みなさん、こんにちは。カウンセリングサービスの大野愛子です。
木曜日は「うまくいかない恋の処方箋」をテーマに、大門昌代・大塚統子と共にお送りしております。今週は、大野が担当させて頂きます。
いいなと思う人ができても、自分で好きになる気持ちにストップをかけてしまう方は、「ひとりでふたり分考える人」がどうも多いようです。
仮にとあるA子さんは、もう長らく彼氏がいません。
いいなと思う人ができても、いつも決まって思うのは、「こんな私が好きになっても、きっと迷惑よね」ということ。
勇気を出して、その人にメールを出してみようと思うこともあります。
でも、そのたびにいろいろ考えてしまうんです。
「メールを出して、それで返事が来なかったらどうしよう。めんどくさい女って思われるかもしれないし。そんなふうに思われるぐらいならば、やっぱやめておこうかな・・」
そんなことの繰り返しで、最後には悩み過ぎて疲れてしまいます。
「どうしてそう思うのですか?」とお伺いすると、「え?だって私だったらそう思うからです」と答えてくれました。
じつはA子さん自身は、少なからず男性からアプローチを受けることがありました。
ですが、タイプではない男性からのお誘いには、「どう断ろうかな?どう言ったら傷つけないで済むのだろう?」と考え込んでしまうのです。
そうしているうちに、考えすぎて「面倒」になるのです。
だから、「自分に対しても相手が同じことを考えるのではないか?」と思ったようです。
私達は少なからずこういう考え方をするものですが、相手がどう思うかは相手の領域です。
ひとりでふたり分考えてしまう人というのは、「自己完結」のパターンをもちやすく、遠くから見ているだけの恋や好意があっても伝えないままの片思いで終わってしまうことが多くなります。
そして、ちょっと自分を嫌いな方が多いようにも感じます。
「自分でも自分が嫌いなんだから、こんな私を好きになる人ってきっといない。いたとしても、なんだかそれって変な人なのかも。」
と思っていることが多いようです。
(自分が思うことを相手もそう思うだろう。まさに投影の法則なんですが。)
しかし、相手はA子さんとは違う考え方をします。
感じ方や考え方というのは、つねに「自分の分」と「相手の分」が存在します。
それなのに「ひとりでふたり分」考えてしまうと、自分の世界の中で「相手の考えるであろうことを勝手に判断してしまう=決めつけ」が起こります。
悪気はないのですが、これが自己完結のパターンなのです。相手には相手の感情がある、ということを忘れてはいけません。
このようなクセがある方は、きっとどこかに「自分は迷惑な存在である」という誤解があるのかもしれません。
もし、あなたがA子さんのような人であるのならば、「こんな私が好きになっても迷惑だから」と自分の存在をたいしたことがないと思っているはずです。
ですが、人が人を好きになるということは、その人の存在を認めてあげるということ。
そんな人が、心から本当にしたいと願っていることは、「あなたに出会えて、本当にうれしい」とその人の存在理由を伝えてあげることなのかもしれません。
A子さんのような人こそ、それができる人。なぜならば、ずっと居場所のなさを抱えてきた人だから。
「あなたにここにいてほしい」「あなたと一緒にいたい」と言われることがどんなに嬉しいことなのか、よく知っているのです。
もしかしたらあなたも、A子さんに似ているところがあるかもしれませんね。
ご参考にしてください