカスしたほうが良いことも。
きっとなんらかの握りしめていたい理由があるはずなんです。それは、あなたの個人的な体験として。
「もう少し古い過去の恋愛とか、家族関係のお話しを、ちょっと聞かせてもらっていいですか?」と、深い感情のある場所に下りていくことが多いでしょうか。
「ひとりぼっちになりたくない」という不安は、失恋によって生まれたものではなく、もっと昔から存在しているはずなんですよね。
自分でも意識していなかったようなさみしさが、そこには横たわっていることがほとんど。
無理やりに手放そうとするよりは、「握りしめるだけの理由がある」と考えたほうが、ずっと近道なこともあるぐらいなんですよ。
だから、ひとりで抱えないでほしいところなんです。
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私たちの心のなかには、“パートナーだけが座ることができる椅子”というものがあるのをご存じでしょうか?
もちろん椅子は、二脚。
ひとつはパートナーが座るため、もうひとつはあなたが座るための椅子です。
パートナーの椅子に座れる王子様は、ひとりだけ。
ですがその椅子に、別れたはずの元彼がどっかりと座っていることがあるのです。
さて、どうしましょ!?
元彼が座っているかぎり、王子様の席がないじゃないですか!
でもね、このようなことが心のなかでは起こっているのです。
物理的には元彼とは別れているのですが、心の中にはまだしっかりと存在しているなんていうこともあるのです。
え~!そんなの困る!?
でも、ひとりの部屋に帰るのはさみしいから、元彼さんにいてもらっているのです。だって、彼を手放してしまったら、本当にひとりぼっちになってしまうじゃないですか。
このような心象風景をもっている人は、じつは少なくないようです。
失恋してつらいときには、世界にたったひとりのような気分になってしまうけれども。
「本当にひとり?」と自分に聞いてみてください。
あなたのまわりには、本当に誰もいないのでしょうか?
よくよく見てみましょう。
友達や家族や仲間、きっと誰かがいるはずです。
あなたの心のなかに、元彼さん以外の誰かを招いてあげてほしいのです。今からでもいいのです。誰かの存在をあなたの心の世界に入れてあげてくれませんか?
長引く失恋の傷を手放すプロセスで大切なことは、“心をひらいて繋がりを求めてみること”。
それはいわば、彼だけを見ていた視線をそとの世界にひろく向けてみることでもあります。そうしたときに、じつは自分がひとりでなかったことを感じることができるでしょう。
ひとりじゃないと感じられたとき、すこしずつ心の痛みが癒えていき、新しいスタートへのプロセスが始まります。
さぁ、その扉を開けましょう。
30代からのうまくいかない恋愛と40代からのこじれた男女関係に。婚活・失恋・復縁・不倫など、恋愛についていろいろ書いています。
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