みなさん、こんにちは。カウンセリングサービスの大野愛子です。
木曜日は「うまくいかない恋の処方箋」をテーマに、大門昌代・大塚統子と共にお送りしております。今週は、大野が担当させて頂きます。
「失恋の傷は新しい恋で癒やす」とはよくいわれる言葉です。
たしかにそのとおりでもあるのですが、失恋をしてまだ間もないのに(2~3週間ぐらいで)次の恋に向かおうとする人がいらっしゃいます。
「早く立ち直りたい」「さっさと忘れてしまいたい」「彼を後悔させたい」などという、その気持ちがわからないわけではありません。
ですが、心の痛みにそのままふたをして、さらなるプレッシャーを自分にかけ、むりやりテンションを上げていくことで、次がうまくいかなくなることも多いんですよね。
さっそく参加した婚活パーティーで出会った人と、早々にデートをする人もいます。ただし、その目的が「早く元カレを忘れるため」だったりすると、いちいち彼と比べてしまったり、ふとした瞬間に元カレとのたのしい思い出がよみがえって悲しくなってしまうなんてこともあるようです。
ひたすら自分磨きに没頭する人もいます。その目的が、「元カレを見返したい」だと、幸せになった姿を早く見せつけたくて、あまり好きではない男性となんとなくお付き合いを始めてしまい、あとで後悔するなんてこともあるようです。
溺れる者は藁にもすがるといいますが、あまりにも心が弱っていると、とにかく手短で手の届くところにあったご縁を“引っ掴んでしまう”ことがあるので、どうかご注意ください。
私たちの提供しているカウンセリングやセラピーも、その苦しい状況から早く抜け出していくためには効果があります。
ですが、自分の感情に向き合い解放することではなく、さっさと前に進むことばかりにこだわると、あとで反動が来ることもあるのです。ですので、そのあたりはカウンセリングでも慎重に歩を進めていくプロセスです。
でも、ですね。「早く次に進みたい」と思う人の多くは、ひじょうに自立的で頑張りやさんで、自分の弱さを見せることが苦手な人が多いです。
情けない自分がゆるせなくて、「もっと前向きにならなきゃ!」とつねに自分を奮い立たせているようなところがあります。普段からできるだけポジティブでいたいと考えるタイプの人ですから、どうしても焦りが出てジリジリとするのです。
そんな人にはあえて、「二ヶ月ぐらいはリハビリ期間だと思ってくださいね。」とお伝えすることにしています。
「ええ?二ヶ月も~?」と思ったあなたは、ちょっと急ぎがちな傾向があるかもしれませんね。
そんな方の多くというのは、なんといいますか。自分の具合が悪かろうと普段から無理をしがちですし、忙しく毎日を過ごすことを好みがちですし、予定をぎっしり入れて仕事をしちゃうタイプでもありますし。
とにかく自分を後回しにしてしまい、もともと自分を大切にできない傾向があったりするわけです。
ですので、失恋をキッカケに、「自分を大切にする時間をもってみてはいかがですか?」という提案をすることが多くなります。
女友達にちょっとグチを言ってみる。サービスを受ける側になる時間をもつ(エステ、マッサージ、ネイルなど)。温泉で身体と気持ちをゆるめる。少しの贅沢を自分にゆるす。なにもしない時間を過ごす、泣くことを自分にゆるすなど。
おすすめするものはいろいろで一緒に考えるのですが、実際私に相談をして、そう言われたことのあるクライアントさま、あなたのことですよ~!大丈夫ですか?(笑)
なかには、失恋の痛みを直視したくないタイプの方もいます。
絶対に大丈夫だと思っていた関係で、ある日突然にフラれたような場合は「これはなにかの間違いだ」と思いたくもなるのです。
いわゆる、「ブレーカーが飛んじゃった」というぐらいのショックだと、その失恋をなかったことにして「さっさと次」に進みたくなったりもするのです。いわゆる否認です。
平気なふりをするしかなくなるので、心の傷が治癒していきません。どこかに男性不信という後遺症を残すこともあるのです。残念ながら、這うようにして進んだ次の恋がうまくいくことはあまり多くはないのです。
もう一度お伝えしますが、元カレを忘れることが目的であると、「傷を癒す時間」「その失恋からの学び」「自分を成長させるための時間」などのすべてが未消化なままになるからです。
急がば回れとはよく言ったもので、同じことを繰り返したくなければ、その恋を見つめなおすための時間はきっと必要なのです。
そのためにほんの数か月。自身を取り戻すこと、自信を取り戻すことを優先してみてもいいのではないでしょうか。
そのケアをしてあげるだけの価値があなたにはあるのです。
そう思えたらいいですね。
じつはそれがいちばんお伝えしたいことなのです
婚活・失恋・復縁・不倫など、恋愛について書いています
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