こんばんは。
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。
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“潜在意識”や“無意識”という言葉をお聞きになったことはみなさんもあるでしょうね。
私たちの心には、自分が自覚していること以外にも、とても大きな作用をもっているようなのです。
たとえば、パートナーをおもちでないみなさまは、意識的にはもちろん「パートナーが欲しい!」と思っていらっしゃることでしょう。
ところが、私の長年のカウンセリング経験によりますと、その思い以上に無意識の部分では「パートナーをもつことを躊躇する力」が働いていることが少なくありません。
すると、それがまるでブレーキのようになり、「パートナーが欲しい」というアクセルをあなたがどんなに踏んだとしても、ものごとが前に進まない状況をつくってしまうのです。
では、なにがそのブレーキになっているのかというと、いちばん多いのは、「また傷つくのではないか?」という“恐れ”です。「恋はしたいけれど、傷つくのはもうイヤ」という思いがあなたの心の中にあり、恋にのめりこもうとするあなたの心を抑制するわけです。
人間には、理想や希望を現実化したいと頭で思っている一方で、心がそれを拒絶しているということがよくあります。
仮に、あなたが子ども時代にスポーツ選手だったとしましょう。ところが、練習中に骨折してしまい、1カ月の入院を余儀なくされたとします。
あなたは安静を命じられ、病院のベッドでおとなしく過ごしているわけですが、窓の外からは同じ年頃の子どもたちが野球やサッカーをする声が聞こえてきます。自分も仲間に入りたいという思いがあると、安静になんてしていられないような気持ちになりますよね。
でも、いまはベッドを離れることはできませんから、あなたは子どもなりに「野球なんか、したくない」、「サッカーなんか、興味もない」などと自分の心に言い聞かせたりします。
つまり、「野球がしたい!」、「サッカーがしたい!」と思っている心に向かい、「自分はそんなことには興味がない」と言い聞かせることで、なんとかベッドに安静にしていることができるわけです。
子ども時代の私たちは、ものすごく欲しいものがあっても、そのすべてを手に入れられることはありませんでした。欲しくても手に入らないと心が傷ついてしまうので、自分に言い聞かせるわけです。「そんなものは欲しくない」、「ぜんぜん望んでいない」などと。
それはものだけにかぎりません。たとえば、あなたの子ども時代、ご両親の仲があまりよくなく、ケンカが絶えなかったとしたら、あなたはしょっちゅう失望し、傷ついていたことでしょう。
だから、その状態を受け入れるために、「幸せな家庭など意味はない」などと、家庭というものに希望をもたないようにして、ほんとうはいちばん望んでいるものを、いちばん興味のないものへと陥れます。
つまり、あなたの心は仲のよい夫婦の姿や幸せな家庭を望んでいるけれど、望むことで傷つく経験をするのであれば、最初から望まず、求めないことで、心の平安を守ろうとするわけです。
それと同じように、パートナーがいなくてひとりぼっちのとき、あなたのそばにイチャイチャしているカップルや、これからデートに行くとウキウキしているお友だちがいたら、うらやましく思ったり、嫉妬したりしてしまうかもしれませんよね。
そうならないように、あえて自分に「そんなもの、さほど欲しくない」とか、「人生には恋愛以上に大事なものがたくさんある」などと言い聞かせ、自分の中での恋愛の優先順位を下げることで、自分の心が傷つかないようにするわけです。
また、中には「自分がパートナーをもち、ラブラブになってしまうと、人に嫉妬されたり、人を傷つけたりしてしまうことがあるかもしれない」と思う人もしばしばいます。
人のよい人や友だち思いの人に多いのですが、自分が嫉妬したり、人をうらやんだりしたことがある度合いだけ、こんどは自分がそう思われるのではないかと思うのです。そのために、お友だちにへんな気の使い方をすることもあれば、パートナーシップをもつことが悪いことのように思ったりするようなこともあるようです。
ここまで述べてきたことは、意識的にあなたがしていることではなく、無意識的にあなたが感じていることです。
そして、この無意識の思いのせいで、「いろいろ、ややこしいことをするぐらいなら、パートナーをもたず、平穏に生きているいまの生活を続けていったほうがましかも‥‥」などと考えていたりするようです。
ここにあるのは、「自分がいちばん望んでいること=自分をいちばん傷つけること」という自己概念です。
そして、実際に大好きなパートナーとケンカをしたりするとあなたは傷つき、「やはり男女関係は私を傷つける」という自己概念を強化するという悪循環に陥ったりします。
しかし、パートナーは本来、あなたを傷つけるための存在ではなく、あなたにとって、喜びの存在であるはずです。
「パートナーを使って、私はけっして傷つかない」と、あなたが心の力を使ってこう決めるまで悪い循環は起こり続けます。
「パートナーは私の喜びである」。
心の力を使って、きょうこそ、書き換えてくださいね。
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