こんばんは。
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。
「どうして私は手のかかる人ばかり好きになってしまうのでしょう?」
先日、私どもにおいでになった女性から、こんなご相談をいただきました。
恋愛というものは理屈ではありません。
『ロミオとジュリエット』の時代から、どれだけまわりに反対されようが、どれだけ「あの男だけはやめときなよ」ともっともな理由を並べられて説得されようが、好きになってしまったものはどうしようもないのですね。
バカだのアホだのと罵られても、まわりから「ほーら、やっぱり」と言われるような苦労をしても、結局、また同じパターンにハマッているということは往々にしてあるものです。
そして、カウンセリングをしていると気づくのですが、この女性のように、わざわざたいへんな恋愛パターンにハマッていく人は、その人自身が“愛されすぎた子ども”として育ったという場合が意外と多いようなのです。
“愛されすぎた子ども”とは、ご両親やおじいちゃん、おばあちゃんに溺愛され、それに甘え、わがままに育ってきたようなケースをいいます。
愛される一方ですから、心の中の愛の質量のバランスも、与えるものより、もらうもののほうが圧倒的に多いわけです。
そして、自分がもらったほどには、まわりに愛を与えてはいないので、その収支バランスをとるかのように、ものすごく手のかかるパートナーを見つけたりするのです。
それはもう、一方的に愛することばかりしなくてはいけない人ばかり見つけてくるわけですが、これを別の視点から見れば、人間の心の本質とは、それほどに、だれかを愛したくて仕方がないということがわかります。
心は、誰かやなにかを愛しているとき、いい気分でいられます。
一方、どれだけ愛されているとしても、自分から愛していないかぎり、心は幸せを感じることはありません。
さらに、「人は自分が愛してもらったように、人のことを愛する」という法則があります。
つまり、溺愛されてきた子どもは、ほかの誰かのことも溺愛したくなるようなのです。
愛の対象は自分の子どもでもいいし、ペットなどでもかまわないのですが、これがパートナーとなると問題は厄介です。
なぜなら、両親やおじいちゃん、おばあちゃんたちのような愛し方をパートナーに投影しますから、あなたはどんなわがままも聞きつづけます。
すると、パートナーはどんどん増長し、やがては暴君のようになっていくことが多いからです。
このような状況は、双方が大人として未成熟である場合に起こりがちです。
今回のご相談のように、男性のほうが暴君になるケースでは、彼は彼女のことをまるで母親のように感じて、面倒を見てもらったり、こき使ったりしようとします。
いうなれば、成熟した大人としての対等な関係性ができていないのです。
愛するほうにしてみれば、どれだけ与えても満足してもらえず、要求はエスカレートするばかりですから、つらいですよね。
そして、こういうときは、ほんとうに不思議なことなのですが、暴君がもう一人生まれます。
ほかでもない、彼に尽くしている彼女です。
彼に対してはまるで奴隷になったごとくに奉仕する一方で、親に対してはわがまま放題になったり、弟や妹、コンビニやレストランなどのお店の人たちに対して横暴にふるまったいるすることがよくあります。
いってみれば、「奴隷になるか」、「暴君になるか」の二択しかないわけです。
このパターンにハマッている人にとって、重要なカギになるのが両親との関係です。
“親子”という関係を抜け出し、どれだけ“対等な大人同士の関係”になっていけるかが重要です。
こうした人たちの深層心理には、「私はなにもできないダメな子どもだから、だれか私の面倒を見てくれる人がいないと生きていけない」という思いがあります。
ですから、一見、献身的に尽くしているように見えるのですが、じつはそうすることにより、自分を守り、愛してくれる人を探しているということのほうが多いのです。
理不尽な要求を飲んでしまうのも、そんな思いがあるからなんですね。
その深層心理の裏には、「自分の理不尽な要求を受け入れてもらいたいから」という隠れた欲求があるわけです。
このパターンにハマッている人たちは、あらためて、「両親は、私の面倒を見るためだけに生まれてきたわけではない」という認識をもつ必要があります。
さらに、深層心理に見え隠れする罪悪感を癒す必要があります。
それは両親への罪悪感で、「たくさん愛してもらってきたけれど、自分は十分に愛を与えることができていない」というものです。
そのために自己攻撃のパターンが生まれてしまうのです。
この罪悪感を癒すのが、やはり両親との関係性における成熟さです。
たとえば、親孝行をする、両親に感謝の言葉を伝えてみる‥‥。
そうしたことができるようになったとき、このネガティブなパターンから劇的に解放されていくことが多いようです。
ただし、そこにはものすごく大きな勇気がいりますよ。
一人だけでがんばらないで、お友だちやカウンセラーなどのサポート受けながらチャレンジしていくといいでしょう。
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