こんばんは。
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を原カウンセラーと隔週で担当しています。
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私はカウンセラーをしているわけですが、「カウンセリング」が「お説教」とどう違うのかと言えば、それは、カウンセリングの場合、相手が間違ったことをしていたとしても、叱るのではなく、「なぜ、そのようなことをするのか」の理由を考えてみることにあると思っています。
たとえば、子どもを虐待しているおかあさんがいるとしましょう。
この母親に説教をするのだとしたら、「あんたの生んだ子どもだろ。もっと大事に育てなきゃ、ダメじゃないか」ということになるでしょう。
しかし、カウンセリングでは、夫婦仲がラブラブで、経済的にもなんの問題もなかったとしたら、子どもを虐待したいと思う親などいないはずだと考えるところから出発します。
「ということは、この母親は精神的にゆとりがないのだろう。それほど追いつめられている事情とはいったいなんなのだろう?」というところに着目します。そして、その点についてのサポートができれば、子どもへの虐待も必然的になくなると考えるわけです。
そもそもの原因を見つけ、それを取り除くお手伝いをすることで、子どもと母親の両方を助けようと思うわけですね。
男女関係でも同じように、起こってくる問題は“二人の問題”としてパートナーシップに現れます。別の言い方をすれば、パートナーのストレスや問題は、必ずあなたとの関係に波及してきます。
とするならば、「これはあなたの問題でしょ!」とあなたがパートナーを突き放し、そして、その問題が解決しなかったとしたら、突き放したツケは結局はあなたのもとへとやってきます。
うまくいっているカップルの多くは二人の間に隠しごとがなく、たがいにいろいろな問題を相談し合えるような関係であることが多いようです。
一方、なにかと問題の多いカップルによくある特徴が、財布も携帯も私生活もバラバラということです。「ただ一緒に住んでいるだけ」とか「二人で楽しむ時間だけがパートナーシップ」というような状態であるわけです。
子ども時代に私たちは「親から自分のぜんぶを知られる」という経験をもちますが、これは心理的にはものすごく“安全”を感じる経験です。
しかし、年齢とともに私たちは自立していき、反抗期を過ぎると自分を隠し、自分だけのスタイルを確立したいと思うようになります。そして、だれにも言わない秘密をもつことで、まるで一人の大人になったように感じるわけです。
パートナーシップではその秘密の部分も含め、あなたのことをパートナーにすべて開示し、知ってもらうということが必要となります。
なぜなら、隠しごとや秘密の裏側には、「そんなことを知られたら、きっとバカにされるだろう」、「嫌われてしまうだろう」という思いがあるものです。そして、嫌われないために秘密保持をするのですが、じつはあなたが隠そうとしているその場所は、心理的に見るとあなたがもっとも愛を求めている場所なのです。
それほどまでに愛を求めている一方、「こんな自分を愛してくれる人はいないだろう」とあなたはあなた以外の人を判断しているのです。それはパートナーについても同じで、「彼(彼女)も自分を愛することができないだろう」とあなたは思い込んでいます。
しかしながら、このような考え方のもとでは、あなたのパートナーはあなたを愛する人ではなく、あなたを罰する人という存在になってしまいます。すると、一緒にいても、あなたは安全さや安心感を感じるのではなく、「嫌われないように」とたえず注意を払い、気を使うという関係性となっています。
本来、パートナーとはあなたを愛したいと望み、あなたの利益を自分の喜びとして捉える人です。それは、子どもの成功が親の喜びであるというのとよく似ています。
ですから、あなたが勇気をもち、パートナーに対してオープンになり、たがいに隠しごとのない関係になれたとしたら、仮になにか問題が起こったとしても、その問題を通してパートナーシップの絆を強めることが可能になります。
以前、ある男性は友人から借金の保証人を頼まれました。そして、引き受けたところ、案の定というか、その友人の会社が倒産し、800万円もの借金をかぶることになってしまったのです。
そのとき、彼の奥さんはご主人を責めることはせず、ただ二人でこの借金を返すことに尽力しました。それにより、二人の絆はますます深まり、しかも、奥さんは借金返済のために始めたパートで才能を発揮、その後、正社員となり、チーフとして活躍するようになったのです。
彼女曰く、「どんな問題でも、二人で越えると楽しくなるのよ」。この言葉がすべてを物語っているようですね。
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